日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

神楽坂の割烹 おの寺さんへ

2011-11-16 08:44:36 | ふさおまき(オス)日記

ふらりと声をかけあう男友達がいる。

ちょっとおいしいもんでも、どう?

ちょっと無愛想なくらいのメールでやりとりが始まる。

和食にしよか、イタリアンもいいなあ、といいつつ、このところはずっと和食に落ち着く。

お互い四十路の半ばを過ぎて、口当たりの心地よい素材を、頃よい量でいただきたい。

そういうおなかを分かり合えるから、気も楽だ。

 

店は彼が選んでくれる。調査力と口コミの聞き取りが抜群なのは、人柄のおかげだろう。

私は足元にも及ばないので、いつもいくつか上げてくれる候補の店から、

ちょっと意見を言わせていただいて、4~5回のやりとりをすぎて、日どりと店が決まる。

今回は、10月初旬に最初のメールが来て、決まったのが11月上旬、それから2週間たって

迎えたのが昨日の晩だった。

 

東京・神楽坂。

江戸の土地名のなかでも、特に響きがよい街だ。

通っていた大学から遠くないこともあって、昔から親しんでいたこともあるかもしれない。

ただ、神楽坂に夕餉をいただきに向かうのはこれが初めて。

彼女と来たときは夏の午後の”紀の善”さんだったし、

春のお堀に向かうため駆け抜けるのは、人出もまばらな朝だった。

 

晩秋の19時は、すっかり暗くなって十分に時間がたつ。

飯田橋の駅で降りて、外堀通りを越えて神楽坂界隈へ。

坂を登ると、急に店々が並び明るさも、呼び込みの声もにぎやかになる。

めざす「おの寺」さんは、坂中程の越後と名が付いた、毛筆店名の多いびるの4階にあった。

 

開き戸をあけて、カウンターから威勢のいい迎えの声がかかり、

身をすべりこませると、ふっと肩から力がぬける。

居心地がよさそうだ。

品よくととのって、華美にあらず。敷居が高くないのも男二人にはありがたい。

 

カウンターに予約席のプレートがおかれて案内される。

お品書きはコースのみで、すでに献立の羅針が置かれている。

刺身はかつおとアオリイカか。

蕪のすり流しに、

焼き物は・・秋鯖だな。

間には、治部煮で鴨はフランス産と書いてます。

ほお、締めは瀬つき鰺の土鍋ごはんとなりますか。

 

体の芯から温まる献立です。

そして男二人、芋焼酎のお湯割りいっぱいだけで、

ゆっくり夜の口遊びの時へと入り込んで参りました。