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タシロラン・1~開花

 首都大学キャンパス内の林間遊歩道で多く見られる「タシロラン(田代蘭)」。去年は長池公園外周の藪の中で枯れた姿しか見られなかったので、1年間待ってようやく見ることができた。
 タシロラン(田代蘭)は、ラン科トラキチラン属の “菌従属栄養植物” で、明治39年に田代善太郎博士が長崎で発見したことに因んで、牧野富太郎博士が命名した。その身体には、葉緑素が無く光合成を行わない。そのかわり根に共生している菌類(菌根菌)から栄養をもらって生きている。以前は “腐生植物” という呼び方をしていたが、腐生は菌類に対して使われる言葉であり、植物が生物死体などを分解して有機物を直接接種しているわけではないので、最近は “菌従属栄養植物” と呼ぶようになっている。
 ちなみに属名のトラキチランは、阪神タイガースとは無関係で、明治35年(1902年)に日光の山中で、山の案内人、神谷虎吉氏によって発見され、その後、牧野富太郎博士が命名したもの。
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クサレダマ・1~名前

 サクラソウ科オカトラノオ属の「クサレダマ(草連玉)」。湿地に生育し梅雨の頃に、直径1.5センチほどの黄色い花を咲かせる。黄色と言ってもヒマワリのような輝く色ではなく、硫黄の色に似ているため「イオウソウ(硫黄草)」の別名もある。
 名前は、マメ科の落葉低木のレダマ(連玉)に似た草ということで名付けられているが、レダマは蝶形花であり、それほど似ているとは思えない。音の響きから、 “腐れ+玉” をイメージすることを思えば、わざわざレダマの名を持ってこなくても良かったとも思う。
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