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シュンラン・5~香り

 当地の植物観察を始め「シュンラン(春蘭)」に出会ってから14年。幸いなことにこの界隈の野山には自生が多く、道端のちょっとした雑木林の斜面などに顔を出しているので、毎年春には欠かさず探している。しかしこれまでその香りを感じたことが無く、長い間、シュンランは無香だと思い込んでいた。最近、シュンランに香りがあると知り、先日、南大沢2丁目の株に鼻を近づけたがやはり無香。ところが高尾山頂付近でシュンランを見つけ、念のため嗅いでみると仄かな香り。少し離れた場所で見つけたものもやはり爽やかな良い香りがある。この日初めてシュンランの香りを知った。シュンランはラン科シュンラン属の多年草。
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ヒナスミレ

 6年前に高尾山“3号路”で初めて「ヒナスミレ(雛菫)」を見て一目惚れ。4年前にも同じ“3号路”で見ていた。その後、花期に高尾山に来ることが無かったが、ヒナスミレに会うために久し振りに春に高尾山を訪れた。この日は裏高尾の“日影沢”から入り、“いろはの森”、“4号路”、“2号路”と歩いて、『さあ、いよいよ3号路!』というところで、入口に『3号路は橋の架け直し工事のために通行禁止』の表示。それもその翌々日から通行可になるというので全くついていない。止む無く“1号路”を少し登って薬王院の横から“富士道”に入った。“冨士道”は“3号路”とほぼ並行しており、山頂に荷物を運ぶための自動車が通る道でガイドブックなどには載っていない。一方“3号路”はまさに植物が茂る山道で観察にはもってこいの道。そのためあまり期待せずに“冨士道”を山頂に向かったのだが、何と何と歩き始めてすぐにヒナスミレの団体さんに遭遇。後ろのほうのグループからは『ここはヒナスミレのオンパレードだぞ!』という声も聞こえてきた。以前“3号路”で見たアケボノスミレは見つからなかったが、エイザンスミレ、ヒカゲスミレ、オトメスミレなど次々に現れてくれて大満足の“富士道”だった。
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レンプクソウ・3~開花

 堀之内地区の野道に生育する「レンプクソウ(連福草)」。茎の先端に直径4~5ミリの5つの花が頭状に集まる。このことから「ゴリンバナ(五輪花)」とも呼ばれている。新型コロナウイルス感染拡大のために延期されたオリンピックとパラリンピックの来年の日程が決まった。感染拡大は未だ収まる気配が無いが、遅くとも来年の今頃は、楽しく花見ができ通常の春を迎えていたい。
 さてレンプクソウの花序の側部と頂部の花は微妙に異なり、写真正面の花序側部の花では、花冠は5裂し雄蕊は10個見える。写真左後方に見える頂部の花は花冠が4裂し雄蕊は8個ある。
 レンプクソウ科は以前はレンプクソウ1種だけの小さな科だったが、植物分類の新APG体系では、スイカズラ科のニワトコ属やガマズミ属を従え200近い種を有する大所帯となり、レンプクソウが科の親分になった。しかしガマズミ科の学名が1820年に、レンプクソウ科の学名が1839年にそれぞれ発表されており、ガマズミ科のほうが古く名称の優先権があるのでガマズミ科の名を用いるべきであると提起され、2017年7月の国際植物学会議で正式に“ガマズミ科”の採用が決定した。レンプクソウはそもそも親分の地位を望んでいたわけではないだろうが、残念ながら“三日天下”となり、今はガマズミ科(←レンプクソウ科)レンプクソウ属に収まっている。
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