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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

別れと出会い

2021-04-26 23:32:22 | 飲む
 3回目の緊急事態宣言が発出される直前の金曜日、なじみの韓国バーが店を閉めるというので、チャクビョルインサ(作別人事、お別れの挨拶)に行ってきました。

 ラインで閉店のお知らせが来たのは、3月半ば。

「たくさん悩みましたけど、お店を4月24日をもって閉店することに決めました。残り少ないですが、よろしくお願いします」

 3月後半、2度目の緊急事態宣言が解除になったのも束の間、4月の「まん防」で、最後の2週間は、月・水・金それぞれ6~8時の2時間営業。

 4月24日の金曜日が最終日でした。

 事前に連絡していたので、カウンター席を一つ確保してくれていました。二人掛けの小さなテーブル席も含め、6時半の時点で満席でした。

犬鍋「今日が最後だね」

ママ「長い間、本当にありがとう!」


犬「何年になる?」


マ「12年です。2009年に開店したので」


 過去のブログ記事を読んでみると、私がこの店に最初に来たのは2010年のようです。私は2007年に、11年間住んでいた韓国から日本に帰任し、だんだん韓国語を使う機会が少なくなったため、韓国語の練習を兼ねて、ここに通い始めたのです。6年前に大阪に転勤になったあとも、帰省時に3か月に1度ぐらいの頻度で顔を出していました。

 ママさんは、以前、韓国クラブで働いていたそうですが、「静かに飲める店」がしたくて、独立。ママとおしゃべりしながら落ち着いて飲める店でした。

犬「韓国に帰る日は決まった?」

マ「いいえ、ちょっと様子を見てから」


犬「もう韓国に完全に帰っちゃうの?」


マ「戻ってくるわ。日本のほうが好きだから」


犬「またお店をやるの?」


マ「そうね、それしかできないし」


犬「今年?」


マ「今年は無理。コロナが収まるかわからないでしょう? それにアルバイトを雇おうと思っても、みんな帰国してるから」


 このお店、ママのほかに、最盛期は3人の韓国人アガシがいました。その後、アガシは、人数が少なくなり、中国人が混じることも。この日は、中国人の女の子が一人でした。

犬「お店を再開したら、連絡してね」

 カウンター席は、アクリル板で仕切られています。隣には、やはり一人で来ているお客さんがいました。

犬「よくいらっしゃるんですか?」

客「そうでもないです。2、3か月に1度くらいですか」


マ「でも、長いですよ。オープンした年からいらしていただいてるんです」


(負けた!)


犬「韓国に関わりのあるお仕事を?」


客「そうですね、昔、韓国に住んでいました」


犬「ぼくもです。何年くらいいたんですか?」


客「13年です」


(また負けた!)


 この話題で負けることは珍しいのですが…。

 聞いてみると、滞韓の期間は、8年くらい重なっていました。

 ソウルの日本食レストラン、病院、日本人相手のカラオケ、歓楽街…、などの話で、ひとしきり盛り上がりました。

 別れ(イビョル)のあるところに出会い(マンナム)あり。

 最後の日に、よい方と出会いました。コロナが落ち着いたら、またお会いしたいです。

マ「すみません、そろそろなんですが」

 
ママは、8時の閉店時間をきっちり守ります。

犬「クロミョン、カルッケヨ」(じゃ帰るね)


マ「オヌルン、コマウォヨ」(今日はありがとう)


犬「アプロド、コンガンハセヨ
」(これからもお元気で)

マ「パイティンハルッケヨ!」(頑張ります!)


 パイティンというのは、fightingの韓国式発音。

 ふつう、「パイティン!」(頑張れ!)と、相手を激励するときに使います。「パイティン」に「ハダ(する)」をつけて、「頑張る」という意味で使う用例に、初めて出会いました。

「パイティン!」(頑張れ!)
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