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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

WBC、チェコの選手たち

2023-03-17 22:02:32 | 日々の暮らし(2021.2~)

 WBC一次ラウンド、日本の3試合目の相手はチェコでした。

 ヨーロッパは、なんといってもサッカーが盛ん。野球のイメージはありませんでした。印象にあるのは、オランダ、イタリアぐらい。

 調べてみると、チェコは、第3回大会から予選リーグに出場しているんですね。

 今大会も予選から出場し、予選2回戦でスペインに7-21で大敗したものの、敗者復活戦でフランスに7-1、ドイツに8-4、敗者復活決勝戦でスペインに今度は3-1で勝利して、初めての本大会出場を決めたのでした。

 驚いたのは、チェコの選手たちのほとんどが、野球以外に本業を持っている「アマチュア」だということ。

 たとえば…

ハジム監督:精神科医
ジーマ内野手(主将):金融アナリスト
シュナイダー投手/内野手:消防士
サトリア投手:電気会社技術者
エルツォリ投手:メディアコーディネーター
メルガンズ投手:雑誌編集者
エルコリ投手:サラリーマン
ミナリク投手/外野手: 不動産会社勤務
チェルベンカ捕手:セールスマン
バブルサ捕手:スポーツ用品店店員
ジェイコブ内野手:大学職員
スモーラ内野手:多国籍企業「KPMG」監査人
ドゥボピー外野手:高校の地理教師
メンシク外野手:スポーツマネージャー(野球チーム監督)


 日本戦に先発した選手で、現役プロはエスカラ外野手(米独立リーグ選手)、プロ経験者はソガード(DH、元カブス)だけ。

 NumberWEB3月11日号に詳しい記事が載っていました。

 昼間は働いて、練習は夜にする。
 ほとんどの人が日本に来るのが初めて。
 東京ドームに来て、球場の大きさや屋根つきであることにびっくりした。
 今回、チェコで初めて野球がTV中継される…

 チェコは、初戦で中国に8-5で勝利。

 二回戦の相手は日本でした。

 試合は、1回表、日本が誇る完全試合男、佐々木朗希からいきなり1点を先取して、日本の観衆を驚かせました。

 投げては、先発サトリアが、最速120キロ台のストレートなのに、緩急を投げ分けて、日本のドリーム打線を三者凡退。二回も、日本の三冠王、村上を三振。その後満塁のピンチを招くも、なんとか切り抜け無得点。三回は、大谷を空振り三振と、好投。(その後三失点)

 4回表のチェコの攻撃では、佐々木の162キロの剛速球が、7番エスカラの膝を直撃。エスカラはは悶絶したものの、一塁に歩き、その後、ファウルグランドでダッシュしてみせて、「大丈夫だ」とアピールして、観客から喝采を浴びる一幕も。

 終わってみれば、10-2で日本の完勝でしたが、アマチュアチームが全日本のドリームチーム相手にコールド負けを免れただけでも、大したものだといわなければならないでしょう。

 チェコは、最終戦でオーストラリアに勝てば決勝ラウンド進出の可能性もありました。結果は8-3で敗北し、1勝3敗でB組4位でした。

 チェコがなんでこんなに健闘できたのか。

 実は、チェコのリーグで野球をしていた日本人がいます。田久保賢植さん。彼の波乱の半生についての記事がありました。

月給5万円、チェコのプロ野球選手になった田久保賢植 覆された“野球後進国”の印象

 チェコのチームはU-15やU-18といったユースを保持し、選手が直接指導を行う。行政が補助金を出し、地域活動による社会貢献といった役割も担う。サッカーなどでよく見られる育成システムをそのまま野球にも適用。「そういった仕組み作りができているというのは10年前にも感じていた。だから今回WBCに出場できたのも納得です」と田久保さんは語る。

 試合の後、佐々木投手が死球を与えたエスカラ選手に謝るために宿舎を訪ね、日本の駄菓子の詰め合わせをプレゼントしたとか、全選手のサイン入りのユニフォームを日本チームと交換したなどという、心温まる後日談もあったそうです。

 今回の健闘を糧として、チェコ野球が発展し、ぜひWBCの常連になってほしいものです。(次回大会は、予選免除で出場できるとのこと)

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