先の記事でお伝えした「苔・こけ・コケ展2017」がいよいよ今週末に迫ってきた。
コケ好きのためのカレンダー「苔暦2018」も昨日印刷があがり、どうにか出展に間に合いそうでホッとしている。
さて、今年はなんと「苔暦」以外にも、普段から親しくしているコケ友さんたちとアイデアを出しあってこんなものも作ってしまった。
▲『キビノダンゴゴケ柄入り きびだんご』(プレーン味/15個入/税込1200円)
どうしてまたこういうものを作ってしまったかというと、
「もしもキビノダンゴゴケ柄の吉備団子があったらおもしろいよね」
という冗談半分の話を普段からコケ友さんたちとしていたのがきっかけ。
キビノダンゴゴケとは学名を「Sphaerocarpos donnellii」といい、苔類・ダンゴゴケ属の一種で、
これまで主に北米で生育が知られていたのだが、2009年に日本でも岡山県で初めて生育が確認された。
その形態的特徴と吉備団子が名産の岡山県が発見地ということから「キビノダンゴゴケ」という
なんともかわいらしい和名がついてしまったというコケなのである。
主な生育場所は田んぼの土上やあぜ道で、決して特別な環境条件がそろわないと生えないわけではなさそうなのだが、
なぜか最初に発見されてから8年ほどたったいまでも、日本国内では岡山県以外からは発見されていない。
和名の由来を本人たちは知ってか知らずかわからないが、私なんぞはつい、
「『吉備の団子』という名前を背負ったからには!」という、このコケの義理堅さを感じてしまう。
☆キビノダンゴゴケについての詳細はこちらへ→ ☆ ☆
そんなわけで、今回の吉備団子はそんなキビノダンゴゴケへの親しみを込めて、
キビノダンゴゴケの雌株・雄株をはじめ、パッケージもダンゴゴケ属のアンティーク画を使用するなど、
コケ友4人のコケ愛がみっちり詰まった商品となっている。
▲『英国の植物 第2版第8-9巻蘚類・苔類』(1842)より。
キビノダンゴゴケそのものではないが、ダンゴゴケ属の一種で雌株の植物体を描いたもの
▲本種の雌株・雄株ほか、全15個の団子一つひとつに違ったコケの写真やイラストをプリント。
箱の中には15種の絵柄の紹介とキビノダンゴゴケについて解説した特製しおりが入っている
製造は岡山県で吉備団子を作って160年の廣榮堂さん。
五味太郎さんのパッケージイラストでもおなじみの吉備団子の老舗メーカーだ。
味も品質も折り紙付き、子どもから大人まで楽しめるプレーン味。
あくまで食用インクを使ってコケの絵柄をプリントしているだけなので、本物のコケは入っていない。
どうぞ安心してお召し上がりいただきたい。
今回「こけ・苔・コケ展2017」の会場のみで100個ほどを限定販売し、会期の3日間は必ず毎日並べる予定なので、
「気になる!」「欲しい!」という奇特な方がいらっしゃったら、ぜひ早めの時間に会場にお越しいただければありがたいです。
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●おまけ
印刷会社から届いたばかりの『苔暦2018』。2018年の1月はヒナノハイゴケから始まります。
ブログでの販売も来週中にはスタートさせますので、しばしお待ちくださいませ。