goo blog サービス終了のお知らせ 

部品Blog

―― 部品技術・部品メーカー関連の記事集.

はんだ材料、銀の価格高騰で低銀化・銀レス化進む 顧客のコスト削減要求に対応

2011-08-31 | 実装技術



 はんだ業界では、広く普及しているSn(スズ)、Ag(銀)、Cu(銅)系はんだの銀含有量を減らす低銀化や、銀を含まない銀レスはんだの製品化が活発になっている。

 銀の価格が高騰し、実装におけるはんだ材料の占めるコストが切実な問題になってきたことが背景にある。


●厳しいコスト要求に苦慮

 はんだ業界では、環境問題からSn、Pb(鉛)系に替わって、鉛フリーの現在ではSn-Ag-Cu系はんだが広く普及している。

 日本では2000年にJEITAがSn-Ag-Cu系の「SAC305」(銀の含有率3%)を業界標準の鉛フリーはんだに推奨し、広く普及している。

 欧米でも、Sn-Ag-Cu系はんだが鉛フリーはんだに推奨されている。

 はんだ業界は、顧客のコスト要求が厳しい。製造業の主戦場である中国では「高品質・高信頼よりも価格から始まる商談が多く、対応に苦慮している」(日本スペリア中国・藤本貴史総経理)といった声が多い。

 高騰する銀の価格により、はんだ材料の価格も上昇せざるを得ないが、コスト要求に応えるため低銀化に各社とも取り組み始めている。

 千住金属工業は、0.3%Agの「ECOSOLDER PASTE」M46を開発した。

 Sn-Ag-Cu系のM705と同程度の実装条件を確保するために、低融点化に重点を置いて開発し、同程度の実装条件で大幅なコストダウンを実現させた。銀レス化とドロス発生の抑制により、低価格化を実現した「ECOSOLDER BAR」M24MTも製品化している。


●低銀はんだ強化

 弘輝は、新製品開発を積極的に進める中で、特に低銀はんだを強化している。

 伊藤学社長は「銀の価格が数年前に比べ大幅に上がり、実装におけるはんだ材料の占めるコスト削減が大きな課題になってきた。このため、組成を変えて従来のSAC305(銀3%)と同等の接合性が確保できるはんだの開発が急務」とし、低銀糸はんだとして既にS03X7C(銀0.3%)を製品化。

 さらに、銀の含有が0.1%のS01X7Cを開発、製品化した。

 S01X7Cは、従来の低銀はんだの課題だった銀の含音量を減らすことで発生する接合信頼性の低下や融点の上昇などを解決するために、同社が従来から採用して実績のあるCo(コバルト)を添加元素に選んだ。

 銀の含有量を0.3%よりさらに少ない0.1%にすることで、コスト削減要求にも対応できる。日本スペリアは、SN100C(Sn-Cu-Ni+Ge)で銀レス化を図っている。




【記事引用】 「電波新聞/2011年8月31日(水)/2面」


最新の画像もっと見る