写真:朝鮮総督府 朝ドラ、「虎に翼」で、寅子の同級生に崔香淑(サイ・コウシュク/チェ・ヒャンスク)という朝鮮半島出身の女性が登場します。 もともと兄の勧めで来日、その兄が一足先に朝鮮半島に戻り、高等試験(司法試験)の直前に、香淑も帰って行きました。 もう出てこないのかと思っていたら、戦後に再登場。 寅子が働く家庭裁判所設立準備室のメンバーの一人、汐見圭の奥さんになっていたのです。 どういう経緯かと . . . 本文を読む
写真:再会した山田よねと轟太一 虎子の明律大学の同級生の中で、ひときわ異彩を放っていた山田よねは、東京大空襲で死んだのではないかと思われていましたが、生き延びていました。 彼女の男装姿は(もしかしてトランスジェンダー)と思わせます。 実際は、姉が女郎屋に売られ、自分も売られかかったという経験をして、「女を捨てる」決心をしたということが語られているので、性的指向とは関係がないのかもしれません。「虎に . . . 本文を読む
朝ドラ「虎に翼」で、寅子の大学時代の同級生、花岡が死にました。 花岡は東京地裁で、闇米などの経済犯を裁いていた。終戦直後は極度の食糧不足。配給米は少なすぎ、人々は闇米を買うことで食いつないでいたが、闇米を裁く立場の自分が闇米を食べるわけにはいかないと言って口にせず、その結果餓死したということです。 この事件にはモデルがあります。 1947年に餓死した山口良忠判事。『デイリー新潮』に記事があります . . . 本文を読む
写真:1982年刊『日本国憲法』(小学館) 朝ドラ「虎に翼」で、主人公の寅子は、戦後まもなく発布された「日本国憲法」に感動し、再び法曹界に戻る決心をしました。 寅子がくり返し読み返すのが、第14条第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 ドラマの中では、特に「性別によって差別されない」という部分に . . . 本文を読む
写真:東北帝国大学法文学部 二つ前の記事で、『帝国大学の朝鮮人―大韓民国エリートの起源』(鄭鍾賢著、渡辺直紀訳、慶応義塾大学出版会、2021年)という本を紹介しました。 その中に、戦前、内地の帝国大学を卒業した女性についての記述がありましたので、以下に紹介します。 1926年、現在のソウルに京城帝国大学(京城は植民地時代のソウルの名称)が開校しましたが、当時、日本には東京、京都、東北(仙台)、九州 . . . 本文を読む
写真:「虎に翼」の佐田優三と寅子 今日(5月21日)の朝ドラ「虎に翼」で、寅子の夫、佐田優三が「弁護士になったらやりたかったこと」として、「法律の本を出したかった。僕が法律を学ぶ楽しさを知ったように、誰かにも伝えられたらなって」という台詞がありました。(法律を学ぶ楽しさ?)「法律を学ぶことが楽しい」というのは、ピンときません。 学生時代を振り返ると、中学・高校で、自然科学や歴史は面白いと感じました . . . 本文を読む
朝ドラ、「虎に翼」で、主人公猪爪寅子の明律大学の同級生に、崔香淑(さい・こうしゅく/チェ・ヒャンスク)という朝鮮半島出身の女性が出てきます。 モデルになった三淵嘉子の明治大学の同級生に朝鮮半島出身の女性がいたという情報はないので、おそらく架空の人物。 ドラマの中で彼女は、女性として、また朝鮮人として二重の差別を受けたことになっています。 NHKのホームページによれば、崔香淑は、「朝鮮半島からの留 . . . 本文を読む
写真:青山誠著『三淵嘉子』角川文庫2024年の表紙 今放映中の朝ドラ、「虎に翼」の主人公は、日本初の女性弁護士を目指す女性の話。 三淵嘉子(みぶち・よしこ)という実在の人物をモデルにしているそうです。 前の「ブギウギ」(笠置シヅ子がモデル)とか、その前の「らんまん」(牧野富太郎がモデル)は、かなり忠実に実話をなぞっていましたが、今回もそうかと思って調べてみました。青山誠著『三淵嘉子』角川文庫202 . . . 本文を読む
写真:多峯主山から飯能市街を望む 先週の週末、私が住む飯能の近隣で、娘の家族といっしょにハイキングに行きました。 多峯主山(とうのすやま)という、標高271メートルの山です。 このあたりの幼稚園、小学校の遠足コースとしてよく使われるようで、次女が働く幼稚園でも、10月に遠足が予定されており、今回はその下見を兼ねていました。 手前にある天覧山(197メートル)を登った後、少し下ってから、あらためて上 . . . 本文を読む
少し前、朝ドラ「らんまん」に南方熊楠のエピソードが出てきました。 だいたいの筋は…、 ある日、東京に住む牧野富太郎(ドラマでは槙野万太郎)のもとに、和歌山から植物標本が送られてきた。熊野の近くの田辺町在住の南方熊楠からだった。標本は、120年に一度しか咲かないという竹の花の標本。牧野富太郎は「ハチク」と鑑定した。南方熊楠は、当時の国策である「神社合祀令」に反対し、賛同を求める手紙を . . . 本文を読む
図版:光合成の化学式 少し前に、朝ドラ「らんまん」の主人公、槙野万太郎のモデル、牧野富太郎の「ムジナモ発見物語」という文章を紹介しました。ムジナモ発見物語 ドラマの中では、東大植物学教室の助教授、学友たちが、万太郎の持ってきた珍しい水草を囲んで会話を交わします。「根がないなあ」「光合成だけで栄養を得ているんだろうか」 そこへ田邊教授が通りかかり、それがイシモチソウ科に属するアルドロヴァンダ・ベンク . . . 本文を読む
写真:牧野富太郎「ムジナモの図」(日本植物志図篇第12集第70版)、高知新聞 朝ドラ「らんまん」では、ちょうど槙野万太郎がムジナモを学会誌に発表し、それが契機となって、東大植物学教室の田邊教授から、植物学教室への出入り禁止を命じられる場面が放映されました。 これは、実話のようです。 槙野万太郎のモデル、牧野富太郎が書いたエッセイが、青空文庫(著作権フリー)にありましたので、紹介します。田邊教授のモ . . . 本文を読む
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」のオープニングを、1歳8か月になる孫娘が気に入っています。 映像を見ながら、そこに出てくるものを指さして、海! とか、雨! とか、手! とか言って喜んでいます。 途中、南国の花( 鳳凰木 (ホウオウボク)というらしい)が映ると、自分の鼻をさわる。「No! No! そのハナは違うよ!」(父親がフィリピン人なので、会話はチャンポンです)と指摘するのですが、なんど言っても . . . 本文を読む
NHKの朝ドラ、 カムカムエヴリバディが終わりました。 コロナでフルリモートになって、毎朝見られるようになったので、ほぼ欠かさず見ていました。 特に今回は、最近の朝ドラの中では出色の出来だったように思います。 実は、家族の中でこれをとても楽しみにしている者がいるのですが、それは1歳3か月の孫娘です。 といっても、楽しんでいたのはドラマ内容のはずがなく、オープニングソング(正確にはそのときに流れる . . . 本文を読む
朝ドラ「エール」の主人公が、ビルマに「慰問」に行くことになりました。しかし、この時期のビルマでは、英印軍の反撃が始まっており、慰問を受け入れるような状況になかったため、主人公は後方での待機を命じられて無為な日々を過ごす。そのような状況に耐え切れず、前線への慰問を志願して、インパール作戦に動員された師団を追い、そこでかつての恩師に再会。しかし、恩師は目の前で戦死する…。 ビルマ戦線に . . . 本文を読む