私の会社には、外国出身の社員がけっこういます。イギリス人、アメリカ人、オーストラリア人、中国人、韓国人、日系ブラジル人、日系ペルー人…。
このたび、初めてインドネシア人を二人迎えることになりました。一人はバリ島出身の仏教徒。もう一人はジャワ島でムスリムです。
インドネシアの事務所に、ムスリムを迎えるときに必要なことを聞きました。なんと、「お祈りの部屋」を作ってほしいとのこと。
「お祈りの部屋ってどんなのですか」
「あまり広くなくていいんですけど、可能なら独立した部屋が望ましいです。天井には、メッカの方角を示す矢印を描きます。それから身を清めるための水道もあるといいですね」
「部屋に水道を引くのは難しいです。バケツに水を汲んでくるんじゃだめですか?」
「水は流水じゃないとだめなんです」
「流水…」
「じゃ、トイレの洗面台で清めてもらうしかないですね」
「ただ、足も洗って、洗ったあとタオルでふいてはだめだし、くつもはかないので、トイレから濡れた素足で歩いてくることになります」
「…」
「それに、女性はヒジャブ(ベール)を外しているところを男性に見られてはいけないので、トイレから来るときに男性に会わないようにしなくてはなりません」
「それは難問だ!」
JR大阪駅に観光客向けのお祈り部屋があるというのを聞いて、見学にいきました。確かに、部屋の中に水道が引いてあり、足を洗えるようになっていました。
なんとかならないものかと検討した結果、お祈り部屋の中に、簡易ウォーターサーバーをおいて、それを「流水」とみなしてもらうということで決着しました。
お祈りは、1日5回あり、勤務時間中にも2回はお祈りをするとのこと。ただ、ある時間の幅の中ですればいいので、会議の時間を調節すれば、お祈りの時間と重ならないようにできそうです。
結局、このムスリム女性の来日は、ラマダン(断食)とレバラン(断食明けの祭)が終わったあとの、6月後半になったので、お祈り部屋の設置まで、まだ時間がありますが、なにぶん初めてのムスリム受け入れで、いろいろ神経を使うことが多そうです。
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