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コンデンサ、0402サイズ本格採用 部品内蔵基板向けに超薄型品開発が活発

2009-07-01 | 回路部品



 積層セラミック、アルミ電解、タンタル、フィルムといった各種コンデンサは用途によって最適に使用される。

 積層セラミックコンデンサは小型、大容量化の技術が進展している。セラミック粒子の小型化で、1層当たりの厚みを薄くし、積層数を増やすことで大容量化を実現する。

 サイズは既に0402サイズが本格的に採用され、最近では部品内蔵基板向けに超薄型品の開発が活発化している。


●アレイタイプ採用進む

 コンデンサの使用点数を削減する手法として、アレイタイプが複数ライン向けに採用が進んでいる。特に2素子、4素子クラスのアレイタイプは、複数ラインのノイズ対策用途で利用されるようになった。

 広帯域のデカップリング・過渡応答性能の向上に対しては、低ESR・大容量のコンデンサが有効。この要求に対しては、低ESLコンデンサとして、LW逆転タイプのコンデンサが開発されている。

 さらに新しい内部構造を採用することで、任意にESR(等価直列抵抗)値を設計できる積層セラミックCが開発された。

 自動車向けとしては、100V定格の中耐圧用小型、大容量積層セラミックCが開発された。マテリアルとプロセス技術を高度化したもの。

 積層部分のセラミック誘電体の層問を従来よりも約4%薄くして、薄層を多層化することで、従来比では同等の静電容量で50%小型化でき、同等サイズながら従来比で約2倍の大容量化を可能にした。

 しかも、焼成条件などを墨適化することで、温度特性はX7S特性(温度範囲:-55~+125℃、容量変化率:±22%)を確保した。


●新市場への新製品開発

 アルミ電解コンデンサは小型、大容量を特徴とする。

 環境、省エネといった新市場に向けての新製品開発が活発化している。カーエレクトロークス用途には、エコカー向けに耐熱性や耐振動性を高めた高信頼性製品の品揃えが進む。

 ECU用には、耐久試験後のESRを規定したチップタイプの開発が進展している。さらに太陽光発電、風力発電といった新エネルギー分野では、中高圧コンデンサの小型化に向けた技術進展が目覚ましい。

 タンタルコンデンサは、端子構造を工夫した下面電極タイプでの品揃えが進展しており、さらに全く新しい電極構造の新製品が開発された。

 端子にリードフレームを使用する従来構造とは異なり、プリント配線板を使用する基板端子構造とすることで、タンタルの体積効率を大幅に高める構造を開発し採用したもの。


●市場の裾野拡大

 アルミ電解とタンタルに共通するのは、電極材料にポリマーを使用した導電性高分子コンデンサの開発が活発化している点。これは、低ESRを推し進めることで、搭載点数を削減するというメリットがある。

 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサは、電解液から導電性高分子材料に代えることで低ESRを推進する。

 コンピュータ系マザーボードでの採用が本格化。薄型テレビやゲーム機など市場の裾野が拡大している。導電性高分子タンタルコンデンサもパソコンを中心に需要が伸びている。

 デカップリングデバイスでは、さらなる低ESRニーズに対応してブロードライザが本格的に採用されている。

 1200μFの大容量かつ5mΩの超低インピーダンスにより幅広い周波数帯で使え、従来型コンデンサ数種類分の機能を1種類で果たす。

 ここにきて小型品のラインアップで、薄型テレビのノイズ対策用途などへ市場裾野を拡大している。


●小型化に向けた新製品開発

 フィルムコンデンサは、電源での採用が一般的で、液晶パネルのインバータでは、中圧コンデンサとしてチッブタイブが利用されている。

 最近では、特に太陽光発電のパワーコンディショナ、エコカーといった環境、省エネ分野で中高圧コンデンサとして、小型化に向けた新製品開発が活発化している。

 電気二重層キャパシタは、環境、省エネなどをキーワードに今後一大市場を形成する可能性を秘めている。大電流の充放電が可能で、充放電サイクル寿命が優れた蓄電デバイス。

 既にUPS、複合機、さらには電力分野などで採用が広がっているが、今後ハイブリッドカーや燃料電池車の動力源として、また電力、電源などの分野に浸透していくものとみられる。





【記事引用】 「電波新聞/2009年7月1日(水)/18面


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