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定年後の伊豆高原 バラと酒と音楽と

伊豆高原に終の棲家を建築し永住。カミサン、愛猫ジローとの伊豆での老後は如何に。薔薇・酒・音楽・日々の徒然。

泣いた…

2006年10月23日 | 定年後の徒然日記
カミサンが倒れる一ヶ月前以来だから、もう半年ぶりになるか。あれからずっと行けなかった。ずっと気がかりだったけど、今日一日時間をとってオフクロのホームに行った。好きなバラの花束を抱えて。
お前さんは誰なんだい?って顔してじっと俺を見つめている。俺だよ…息子の○○だよ…判るか?ずっと来れなかったんだ、ごめん…
返事の無いオフクロに話をする。あの頃はこうだったよね、あれは面白かったよな、あの時の事覚えてる?あそこに旅行したときの事…楽しかったな…。
判っているのだろうか、うつろな表情で俺を見つめる。
俺が誰だか判るか?ねぇ、俺の名前を呼んでくれよ…返事が来ない。何回も問いかけて、そして言った。○○…俺の名前を呼んでくれた。嬉しかった。覚えていてくれたんだ。そしたら顔をくしゃくしゃにして涙を見せた。
そうか…みんな判っていたんだよな。俺の名前も忘れた訳じゃなかったんだ、でも、言葉が出てこなかったんだよな。オフクロ…また顔をくしゃくしゃにして…
いろんな事を話しかけた。カミサンの病の事も…
悲しくなって、オフクロの胸に顔を寄せた。ねぇ、頭をなでてくれよ…
頭をなでてくれた…いい子だねって言われているようで。
泣けた…涙が止まらない。
ホームを出て帰りに実家に寄る。年老いた親父と酒を飲む。親父、すっかり酒に弱くなって、一合の酒を一時間かけて飲む。親父と飲むのは嬉しいが、どこか男同士はさっぱりしたものだ。
実家に近い高円寺で店を出している妹が時折親父の面倒を見てくれているから安心だ。妹に感謝。
すっかり酔って実家を出る。高円寺から東京駅へ。コダマに乗る。
熱海に来ると伊東~下田の最終電車だ。
真っ暗な車窓を見て…何故かまた泣けた。
伊豆高原…
家に帰るとカミサンがまだ起きていた。
いつも10時には寝てしまうのに…俺を待っていたようだ。
今日は…でも、良い日だった。
こんなプライベートな事を書くなんて。
でも誰かに話したかったから。