村田製作所の海外生産比率が、12年3月期(11年度)末に20%になる見通し。
中期3カ年経営計画(11年3月期-13年3月期)で打ち出している海外生産比謡を13年3月までに30%に高める計画に向けて取り組んでいる中国・無錫、深セン、マレーシア、タイの既存海外工場の増強が計画通り進捗。
11年度第1四半期(11年4―6月)末時点で海外生産比率が15%になった。
●海外増産に動く
藤田能孝副社長は、「11年度通期で700億円の設備投資を計画している。第1四半期で160億円の設備投資を行い、海外生産もほほ計画通り生産能力を増やせている」と言う。
11年3月に竣工式を行った中国・無錫工場のチップ積層セラミックコンデンサ(MLCC)専用の新棟(D・S棟=延べ床面積4万3400平方m)でのMLCC一貫生産ラインが本格稼働。
12年3月末に11年3月末比25%増産する計画のMLCCグローバル生産能力増を支える。
また、7月に竣工したタイ工場の新棟(延べ床面積8100平方mの2階建て)は、ノイズ対策部品の製造設備を入れ終え、10月から順次生産を開始する。
タイ工場の新生産品として三端子コンデンサ、フェライトビーズ、コモンモードチョークコイルなどのノイズ対策チップ部品を生産するもよう。
藤田副社長は「期初に予想した11年度の携帯電話、パソコン、薄型てれびのセット生産台数は変更していない。受注額は第1四半期想定を下回ったが、第2四半期をピークに着実に上がってくる。
このため第1四半期91%だった全社操業率は第2四半期に94%になり、下期には95%を想定している」と述べ、国内の増強とあわせて海外の増産に動く。
【記事引用】 「電波新聞/2011年8月12日(金)/1面」