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ヌマトラノオ・1~開花

 昭和34年に西宮市の甲子園阪神パークで、国内初の “レオポン” が誕生した。当時は私は横浜に住んでおり、もちろん幼かったので実物を見ていないが、小学生の頃の図鑑などでこのレオポンの写真を見た記憶がある。
 レオポンはヒョウの父親とライオンの母親から生まれた雑種。頭はライオンに、身体はヒョウに似ていて、生殖能力が無く一代限りで子孫は作れないと言われている。現在は生物倫理の観点から、レオポンを作ることは行われていないようだ。
 さて写真は、鑓水の小泉家屋敷前に毎年顔を見せてくれる「ヌマトラノオ(沼虎の尾)」。サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で、オカトラノオよりは少し湿ったところに生える。草丈は40~50センチほどで、オカトラノオよりも小振り。総状花序はほぼ直立する。
 このヌマトラノオやオカトラノオの仲間には種間雑種が多い。オカトラノオとヌマトラノオの雑種はイヌヌマトラノオと呼ばれ、ノジトラノオとオカトラノオの雑種はノジオカトラノオと呼ばれる。この界隈ではオカトラノオの小さな群生がいくつか見られるが、場所によって何となく雰囲気の違う花だと思うことがある。やはり種間雑種の類なのだろうか。これらの雑種は一代では終わらないが、亜種がどんどん増えるとすると、名前を付けるのが追いつかなくなるのではと心配している。 
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アジサイ・1~色

 「アジサイ(紫陽花)」もそろそろ終盤になってきたが、アジサイの色の変化の仕組みについて忘れないようにおさらいしておこう。アジサイの色の変化は、単純に土壌のアルカリ性と酸性に違いによるもの理解されているが、花の色が赤でも青でも紫でも、その色素は “アントシアニン” で同じ。その変化に影響するのが金属元素の “アルミニウム” で、これが吸収されると青が強くなり、吸収されないと赤くなり易い。酸性土はアルミニウムが溶け易く根から吸収され易く、そのために花は紫色になり、反対にアルカリ性土にはアルミニウムが溶けず根から吸収されないので、花が赤くなる。
 アントシアニンとアルミニウムに加えもうひとつ重要な存在が “補助色素”。 これは花が咲き始めると花の中で合成される色素で、個体によりその量や性質が異なるらしい。青になりにくい補助色素が多くあれば、酸性土やアルミニウムがあっても青くはならない。また同じ株でも色が異なるのは、開花した日の違いにもよる。アジサイはアジサイ科(←ユキノシタ科)アジサイ属の落葉低木。

『花のまわりで』
作詞:江間章子 作曲:大津三郎 昭和30年
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)
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