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電子部品メーカー、業績悪化が鮮明 円高・タイ洪水が直撃、戦略の見直しも

2011-11-15 | 電子部品業界



 電子部品メーカーの業績悪化が鮮明になっている。

 2012年3月期連結決算は主要33社のうち18社が減収、営業減益の見通し。1ドル=70円台で推移する円高に加えて、タイで発生した大規模洪水が各社の業績を直撃する。

 電子部品各社はスマートフォンの普及を追い風に業績拡大が続いていのが一転、人員削減といった戦略見直しの動きが出始めるなど、ここにきて曲がり角を迎えつつある。


●厳しさ増す経営環境

 「夏から下期にかけて需要が上向くと予想し、仕掛品を増やしていた。だが、経営環境は厳しさを増している」(太陽誘電)。

 リーマン・ショック以降、11年3月期まで好業績を続けてきた部品各社だが、スマートフォン関連だけでは業積拡大が難しくなってきている。

 セラミックコンデンサー大手の太陽誘電は、4-9月期から10月-12年3月期にかけて、スマートフォン向けの需要は約24%増加するとみる。

 その一方、パソコンや液晶テレビなどは10%程度の減少を予想している。同社は、4-9月期に約36億円の棚卸し資産の削減に取り組んだが「一段の削減が必要」(綿貫英治社長)という。

 このため、コンデンサー工場の稼働率は4-6月の85%をピークに10月以降は60%台まで落とす構え。

 タイの洪水による生産停止も業績に響く。帝国通信工業は、プラスチック成型品などを製造する生産子会社を含む2拠点が被災。現在までに製品、原材料、移動可能な機敏設備などの搬出を行った。

 しかし、生産再開の見込みがたっていないうえ、取引先への影響も不透明なことから、5月に公表した業績予想を未定に変更した。

 業績の悪化見通しが強まる中、各社とも戦略の見直しに迫られている。TDKは今後2年以内をめどに全従業員の約13%となる1万1000人を国内外で減らす。

 太陽誘電も国内従業員の約2割に当たる1000人を13年3月期中に削減する方針を打ち出した。大手を中心に構造改革の動きも目立っており、電子部品業界は警戒感を強めている。





【記事引用】 「日経産業新聞/2011年11月15日(火)/10面」


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