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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ヘレカツ

2008-03-31 00:02:11 | 食べる
 大阪出張のときは,新大阪駅地下の食堂街で昼食をとるのが恒例です。そばとうどんに飽きてきたので,今回は定食屋に。

 サバ塩焼き定食。大阪には珍しく,納豆がついているのが気に入りました。

 ふと,テーブルのメニューに目をやると,

「豚ヘレカツ丼」

というのがあった。

(プッ。ヒレカツのことだろうけど,こんな誤植が放置されてるなんて韓国みたいだなあ)

 勘定を済ませ,あらためて店の前に並んでいるサンプルを見る。

 豚ヘレカツ丼!!

 なんと,ここにもありました。

(日本人が,手書きで書き間違えるなんてことあるかなあ…。もしや,大阪ではヒレのことをヘレというのか…)

 夜,いっしょに飲んだ大阪人に確かめてみると…

「大阪では「ヘレ」のほうが普通だね。最近は,ヒレとも言うけど」

 なんと,誤植ではなく正しい使い方だったのですね。

「ヒレっていうと,むしろヒレ酒のほうが思い浮かぶなあ」

 そもそも,ヒレの語源は,フランス語のfilet(部位の名前)。昔の日本人はフィという発音ができなかったので,「フィレ」がなまって「ヒレ」になったのでしょう。コーフィーコーヒーになったのと同じことです。

 ヒレがヘレを笑うのは,目糞が鼻糞を笑うようなものかもしれません。

(韓国ではどうだっけ。コーヒーが「コピ」になるから,「ヒレ」も「ピレ」? いや,聞いたことないぞ)

 だいたい,韓国にはステーキハウスがほとんどない。韓国式の焼き肉屋はカルビ,ドゥンシム,サムギョプサルなど韓国語一色で,外来語は使わない。

 日本のステーキ屋さんでは,脂身の多いところがロースで,少ないのがヒレ。韓国に赴任当初,「カルビ」がロースで,「ドゥンシム」がヒレのことかなと思いましたが,カルビは韓国語であばら骨の意味。あばら骨周囲の肉ということです。また,ドゥンシムにはコッドゥンシム(花ドゥンシム)などという霜降り肉もあったりするので,脂の少ないヒレとは別物。

 ところで,日本語のロースの語源は英語のroast

「焼くのに適した部位」ということで,特定の部位を指すわけではない。ロース/ヒレという概念そのものがいい加減なようです。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Unknown)
2008-04-07 13:32:47
そーいや大阪には『やきめし』はあるけど『チャーハン』がありませんね。
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そばめし (犬鍋)
2008-04-07 23:46:06
コメントありがとうございます。

焼きそばとごはんを炒めたやつ,ソバメシでしたっけ。これは関西独特ですね。

肉まんもぶたまん。
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郷に入らば。 (イルボンサラミ)
2008-05-05 22:39:13
間違いを見つけた人は、自分がちょっとしたインテリになったような優越感に浸っているのかも?
日本では、ビニル、コーヒ、モテルなどは当たり前。
郷に入らば郷に従え、ですよ。
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レーコー (犬鍋)
2008-05-06 01:25:22
コメントありがとうございます。

島根県でアイスコーヒーを「冷コー」と言うのを聞いて驚きました。
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