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回路部品、新製品開発が活発化 スマートフォンの小型、薄型、多機能化の進展が背景

2011-11-17 | 回路部品



 回路部品は、スマートフォンの小型、薄型、多機能化の進展を背景に、新製品開発が活発化している。個別部品は極小化し、モジュールは高機能化を推進する。

 スマートフォンの小型、軽量で、多機能化に向けた新製品開発に対して、コンデンサ、インダクタ、抵抗器をはじめとする回路部品は、小型化に向けた技術を進展。


●アレイ化技術が進展

 チップ抵抗器、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、さらにはサーミスタ、バリスタなどは0603サイズの採用が定着化。0402サイズもモジュールでの採用に加え、メーンボードでの利用に弾みがついてきた。

 さらに、複数ラインへの対応としてアレイ化技術の進展も目覚ましい。

 抵抗器、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、LCノイズフィルターなど、2素子、4素子を一つの部品にしたアレイは、搭載部品点数を削減でき、高密度実装化に貢献するとして特にノイズ対策としての搭載が広がっている。

 また、RF回路に使われる高周波対応部品の小型化技術も進展している。

 BPFとして利用される積層誘電体フィルターは2×1.25mmサイズ程度まで小型化。さらに水晶振動子は、1612サイズが開発され、量産が始まった。1210サイズについても生産体制を整備している。

 コンデンサでは、RF用として0402サイズの薄膜コンデンサが開発された。

 SAWデバイスは、2mm角サイズ以下に小型化してきたが、ここにきてWLP構造を新たに採用することによって1mm角サイズ以下の超小型化を実現する例も提案。電源回路の小型化、高信頼性化技術も進歩している。

 パワーインダクタは一般的に巻線インダクタが使用されているが、最近では大電流対応技術の進展で、積層インダクタの採用も進展している。


●部品内蔵基板が量産

 スマートフォンでは、RF回路をはじめ、ブルートゥース、W-LAN、GPS、ワンセグなど、様々なモジュールを搭載する。そのモジュールは高機能、多機能で、しかも小型、薄型化が要求される。

 モジュールに搭載する部品の小型、薄型化はもちろん、プリン卜配線板における高密度化が強く望まれている。

 モジュールでは、ビルドアップ工法が用いられるようになってきたが、さらに部品実装密度を高める手段として部品内蔵基板の量産が始まった。

 樹脂系のリジッド基板での部品内蔵基板は、FR-4グレードをベースにした銅張積層板が一般的に用いられている。基板面積が小型で、厚みが薄く、しかも電気的特性、剛性、信頼性などに優れている点が求められている。

 すでにチップ部品や半導体パッケージを基板内に搭載する技術や抵抗器、コンデンサ、コイルを印刷形成する技術など、様々な手法が用いられるようになってきた。

 しかも内蔵する部品も超薄型化の新製品が相次いで開発、半導体パッケージもパッケージの厚みを薄くする技術を採用するなど、技術が大きく進展している。

 最近では、銅コアの内蔵による高剛性を利用。強度が弱いベアチップのGaAsアンテナスイッチを外部の衝撃から保護し、しかもベアチップの微小な電極と最適に接合するために、ビアホールや銅配線を従来の約半分まで微細化し、部品を内蔵する実装の高精度化や銅メッキ接合の高信頼化など、設計を飛躍的に高度化したアンテナスイッチ内蔵基板が開発された。

 モジュール基板としては、樹脂系のリジッド、フレキシブルのほか、セラミック基板の採用も多い。内蔵するコンデンサ、コイル、抵抗器などと同時に焼成するために低温焼結セラミック基板(LTCC)が用いられる。

 LTCCの場合は破損、欠けなどを配慮して、小型基板に適用される。パターン及び部品形成のための微細化技術の進展が目覚ましい。





【記事引用】 「電波新聞/2011年11月17日(木)/5面」


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