安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

飯森範親指揮 群響室内楽演奏会【ストラヴィンスキー:ダンバートン・オークス、シューベルト:交響曲第5番】

2024-10-31 19:30:00 | クラシック演奏会

飯森範親指揮の群響室内楽演奏会が、10月30日(水)に高崎芸術劇場音楽ホール(412席)で開催されたので、聴きに出かけました。楽団員による室内楽の演奏会が行われていて、今回は、第14回です。

 

   

チラシの表

(出 演)

指揮:飯森範親(群響常任指揮者)
フルート:中條秀記(群響首席奏者)
管弦楽:群馬室内オーケストラ(コンサートマスター:福田俊一郎)

飯森範親さんは、現在、群響常任指揮者、パシフィックフィルハーモ二ア東京音楽監督、日本センチュリー響首席指揮者、山響桂冠指揮者などを務め、CD録音多数。中條秀記さんは、桐朋学園大学卒、ドイツ・フライブルク音楽大学留学、帰国後06年08年17年にサイトウ・キネン・フェス松本に参加。現在、群響首席フルート奏者。詳しくは、下記プロフィールをご覧ください。 

(曲 目)

J.S. バッハ/ 管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV 1067 フルート:中條秀記
ハイドン / 交響曲 第30番 ハ長調「アレルヤ」Hob. Ⅰ:30
       第1楽章. アレグロ
       第2楽章. アンダンテ
       第3楽章. テンポ・ディ・メヌエット、ピウ・トスト・アレグレット
〈休憩〉

ストラヴィンスキー / 協奏曲 変ホ短調 ダンバートン・オークス
        第1楽章. テンポ・ジェスト「正確な速さで」
        第2楽章. アレグレット
        第3楽章. コン・モート
シューベルト / 交響曲 第5番 変ロ長調 D.485
        第1楽章. アレグロ
        第2楽章. アンダンテ・コン・モート
        第3楽章. メヌエット、アレグロ・モルト
        第4楽章. アレグロ・ヴィヴァーチェ         

(感 想)

群響室内楽演奏会は、2024年度は5回開催(予定)です。今回は「室内管弦楽の世界」と題され、常任指揮者の飯森範親さんの指揮による群響室内オーケストラの出演なので、かなり楽しみに高崎芸術劇場に出かけました。

その期待に応えた、内容充実の会心のコンサートでした。選曲が良く、名曲なのになかなか聴けない曲をやってくれたこと、さらに、客演奏者も入れたオーケストラの演奏が良かったこと、加えて、飯森さんの解説が分かりやすいものだったことが、その要因です。

ストラヴィンスキーの「ダンバートン・オークス」は、飯森さんによると、指揮するのが難しく、演奏はもっと難しいそうですが、フルートの客演奏者と群響ホルン陣が軽やかに演奏していたのが印象的でした。シューベルトの「交響曲第5番」も、美しいメロディを含んだ名曲だと感じさせてくれる好演でした。

(演奏写真 群響facebookからお借りしました。)

バッハの管弦楽組曲第2番を演奏しているところ。

フルートの独奏は、群響首席の中條秀記さん。

飯森さんのトーク。楽曲の説明などをしてくれました。

ハイドン「交響曲第30番」を演奏しているところ。この曲も、面白くて、名曲といってもいいかもしれません。

ストラヴィンスキー「ダンバートン・オークス」。色彩感豊かで、ストラヴィンスキーにしては聴きやすい曲でした。

シューベルト「交響曲第5番」を演奏しているところ。飯森さんによると、これも滅多に演奏されない曲だそうです。

(プロフィール)

   

【飯森範親ホームページ】

飯森 範親 Norichika Iimori (Conductor) – 飯森範親オフィシャルサイト

   

【群馬交響楽団】

住所:群馬県高崎市栄町9-1 高崎芸術劇場3階
電話:027-322-4316
ホームページ:群馬交響楽団 (gunkyo.com)

(あらかじめ聴いたCD)

   

ストラヴィンスキー「協奏曲 ダンバートン・オークス」。シャルル・デュトワ指揮モントリオール・シンフォニエッタ(1991年録音)。今回購入したCDですが、収録曲が意外に親しみやすく、気に入りました。

   

CDのパッケージの裏面に記載されている収録曲

   

シューベルト「交響曲第5番」。イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィル(1970年録音)。順次聴いていますが、この全集(CD4枚組)は、優れものだと思い始めました。

   

CDパッケージ裏面にある収録曲目。


デイヴィッド・レイランド指揮 群響定期【ブリテン「ノクターン」、R=コルサコフ「シェエラザード」】

2024-10-21 19:30:00 | クラシック演奏会

デイヴィッド・レイランド指揮群馬交響楽団の第602回定期演奏会が、10月19日(土)に高崎芸術劇場で開催されたので、聴いてきました。

   

チラシ表

(出 演)

指揮:デイヴィッド・レイランド
テノール:マーク・パドモア
管弦楽:群馬交響楽団 (コンサートマスター:伊藤文乃)

デイヴィッド・レイランドさんは、ベルギー出身。ブーレーズ、ヤンソンスらに師事。現在、フランス国立メス管(旧フランスロレーヌ管)、韓国国立響音楽監督。ゲヴァントハウス管や都響に客演、オペラも指揮。マーク・パドモアさんは、ロンドン生まれ。リサイタル、オペラ、現代音楽の各分野で世界的に活躍。ベルリン・フィル、ウィーン・フィルなどと共演。シューベルト三大歌曲集の全曲演奏を各地で行っている。詳しくは、下記プロフィールをご覧ください。 

