ビター☆チョコ

店じまい後も変わらずご訪問ありがとう。
新居をかまえましたので
お近くにお越しの際はお寄りくださいませ。

サムサッカー

2006-10-05 | 洋画【さ】行



ジャスティン(ルー・コップ)は17歳のフツーの高校生。
愛情あふれる中流家庭で育ち、傍から見ればなに不自由なく見える。
でも、ジャスティンはそんな自分が大嫌い。
人とうまく付き合っていくのも苦手だし、気も弱い。
進学のことも考えなくちゃいけないし、
不安になると親指を吸う癖を直そうとして干渉してくる親もうざったい。
なんとかして「皆が認める自分」になりたいというのがジャスティンの願いだ。

サムサッカー。
親指を吸う人。という意味だそうです。
小さい子供にはよくあることですよね。
不安な気持ちを落ち着かせるために、何かに依存することって。
うちの子たちもまだ小さい頃、眠る前には必ずガーゼのハンカチが必要でした。
いつの間にかそんな癖もなくなったけど、17歳にもなってまだそんな癖があるとしたら親としては気になるでしょうね。
みっともない、から始まって、なにか悩みを抱えてるんじゃないか、仕舞いには育て方が悪かったんじゃないか、と自分を責めてみたくもなるでしょう。

難しい年頃の子供を抱えた親の気持ち、子供の態度、あまりにも我が家とよく似た問題の数々。
母親が俳優に熱を上げているのを覚めた目で見つめる息子。とかね。(笑)
いちいちうなずきながら観てしまいました。

この年頃の子供って自分ひとりが悩んでるように思えるのかも知れません。
親なんて勝手なことばかり言って気楽なもんだ。と思ってるのかもしれません。
でも悩んでいるのは子供だけじゃないんです。

「少年の母は強烈体験よ。ない答えを求められて」
ジャスティンの母、オードリー(ティルダ・スウィントン)の言葉ですけどホントにそうです。
自分だって答えを出せずにいるのに、息子に適切な助言を与えるのは至難の業です。
結局「大切なのは答えのない人生を生きる力」なんでしょうね。
ジャスティンのかかりつけの歯科医(キアヌ・リーブス)がうまくまとめてくれました。

さて、ジャスティン役のルー・プッチくん。
はじめはオタクっぽい子だなぁ~と思ってみてたのですが、みてるうちにだんだん美しくなってきました。
自分の殻を破って自信がついてきたジャスティンの変化がプッチくんを美少年に変えたのだとしたら、すごい演技力だったのかもしれません。

見事に思春期のトンネルを抜けたジャスティンに、終始母親目線で観ていた私はウルウルしてしまいました。
軽やかに街を走るジャスティンの姿が明るい未来を感じさせる、さわやかな映画でした。







 


最新の画像もっと見る