
二部のオープニングはバッハでした。
「主よ、人の望みの喜びや幸よ」
これは、私にとって思い出深い曲です。
私の両親の知り合いで家族ぐるみで付き合っていた家がありました。お姉さんと弟は、私たち兄弟と歳が近く、一年に数回、交流していました。
弟のほうは、中学から慶応の付属中高に通っていました。慶応大学への進学が決まっていた高校三年生の3月、友人と卒業旅行に行く予定だったそうです。
それまで、ときどき盲腸が痛むことがあって、旅行中に痛くなるといやなので、この機に盲腸をとる手術を受けました。しかし、全身麻酔の医療事故で急死。
(盲腸の手術で死ぬなんて…)
一人息子を亡くしたご両親の嘆きはいかばかりだったでしょうか。
ご家族はクリスチャンで、告別式は教会で行われました。亡くなった息子さんは音楽好きで、教会の音楽隊でも活動していたそうです。
告別式の間じゅう、教会の音楽隊が絶え間なく奏でていたのが、「主よ、人の望みの喜び(や幸)よ」だったのです。
この曲はもともとコラール(プロテスタント教会の讃美歌)として作曲され、いろいろな編成用に編曲されています。告別式の時は弦楽アンサンブル、今回のコンサートではピアノトリオでした。
今回、コラールの歌詞を調べてみました。
私にとって幸いなことに、イエスがいる
どんなに強く彼を抱きしめていることか
彼が私の心を癒してくれるから
私が病気で悲しいとき
私はイエスを持っていて、私を愛してくれる
そして私に自分自身を捧げてくれる
ああ、だから私はイエスを離さない
たとえ私の心が壊れそうになっても
イエスは私の喜びであり続ける
イエスは私の喜びであり続ける
私の心の慰めと潤い
イエスはすべての苦しみから私を守る
彼は私の生命の力
目の前の喜びと太陽のような存在
私の魂の宝であり歓喜
だから私はイエスを離さない
この心と視界から
CLASSIC FAN(classic-fan.com)
私はクリスチャンじゃないので、息子の告別式にこの曲を選んだご両親の気持ちはよくわかりません。
人生これからというときに、不要不急の手術で亡くなった息子さんとご両親の無念が偲ばれます。
息子さんの手術を執刀した医者は、幼時からのかかりつけ医でしたが、その後、医療過誤として裁判で争い、和解するまでにずいぶん長くかかった、と聞いています。
ご両親には、私が結婚するときの仲人をお願いし、その後も長らくお世話になりました。
コラール版(diasporaより)
CLASSIC FAN(classic-fan.com)
私はクリスチャンじゃないので、息子の告別式にこの曲を選んだご両親の気持ちはよくわかりません。
人生これからというときに、不要不急の手術で亡くなった息子さんとご両親の無念が偲ばれます。
息子さんの手術を執刀した医者は、幼時からのかかりつけ医でしたが、その後、医療過誤として裁判で争い、和解するまでにずいぶん長くかかった、と聞いています。
ご両親には、私が結婚するときの仲人をお願いし、その後も長らくお世話になりました。
コラール版(diasporaより)
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