ニチコンは、中国・宿遷市にコンデンサーの大規模工場を建設する。
6月に着工し、年内にも稼働させる計画。ニチコン初の中国内陸部の工場となる。中国・無錫工場の3倍の敷地があり、同社最大規模の工場となる。総投資額は約3億円。
パソコン用のコンデンサーの生産量を5割増やすほか、家電・産業向けも増産する。新興国でも機器の高機能化、省電力化の流れが広がり、コンデンサーの需要が高まっていることに対応。海外生産比率を5割近くに高める。
●新興国の需要取り込み
上海市の北西に位置する宿遷市に、東京ドームの広さの3.4倍にあたる16万平方mの用地を確保。その半分の面積に工場を2棟建設する。
2棟ある工場建屋のうち、1棟では導電性高分子コンデンサーと呼ばれる部品を生産する。
同コンデンサーはパソコンの基板に数十個搭載され、電圧供給を補完する役割を果たす。現在は中国・蘇州市などの工場で生産している。新工場を設け、生産量を数量ベースで5割増やす。
もう1つの棟では、大型のアルミ電解コンデンサーを生産する。同コンデンサーはエアコンや工作機械などのインバーター制御部品に搭載され、新興国でも需要が急増している。
従業員数は2000-3000人となる見込み。導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの従業員は蘇州工場で、大型アルミ電解コンデンサの従業員は無錫工場でそれぞれ研修を行い、12年1月操業に向けて準備に入る。
ニチコンは、国内は長野県や福井県などに工場を持つ。中国工場としては無錫、天津、蘇州に続いて4拠点目。海外工場ではマレーシアを含め5拠点目。
今後は海外生産比率を高めたい考えで、既存工場に次ぐ生産拠点を設け、新興国の需要を取り込む。
【記事引用】 「日経産業新聞/2011年3月17日(木)/1面」
「電波新聞/2011年3月24日(木)/1面」