ゴキブリが縁で知り合ったインドネシア女性(リンク)に、同じ店で再会しました。
彼女は、最近、サウジアラビアのメッカに行ったそうです。
「メッカはよく行くんですか」
「いえ、生まれて初めてです」
「そうなんですか。どうでしたか」
「とても感動しました」
以前、テレビの番組で、イスラムの聖地メッカは全世界のムスリムが一生に一度は行きたい場所で、簡単には行けないということを聞いた記憶があります。
「抽選に当たったんですか」
「いえ、それは特別な期間だけで、普段はそれほど難しくはありません。でも、外国に住んでいるインドネシア人は、直行便でサウジアラビアに行くことはできないので、いったんインドネシアに帰りました。それに、女性は一人では行っちゃいけないんです。それで私はお父さんと行きました」
いろいろと難しいきまりがあるようです。
「ジャカルタはどうでしたか」
「そうですね。渋滞がひどかったのと、意外に外食の値段が高かったです」
「どこで食べたんですか」
店の名前を覚えていないので、レストランで撮った写真を見せました。
「この店は知りませんが、きっと外国人向けの店なんでしょう」
「そうですね、ワインもたくさんありましたから」
「安くておいしい店もいっぱいありますよ」
「そういえば、ジャカルタでは、アンジン(インドネシア語で犬)を見かけませんでした。バンコクやヤンゴンでは野良犬がうろうろしていましたが」
「インドネシアに犬は少ないです。犬は嫌われています」
「なぜですか」
「汚いからです。あの、口から出る水…」
「よだれ?」
「そうそう。よだれに触ったら、7回手を洗わないといけないとコーランに書いてあります。土で」
「土で? 土で手を洗うんですか?」
「そうです」
土のほうが汚いような気もしますが。(あとで調べたところでは、これが書かれているのコーランではなく、ハーディスという書物だそうです)
イスラム教では、豚が不浄なので豚肉を食べないということは聞いていましたが、犬も不浄な動物とされているとは知りませんでした。犬の肉を食べたことがあるなんて言ったら嫌われてしまうでしょう。
「それから、アンジンという言葉は悪い言葉なので、使わないほうがいいです。英語のdogを使ってください」
なんでも、アンジン(anjing)は、悪口によく使われる、罵倒語なんだそうです。このあたりは、韓国語と似ています。
「韓国語では、犬の赤ちゃん(ケーセッキ)というのが悪口でよく使われます」
そういえば、先月、アメリカのトランプ大統領が、金正恩のことを「sick puppy(病気の子犬)」と言ったそうですね。
韓国でどう訳されているか調べたら、ビョンドゥン・カンガジ、アップン・カンガジ、ミッチン・カンガジなどいくつかの訳がありました。ビョンドゥンは病気にかかった、アップンは病気の(直訳は痛い)、ミッチンは気がふれた。
いずれの訳も、「子犬」のほうは、ケーセッキではなくてカンガジが使われていました。ケーセッキは、新聞に出すのも憚られるような、相当にひどい罵倒語なのです。英語のsick puppyは精神病者という意味だそうですから、本当はケーセッキと訳したほうが近かったかもしれません。
ところで、私たちが会ったカフェ・ビンタンというインドネシアレストランは心斎橋にあります。
「心斎橋に、もう一軒、ウブドスチっていう店があるんですよね」
「そうですか。私は知りません。梅田のほうに、アパカバルという店ができたということは聞いていますけど」
私が知っているもう一人のインドネシア人が、大阪のインドネシア料理の中ではウブドスチがいちばんおいしいと言っていたのに、この店を知らないというのは意外でした。
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