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コクサギ・4~葉序

 葉の出方には互生、対生などさまざまだが、「コクサギ(小臭木)」の葉は “コクサギ型葉序” と呼ばれる変則的な出方、つまり右、右、左、左というように2枚ずつ連続して出ている。これをもっと詳しく観察してみると、連続する2枚の葉が出る枝の位置は90度ずれている。言葉で説明するのは少しわかりにくいが、写真の真ん中の枝の右側下に大小2枚の下向きの葉があるが、小さい葉の基部は枝の正面側にあり、左隣の大きな葉が付いている位置は90度ずれて枝の真下にある。次にその左側の上向きの葉を見ると、これは180度ずれて枝の真上に付いていて、その左隣の葉は90度ずれて枝の向こう側に付いている。そしてその左隣の下向きの葉は180度ずれて枝の正面側に付き、最初の大小の葉の小さいほうの位置に戻る。最初の小さい葉の位置を0度とすると、その次の葉は90度の位置にあり、その後、270度、180度、0度、90度・・・を繰り返していく。植物は太陽の光を受けるために互生や対生などいろいろ進化しているが、この葉序も進化のひとつの過程と考えられてもいるようだ。サルスベリやケンポナシでも、コクサギと同じような葉序が見られる。夏に忘れずにサルスベリやケンポナシの葉序の様子を観察することにしよう。
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ソメイヨシノ・5~宴のあと

 首都大学の北に位置する富士見台公園には、大きく育った「ソメイヨシノ(染井吉野)」の雑木林があり、春には良いお花見スポットになる。しかし見頃の期間は短く、また今年は週末に雨が降ることが多かったため、楽しみの花見の宴会を中止された方も多かっただろう。遊歩道に落ちた花びらの絨毯が雨に濡れて寂しそう。
 ソメイヨシノはオオシマザクラ(大島桜)とエドヒガン(江戸彼岸)との交雑種だということは広く知られているが、これは今からおよそ100年前の1916年に、アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士が発表した。このウィルソン博士の名前は以前も触れたことがある。ブログパート3で、屋久島の巨大な杉の切り株の中が畳8畳ほどの部屋になっているウィルソン株を紹介したが、その名前はこのウィルソン博士にちなんで付けられた。

『ささやかなこの人生』
作詞・作曲:伊勢正三 歌:風 昭和51年
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)

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