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ビール飲みオヤジの日々雑感

ビール飲みオヤジが日々感じる雑感を徒然なるままに。

価値破壊

2009年11月17日 | 戯言
明後日がボージョレ・ヌーボーの解禁日ですね。

ほんの2年前くらいは季節モノでもあり、確かにワインとして価値あるというより話題性ではありましたが、2000円前後の価格帯が相場でした。

それが今年はいよいよアメリカ系のSMが890円で売り出すそうですよ。
国内最大手も980円だそうです。
あっという間にデイリーワイン並みの価格になってしまいました。

消費者にとっては嬉しいことかもしれません。ちょっと前まで2000円前後を払わなければ飲めないものがわずか890円で買えるんですから、お得感満喫です。
でも、来年からは890円が基準になります。お得感は無くなります。

となると、ギョーカイでも囁かれ始めていますが、これで来年はボージョレ・ヌーボー解禁というワインとしてヤマとなるマーケットは日本では消滅するでしょう。

デイリーワインと同じような価格であれば、未熟な新酒ではなく、それなりの味わいのあるワインを飲めば満足感は高いはずです。
もう2000円を払って飲もうという需要は起きようがありません。
890円、980円で当たり前のように売られることを知ってしまったのですから、世界で騒がれている新酒をちょっと高めだけど楽しもうなんて考えは成り立ちません。

これぞ「価値破壊」。
この争いでの勝者は実は誰もいません。
短期的には消費者がメリットを享受するかもしれませんが、結果として経済全体がシュリンクすれば、消費者の収入もそれに応じてシュリンクするから、メリットどころかそのレベルでなければ購買できないところに消費者も追い込まれてしまいまかねません。
デフレスパイラルの悪循環です。

明後日、我が国最後のボージョレ・ヌーボー解禁を名残惜しく楽しみましょう。
さらば、ヌーボーフィーバー・・・