今夜が山です…ご家族を急いで呼んでください…そんな言葉を何回も聞いて、その都度息を吹き返した。今回もおんなじ。深夜の電話で叩き起こされ、あわてて翌朝5時10分の一番電車で伊豆高原を発つ。家に残す家内の薬やら介護の手配やらなんやかんやで慌てふためく。心配を山ほど抱えて東京へ向かうのは辛い。池袋からタクシーで大山の日大板橋病院へ。朝の八時だ。妹が父の病床で心細そうに座っている。
どうだ?
うん、目を開けたまま…苦しそうに…昨夜はほんと、もうダメかと…。
意識のない父の耳元で声をかけたり手を揉んだり。一時間もそんなことをしていると腰が痛くなってくる。大学病院の病室ってほんとうに狭くてアルミの丸椅子しかなくて疲れる。これでも一応個室だから部屋代は高級ホテル並みだ。
結論を言えば、医者の見立てと宣告を裏切り、父は小康状態になった。医者の宣告に反して生き返ったのはこれで三回目だ。見立て違いでも良い方の見立て違いだから文句はいえない。20代か30そこそこの研修医だけどね。大学病院の医者も看護士も大変だなぁ。収入良くても医者にはなりたくないなぁ。
87歳の今まで晩酌を欠かしたことのない酒好きの父。膀胱癌も手術したし脳梗塞もおこしたし心臓ペースメーカーも入れてるし…だが、こうやって息を吹き返す。すごい生命力だねぇ。
ずっと病室に付き合っていたらこちらが倒れてしまうので其々の家に戻ることにした。何かあったらすぐ電話をと…で、その後電話は無い。つまり何もおこっていないという事だ。この一週間の疲れが腰にきた。
久しぶりに庭に出る。花柄つみ、雑草取り、消毒、これ以上腰を痛めたら取り返しがつかないのでクワガタのお兄ちゃんの手を借りた。それでも三日はかかりそうだ。閉庭の案内もしたし、鉄扉にはクローズの札もぶら下げてるけど、まだ電話あるんだよね。「ジローガーデンさん?今日、お庭見せてくれます?」スミマセン、今クローズしてるんですけど…。ガーデニング仲間の方が急逝されたとの案内が。クモ膜下出血だそうだ。70歳はいっていない方とお見受けしたが。
バラも何かどうでも良くなってきた。何でバラなんか?だって家で出来る趣味っていったらガーデニングしかないでしょ。どういう訳かバラになったってだけなのよ。カッコつけてさ。あちこちにバラの切り花届けたり、ガーデニングクラブに顔出したり、ブログに花の写真のっけたり、オトモダチ出来るけどね。でもココロハハレナインダヨネ。それに疲れちゃう、イイカッコするの。酔っ払って拓郎節がなっていたほうが楽だしね。
残り仕事も面倒だ。酒も不味い。買い物して、炊事して、パソコンで原稿書いて、俺、何してんだろ…
旅がしたいなぁ。ウィスキーとウォークマンと出来れば寝台車かなんかでさ。北斗なんかいいよな。一度乗ってみたいんだ。札幌の友、どうしてるかな。癌、転移してなきゃいいけど。
家内の寝息を聞きながらとりとめのないこと考えて、ウィスキーを舐めながら、時たまパソコンなど開いてさ。明日もおんなじ時間が過ぎていくんだよな。そうやって歳をとっていくのか?あと七年で70だぜ、そうやって老いていくのか?まぁ、一人の世界じゃないからまだいいけど。一人になって自由になって、涙が出たんじゃ困るのさって拓郎歌ってたっけ。
旅がしたいな。どこに行きたいってこともないんだけどさ。ウィスキーとウォークマンもって。でも、旅がしたいって誰もが考えることでしょ。よくあるでしょ、孤独を感じてる時とか人生に疲れた時とかって。思考がワンパターンだよね、下手な小説じゃないんだからさ。
今夜、電話が鳴らなけりゃいいけど。親父、苦しんでいるかな。
どうだ?
うん、目を開けたまま…苦しそうに…昨夜はほんと、もうダメかと…。
意識のない父の耳元で声をかけたり手を揉んだり。一時間もそんなことをしていると腰が痛くなってくる。大学病院の病室ってほんとうに狭くてアルミの丸椅子しかなくて疲れる。これでも一応個室だから部屋代は高級ホテル並みだ。
結論を言えば、医者の見立てと宣告を裏切り、父は小康状態になった。医者の宣告に反して生き返ったのはこれで三回目だ。見立て違いでも良い方の見立て違いだから文句はいえない。20代か30そこそこの研修医だけどね。大学病院の医者も看護士も大変だなぁ。収入良くても医者にはなりたくないなぁ。
87歳の今まで晩酌を欠かしたことのない酒好きの父。膀胱癌も手術したし脳梗塞もおこしたし心臓ペースメーカーも入れてるし…だが、こうやって息を吹き返す。すごい生命力だねぇ。
ずっと病室に付き合っていたらこちらが倒れてしまうので其々の家に戻ることにした。何かあったらすぐ電話をと…で、その後電話は無い。つまり何もおこっていないという事だ。この一週間の疲れが腰にきた。
久しぶりに庭に出る。花柄つみ、雑草取り、消毒、これ以上腰を痛めたら取り返しがつかないのでクワガタのお兄ちゃんの手を借りた。それでも三日はかかりそうだ。閉庭の案内もしたし、鉄扉にはクローズの札もぶら下げてるけど、まだ電話あるんだよね。「ジローガーデンさん?今日、お庭見せてくれます?」スミマセン、今クローズしてるんですけど…。ガーデニング仲間の方が急逝されたとの案内が。クモ膜下出血だそうだ。70歳はいっていない方とお見受けしたが。
バラも何かどうでも良くなってきた。何でバラなんか?だって家で出来る趣味っていったらガーデニングしかないでしょ。どういう訳かバラになったってだけなのよ。カッコつけてさ。あちこちにバラの切り花届けたり、ガーデニングクラブに顔出したり、ブログに花の写真のっけたり、オトモダチ出来るけどね。でもココロハハレナインダヨネ。それに疲れちゃう、イイカッコするの。酔っ払って拓郎節がなっていたほうが楽だしね。
残り仕事も面倒だ。酒も不味い。買い物して、炊事して、パソコンで原稿書いて、俺、何してんだろ…
旅がしたいなぁ。ウィスキーとウォークマンと出来れば寝台車かなんかでさ。北斗なんかいいよな。一度乗ってみたいんだ。札幌の友、どうしてるかな。癌、転移してなきゃいいけど。
家内の寝息を聞きながらとりとめのないこと考えて、ウィスキーを舐めながら、時たまパソコンなど開いてさ。明日もおんなじ時間が過ぎていくんだよな。そうやって歳をとっていくのか?あと七年で70だぜ、そうやって老いていくのか?まぁ、一人の世界じゃないからまだいいけど。一人になって自由になって、涙が出たんじゃ困るのさって拓郎歌ってたっけ。
旅がしたいな。どこに行きたいってこともないんだけどさ。ウィスキーとウォークマンもって。でも、旅がしたいって誰もが考えることでしょ。よくあるでしょ、孤独を感じてる時とか人生に疲れた時とかって。思考がワンパターンだよね、下手な小説じゃないんだからさ。
今夜、電話が鳴らなけりゃいいけど。親父、苦しんでいるかな。