安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

山口惠似子著「月下上海」(文春文庫)を読みました。

2022-03-30 19:30:00 | 読書

山口惠衣子著「ゆうれい居酒屋」が面白かった(感想記事へのリンク)ので、この作家に興味をもち、長編を読んでみようと、松本清張賞受賞の「月下上海」を購入しました。

   

(表紙)イラストは、加藤木麻莉さんによるもの。

(著者の紹介)

   

松竹シナリオ研究所を卒業したのが35歳で、2007年に「邪険始末」でデビューしたときは50歳という遅いスタートでしたが、「食堂のおばちゃんシリーズ」や「婚活食堂シリーズ」が人気となっているようです。

(帯裏にある本書のあらすじ)

   

(感 想)

第二次大戦下の上海を舞台として、財閥の令嬢で画家の「多江子」が巻き込まれる事件を主軸としてストーリーが進み、スリルに富んでいました。ミステリの要素もありますが、人間同士のドラマがそこに絡みます。

細部の記述もありますが、物語の場面転換が早いので飽きません。さらに、当時の上海の街の様子や風俗についての記述が、目の前に現出するかのように書かれていて感心しました。

上海の情景に加え、多江子の服装についても詳細に描かれていて、文章だけでなく映像で見てみたい作品です。エンターテイメントとして面白く、他の著作も読みたくなりました。

(次に読むつもりで購入した山口惠以子著「婚活食堂1」)