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日系電子部品メーカー、中国内陸地域へ展開 販路拡大、生産体制の整備・強化図る

2011-08-13 | 電子部品業界



 日系電子部品メーカーは、中国の内陸地域への販路拡大、生産体制の整備、強化を図っている。

 内陸地域に営業拠点を設け、勃興している中国地場メーカーや内陸地域に進出している外資系セットメーカー、EMSなどへの営業、拡販活動を展開、ユーザーの要求に迅速に応え、よりキメ細かなサービス提供を目指す。

 生産面では中国沿岸部に代表される労働者賃金の上昇、人手不足解消の切り札として内陸地域でのモノづくりを進めている。


●ローカルメーカーに焦点

 村田製作所は、成都(営業開始08年1月)、重慶(同11年6月)に続き、西安に7月営業拠点を開設し、営業活動を始めた。今後、合肥、武漢にも営業拠点を設け内陸地域の電子部品需要を取り込んでいく。

 西安を加え、同社の中国営業拠点は14拠点になった。

 村田恒夫社長は「新興国市場はローカルメーカーに焦点を当て、営業と事業部が連携して市場開拓に取り組んでいかなければならない」と言う。

 西安は多くの通信関連企業の研究開発拠点があることから、内陸地域の拠点として同社で初めてエンジニアを常駐させ、これまで上海で対応していた西安地域の技術サポートも行う。

 アルプス電気は、初の中国内陸部拠点として「成都営業所」(四川省成都市)を今年開設した。

 「最近は自動車関係のメーカーも中国内陸部での拡充を進めているため、これらのサポートに努める」(島岡基博取締役HM&I事業本部長)。

 ロームは、中国を重点市場と位置付け、10年に成都(営業開始7月)、西安(同8月)の2営業所を開設。11年も武漢(営業開始1月)、重慶(同2月)、長春(同3月)に営業拠点を設けた。

 澤村諭社長は「海外中心の顧客サービス体制の強化を図っている。特に中国は内陸部に五つの営業拠点を新設し、顧客開拓、顧客サービスに力を入れている」と話している。


●中華圏市場にブランド浸透

 ニチコンも4月末に重慶、5月初め成都に営業拠点を開設した。今後、西安、武漠に営業拠点の開設を予定している。

 井上信夫取締役執行役員営業本部長は、「今後の成長のターボエンジンになるのが中華圏市場だ。中華の市場でのニチコンのブランドカはまだまだ浸透していない。主力のアルミ電解コンデンサを伸ばしながら蓄エネ、創エネ、省エネの先頭に立ってターボエンジンのブースト効果を出していきたい」と言う。

 同社初の中国・内陸部の工場として12月竣工、12年1月稼働予定で江蘇省宿遷市に建設中の新工場「尼吉康電子(宿遷)有限公司」(ブロックタイプ大型アルミ電解コンデンサ棟と導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ棟の2棟)も計画を1カ月ほど前倒し。

 大型アルミ電解コンデンサ月産300万個、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ同1億個で立ち上げ、中国を中心とする両コンデンサの旺盛な需要増に応える。

 SMKは、今年5月に中国・西安市に「西安オフィス」(SMKエレクトロニクス〈深川〉西安オフィス)を開設した。

 西安周辺に位置する中国現地携帯電話・自動車関係の得意先を対象にキメ細かなサービスを提供し、顧客の要望に迅速に対応していく。

 「IT系の客先は日欧米系が生体だが、今後は中国内陸部も含め中華系顧客開拓にも力を入れていく」(池田靖光副社長)。

 メイコーは、武漢工場の生産体制を増強。第一工場での生産能力を月間25万平方m以上に引き上げ、貫通多層板の競争力を高める。

 先に生産を開始した第二工場は、スマートフォン用などの最先端ビルドアップ多層板をはじめ太陽光発電や自動車用といった大電流基板、LED用などの放熱基板といった成長分野に向けた製品を対象に段階的に生産規模を拡大していく。

 また、中間工程や材料管理など、組み立てを補完する能力が不足することを解消するために、床面積1万5千平方m程度のサポート工場棟を建設する。





【記事引用】 「電波新聞/2011年8月12日(金)/1面」


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