ビター☆チョコ

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幸せのちから

2007-02-02 | 洋画【さ】行

クリス・ガードナー(ウィル・スミス)は新型医療機器のセールスマン。
絶対売れるはず、と見込んで大量に仕入れた機械は全然売れず、
生活もだんだん苦しくなってくる。
苦しい生活は、夫婦の仲をぎこちなくし、ついに妻は家を出てしまう。
クリスは5歳の息子クリストファーと2人で暮らすことになった。

クリスは父を知らずに育った。
だから自分の息子には思い切り父親の愛情を注いで育てたいと思っている。
でも、子供は愛だけで育たない。
現実には生活していくためにお金がいる。
セールスマンの仕事に見切りをつけたクリスは別の道を歩こうとする。
それは証券会社の証券マンになることだ。
証券会社で半年間の研修を受ける。
それも無給で。
研修が終わっても、たくさんの研修生の中から採用されるのはただひとり。
宿無し、文無し、子連れのクリスにとって大きな賭けだ。

普通ならそんな懸けはしない。
でも、これは実話なのだ。
普通の男が自分の力を信じて、懸けて、そして・・幸せを掴み取った。
幸せはただぼんやりと待っているものでなく
自分の力で掴み取るものなのだ。

人生が不意に暗転した時、私たちは「なにか」に祈る。
特別信心深くなくても、つい祈ってしまう。
助けてください・・・と。
もし神様がいるとして
神様はそんな時何かヒントをくれるのだと思う。
でもそれは分かりやすい形のものではないのかもしれない。
今の状況よりも、もっと困難なことに感じるのかもしれない。
でもその中になにかチャンスを見つけるのか
あるいは、ぼんやりと見送ってしまうのか
それが人生の岐路になるのかもしれない。

実話だから、物語の行き着く先は分かっているのだけど
あまりにも続く困難に
つい、眉間にシワが寄ってしまう。

疲れ果てて、明日の希望も何もない夜。
それでも傍らの子供を笑わせ、安心させ、駅のトイレで抱きしめて眠る夜。
クリストファーに折に触れ語りかける言葉は
まるで挫けそうになる自分を奮い立たせるための言葉のように聴こえた。

天性の聡明さもあるかもしれないけれど
自らの努力と、持ち前の明るさでつかんだ成功はとても輝かしいものに思えた。

この映画はサクセスストーリーではないと思う。
父と息子の愛と信頼の物語だ。
自分ひとりが生きていくためだけなら、こんなにはがんばれない。
守ろうとした小さな息子が、しっかりと後ろから押してくれていたのだと思う。

 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うんうん。。 (Rei)
2007-02-02 18:11:53
チョコさん、こんばんは。
うんうんと頷きながら拝見しました。

チョコさんの語りはいつも素敵ですね。
心にじんわりと沁みてくる文章が好きです。
それでいて無駄が無くて的確でとても分かりやすい。
すごく素敵だと思います。

自分の為に頑張るのと、
誰かの為に頑張るのは違うんですよね。
忘れがちな大事なことを思い出すために、
映画を見るのもいいものですね。
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無償の愛情 (ri)
2007-02-02 19:29:52
チョコ様

『ディパーテッド』の前に、こちらを観てきました。
これは、やっぱり親子の無償の愛情の物語だと感じました。
子供を持つ身としては、なおさらそう感じるのでしょうか。
我家の子供たちもかなり成長してしまいましたが、
守ってあげなくちゃと思っていた頃を思い出してしまいました。

それにしても、ウィル・スミスと息子のジェイデン君は、
実生活でも、とても良い親子なんだろうなと思いました。

この作品を鑑賞した日は、嫁もやらなくちゃいけなくて、
少々お疲れモードでした。(笑)
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力。。 (寝起きのパンダ)
2007-02-02 20:20:41
そうですね。

この映画は、ただのサクセスストーリーではないですね。
ラストでも、親子が大金持ちになった姿は出てこない。
ただ、いつもと同じように親子仲良く手をつないでいる。

えっと。。チョコさんは、画面に酔いませんでしたか?(まだ言ってますが(^^;))

体調を整えて、もう一度見たい映画です。

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昔のこと (チョコ)
2007-02-02 23:35:21
Reiさん

きゃん♪
そんな風に言っていただいて嬉しいデス。
映画は観てるけど、監督がどうとか全然分からず
ただ、いつも、ひたすら、見たまま、感じたまま
デス。

そうですねぇ。
月日が流れると過ぎた日のことは忘れてしまいますからね。
クリス親子が
遠い日の自分たちを思い出させてくれました。
5歳ぐらいの子供って可愛かったですよね。
その時は気がつかなかったけど
今、しみじみと思います。


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親子♪ (チョコ)
2007-02-02 23:43:32
riさん

TBありがとう♪

そうそう、実の親子なんですよね。
堂々のデビューですね。
私なんかつい、
「親子でよく演技なんかできるなー」と思っちゃうんですけどね
あの自然ないい雰囲気は、実生活のいい関係を感じさせますよね。

大きくなった子供は
小憎らしさばかり感じるけど
確かに守ることに一生懸命だった時期がありました。
もうそろそろ
老いた母を労わってくれ~と思ったりしてます。

お嫁さんも疲れますよね。
お子さんに労わってもらってくださ~い。


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大丈夫 (チョコ)
2007-02-02 23:51:01
パンダさん

大丈夫、酔いませんでしたよ。
三半規管は丈夫みたいです(笑)

ラストで大金持ちになってる姿を出していたら
ちょっと違った色合いの映画になったかもしれませんね。
どうやって成功を勝ち取ったか、という方法よりも
その成功を勝ち取る「力」になったものを描きたかったのかなぁ、と思いました。

クリストファーは可愛かったね♪
やっぱ子供と動物には勝てません(笑)
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こんにちは! (由香)
2007-02-03 10:07:01
TBさせて頂きました^^・

映画よりもチョコさんの記事が胸に沁みてきました。
私は、谷底結婚生活が長いためか(笑)、奥さんが可哀想だなぁ~と思い、変な記事を書いてしまいました(汗)

ウイルの演技が素晴らしかったですね!息子を見る目にも愛情が溢れていました。。。
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それぞれの事情で (チョコ)
2007-02-03 15:44:54
由香さん

TB&コメントありがとうございます。

谷底結婚生活どういう反応をしたらいいのか迷ってしまいすが(笑)
私はどうも母性が弱いらしく、必ずしも母親が子供を育てるべき、とは思えないんですよね。
子供が誰を一番信頼してるのかがネックになるの思います。
だからそのあたりは軽く流して観てしまいましたね(苦笑)

この場合は、お父さんと一緒で良かったんじゃないでしょうか。結果論ですけど。

なーんか今、うちは子供が難しい盛りで、時々捨ててしまいたくなります(爆)
そういう事情も映画を観る目に表れたかも
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