ビター☆チョコ

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世界最速のインディアン

2007-02-08 | 洋画【さ】行

ニュージーランドで暮らすバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)には40年来の夢がある。
それは伝説のバイク「インディアン」で世界最高速度をだすこと。
体は老いても、心は若い頃と同じ熱いまま。
年金暮らしのバートは倹約を重ね、廃品でバイクを改良して、バイカーの聖地ポンヌヴィル塩平原に旅立つ。
干上がった湖底がどこまでも続くポンヌヴィル塩平原で、世界最高速度を出すことだけを夢見て。

自分の夢に向かってひたすら歩き続けるバート。
早朝からバイクの騒音を出したり、家の手入れもしないものだから
近所からは苦情がきたりもするのだけれど、
苦情を言いながらも、みんながバートの夢をなんとなーく応援している。

家を抵当に入れてまでやってきたアメリカ。
ここからまたポンヌヴィル塩平原までの長い道のりを
バートは「インディアン号」と長い長い旅に出る。
誰一人知る人のいない国で、様々なアクシデントにあい
そのたびに様々な人と出会い、バートはその人たちをみな味方にしてしまう。

ゲイのお兄さんにも、インディアンのおじさんにも、ひとり暮らしのおばさんにも、
誰にでも正直で公平で、誰のことも批判したり偏見でみたりしない。
その人のあるがままを受け入れ、そして素直に接する。
そういうバートの自然な姿が人をひきつけ、誰もがバートの熱烈応援団になってしまう。

夢。
最近いろいろあって、私は「夢」というものに疑いを持っていた。
夢という言葉はあまりにも美しすぎて、夢、と言われたら最後、もう認めるしかない、みたいな。。。
でも、夢、夢、って言うけど、現実から逃げてるだけなんじゃないの、と。
将来、夢が実現する夢だけを見て、現実にはなにもしてないんじゃないの。
今、自分がやるべきことをやりもしないで「将来の夢」を語ってもらっちゃ困る。と。
夢よりも自分の足元を見ろってことで、
かなり現実的な母親目線ですね。
そしてそんな超現実的な自分が冷たいんじゃないかとも思っていた。


でも、年老いて、なお夢を追うバートの姿を見て気がついた。

『夢を持たない人間は野菜、そう、キャベツと同じだ。』

夢を実現するにはリスクも危険も伴うのだと。
そしてそれを自分で引き受ける覚悟があるものだけが「夢」を追いかけられるのだと。
誰かを無理に巻き込まなくても
魅力のある人間には求心力があって、人が自然に手を差し伸べて集まってくる。
もし夢が叶わなくても、夢を追うことでそんな人間になれたとしたら
それはそれで素晴らしいことじゃないか。
全ては本人しだい、自分しだい。
どう覚悟が出来るかってことなんだね。
そこのところをはっきり伝えたら、後は見守るしかないのかもしれない。

夢が叶ったら、それほど嬉しいことはないだろうけど。。。

こんな爽快な映画で、つい母親目線になる私ってどうなんでしょ(苦笑)
でも、そんなふうに、自分のことと照らし合わせてみてしまうことってありますよね。
夢をかなえたバートの笑顔を見ながら
「自分は一生懸命やってるのかい?」
そう問いかけるもうひとりの自分がいて、ちょっと寂しくなったりもしたのでした。







 


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7 コメント

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男の夢だね~。 (tomozo)
2007-02-08 16:38:17
こんにちわ♪
ウチのダンナがこれみたいっていってるのよね。
チョコさんの息子さんも夢を語ってるのかな?

いつも思うのだけど、男の人の夢って、女性とはなんか根本的に考え方が違うみたいな気がする。大事にするそのしぐあいも全然違う。女は現実的だからね~。

そんな男の夢のみかたに憧れつつ、現実はついつい「そんなことにお金かけてっっ!」って怒ってしまう私です。
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ドキッ! (寝起きのパンダ)
2007-02-08 21:04:00
夢=現実逃避、ドキッとしました。
確かにそういう所、ありますよね。

去年、いろいろあった時に自分なりに将来の‘夢’を
描いたんです。
そうでなくっちゃ、辛すぎてやっていけなかったのかもしれません。

リスクを引き受ける覚悟、大切ですよね。
もう、大人なんだし。

あっ、なんか変なこと書いちゃってゴメンナサイ。
この映画、見てみようと思います。
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Unknown (tomozo)
2007-02-08 23:32:41
あ、メール送ったの~。
見てね
かる~く、興奮状態ですぅ。
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 (チョコ)
2007-02-09 17:02:21
tomozoさん

夢。
男と女とでは違うんでしょうねー。
でも夢だけでご飯は食べていけないし、
現実だけを見つめて生きるのも辛いし(笑)
難しいところですね~~。

せめてね、もう少し「努力すればなんとかなりそう」な夢を見てくれたらいいのですが、
余程才能と運がなければ叶わないような夢しか見ないんですよね(息子のことですが)
若いってことなのかなぁ~
ちょっと疲労困憊の母でございます。

あ♪メール、ありがとうございますぅ~
tomozoさんの軽い興奮が拡大して私に伝染しました(笑)
これって現実逃避?だったりして。。。
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Unknown (チョコ)
2007-02-09 17:07:03
パンダさん

なんかパンダさんの胸にささっちゃったみたいですね。
私の「妄想」も現実逃避のひとつですから(笑)
そうやって、だましだまし生きていくのですよ、大人は(苦笑)

映画はなかなか良かったですよ。
自分の悩みが反映して、変な感想を書いてしまったけど、たぶん楽しめると思いますよ。
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私も見ました! (ぼふふわ)
2007-02-28 17:50:47
うちもね、夫が見たいと言うので、行ってきました。
そうだよね~、夢って、この映画みたいに叶えばいいけど、そうでないと、確かに、現実逃避みたいに、私も感じていました。
闇雲に夢を追いかけるのもどうかとって。

で、私も、この映画を見たとき、自分をあてはめたとき、自分は、かっこ悪く夢を追ってるな~、なんて改めて思いました。
バートみたいには、なれないわ~、なんて。
でも、自分の中の目標=夢(誰にもわからなくても)に達すれば、それでいいのかとも。
と、私は、ついピアノのことになってしまいます。
それは、趣味の世界だしね・・・。

ここ数ヶ月、息子のことで眠れない日々が続きました。
夢があるんだか、ないんだか、ほんとに最後まで本気でやったのかい?と、息子を見てしまう日々でした。
子供でも、自分のことでない人間のことって、皆目わからないと実感。
でも、自分がそいいう風に育てたのかと反省したり。
結構、辛い日々でした。今も・・・。

チョコさんも、元気出してね!

アンソニー・ホプキンス、さすがでしたね!!
随所で、イギリス人じゃない!と言い切るとこが、印象的でした。
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 (チョコ)
2007-03-01 00:06:36
ぼふふわさん

どうも男の人は「夢」というものに対して
女とは違う思い入れがあるようですね。
夢を追いかけつつ
その夢をうまく自分の中で形を変えられるのが女というもののような気がします。

私もぼふふわさんの気持ち痛いほど分かります。
いくら言葉をつくしても伝わらない親の気持のもどかしさ。
結局は子供を信じることしか出来ないのでしょうけど、
このもどかしさは親である限り続くのでしょうね。
お互い、時々ささやかな夢をみたり
妄想したりして(笑)乗り切りましょうね~

アンソニー・ホプキンス、すごく可愛らしくて
良かったです~♪
あの年で「恋多き男」ってのがなんとも羨ましいですね。
それぐらいのエネルギーがないと夢って叶えられないものかもしれないですね。




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