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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

極寒の朝食

2022-01-20 23:24:35 | フィリピン
 D(三女の夫)が入国して1か月、ホテルでの隔離が解けて2週間が経ちました。

 新型コロナがまた盛り返してきたので、不要不急の外出はせず、家でパソコンで就活をしています。

 食事などは和食が多く、生魚とか、フィリピンではあまり食べない食材にもだんだん慣れてきた様子です。

 彼はフィリピンのルソン島の北部にあるバギオという町から来ましたが、故郷はさらに山間のイフガオ。

 イフガオは高地で、亜熱帯のフィリピンの中でも冷涼な気候。冬は10度以下に下がることもあるらしい。

「あの、朝ごはんは外で食べます」

「外食?」

「いえ、庭で」

「庭? 寒いよ」

「大丈夫です。イフガオではいつも外で食べます」

 その日の最低気温は氷点下1度。午前7時の気温も2度ぐらいです。

 猫の額ほどの庭(というか駐車場)に椅子を持ち出して、朝食とコーヒー。

「イフガオと違って、景色がいいわけじゃないけど」と娘。

 私も3年ほど前にイフガオに行きましたが、景色を思い出すことができません。彼の実家の庭からはすばらしい眺望が広がっているんだそうです(写真)。

 30分ほどは外にいたでしょうか。

「寒かったでしょう」

「寒いです。でも日なたですから。気持ちいいです」


 この寒さの中で、屋外で食事というのは正気の沙汰ではありません。

 このとき、ふと、ソウルに赴任した年の、最初の冬のことを思い出しました。

 ある天気のいい冬の週末、私たち家族は自宅から徒歩圏にある「竜山(ヨンサン)家族公園」に遊びに行きました。

 気温はマイナス5度ぐらい。4人の娘を連れて、元気に散歩しました。寒かったけれど、気分爽快でした。ところが、公園には人がまばら。

 月曜日に職場でその話をすると、韓国人社員から、

ミチゲッタ! こんなに寒いのに!」

 ミチゲッタは直訳すると「気が狂ってる」「信じられない!」というような意味です。

  Dはその後も、天気のいい朝には、野外での朝食を続けています。

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