(曲 目)

モーツァルト/ 歌劇「魔笛」序曲
ブリテン / 深紅の花弁は眠りにつく(日本初演)       
ブリテン / ノクターン 作品60

〈休憩〉

リムスキー=コルサコフ / 交響組曲「シェエラザード」作品35(ヴァイオリン・ソロ:伊藤文乃)

(感 想)

7月と9月の群響定期公演に都合により行けなかったので、6月以来約4か月ぶりの定期でした。定期公演だと、出演者、曲目が多彩で、今回、ブリテンの歌曲も取り上げられました。レイランドさんのプレトークによると、本日の演奏会のテーマは、夜の雰囲気(ムード)だそうです。

前半では、マーク・パドモアさんの独唱による「深紅の花びらは眠りにつく」が、愛らしいメロディとホルンの伴奏が印象的で、楽しめました。パドモアさんの美声は素晴らしかったのですが、ブリテンの「ノクターン」は、平板でとらえどころのない曲で、僕には難し過ぎました。

後半は、お馴染みの「シェエラザード」で、レイランドさんの指揮は、強弱の幅を広くとったダイナミックなもので、伊藤文乃さんの、大きめな音量による、甘美でくっきりとしたヴァイオリン独奏も素晴らしかった。

(演奏写真 群響facebookからお借りしました。)

デイヴィッド・レイランド(指揮)

マーク・パドモア(テノール独唱)

マーク・パドモアさんとデイヴィッド・レイランドさん

立っているのが、シェエラザードのヴァイオリン独奏を務めた、ソロ・コンサートマスターの伊藤文乃さん。

(出演者プロフィール)

(あらかじめ聴いたCD)

   

ブリテン「ノクターン」など。ブリテン指揮ロンドン響など。

   

リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」。キリル・コンドラシン指揮コンセルトヘボウ管弦楽団。このCD(SACD)には、併せてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が収録されていて、独奏のマルタ・アルゲリッチ(p)の胸のすくような演奏が楽しめます。

【群馬交響楽団ホームページ】

群馬交響楽団


ファビオ・ルイージ指揮NHK交響楽団演奏会 高崎公演 (9月23日 高崎芸術劇場)

2024-09-24 19:30:00 | クラシック演奏会

ファビオ・ルイージ指揮NHK交響楽団の演奏会が高崎で開催されたので、聴いてきました。ピアノソリストのエレーヌ・グリモーが来日できず変更になりました。

   

チラシ表。エレーヌ・グリモーは、コロナ感染で来日できず、ピアノのソリストが変更になりました。

(出 演)

指揮:ファビオ・ルイージ(NHK交響楽団首席指揮者)
ピアノ:アレッサンドロ・タヴェルナ
管弦楽:NHK交響楽団 (コンサートマスター:篠崎史紀)

ファビオ・ルイージさんは、1959年イタリア・ジェノバ出身。現在、デンマーク国立響首席指揮者、ダラス響音楽監督、2022年9月からN響首席指揮者。2023年8月に任期が3年間延長され、2028年3月までとなった。チューリヒ歌劇場音楽総監督、ウィーン響首席などのポストを歴任、録音多数。アレッサンドロ・タヴェルナさんは、1983年イタリア・ヴェネチア出身。2009年リーズ国際ピアノ・コンクール第3位。ミラノ・スカラ座フィル、ミュンヘン・フィルなどと共演。2021年11月にN響公演に初登場。詳しくは下記をご覧ください。

(曲 目)

シューベルト / イタリア風序曲 第2番 ハ長調 D.591
シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
         第1楽章 アレグロ・アフェットゥオーソ
         第2楽章 インテルメッツォ:アンダンティーノ・グラツィオーソ
         第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

(アンコール アレッサンドロ・タヴェルナ(p))
バッハ(ペトリ編) / 羊は安らかに草をはみ

〈休憩〉

ベートーヴェン / 交響曲 第7番 イ長調 作品92
           第1楽章 ポコ・ソステヌートーヴィヴァーチェ
           第2楽章 アレグレット
             第3楽章 プレスト、アッサイ・メノ・プレスト
           第4楽章 アレグロ・コン・ブリオ

(感 想)

特に前半が印象に残りました。シューベルトの「イタリア風序曲」は、初めて聴きましたが、歌謡性に富んだ明るい曲で、ロッシーニの影響を受けているとはいえ、ちょっと驚きました。また、シューマンのピアノ協奏曲は大好きな曲ですが、期待に違わない、良い演奏でした。

前半の2曲は、木管楽器が活躍するものですが、N響の木管陣が音色と言い節回しといい、目の覚めるような演奏ぶりでした。演奏者は、多分、吉村結実(オーボエ)、神田寛明(フルート)、伊藤圭(クラリネット)さんだと思います。

ピアノ独奏のアレッサンドロ・タヴェルナさんは、端正でしっとりした弾きぶりで、アンコール曲の美しさも含めて、すごく楽しめました。ファビオ・ルイージさんですが、ベートーヴェンの交響曲第7番を早めのテンポで、エネルギッシュに振っていて、場内はブラボーの嵐で終演に。

(出演者のプロフィール)

【NHK交響楽団ホームページ】

NHK交響楽団/NHK Symphony Orchestra, Tokyo (nhkso.or.jp)

 

(あらかじめ聴いたCD)

   

ロベルト・シューマン「ピアノ協奏曲」。ベアトリーチェ・ラナ(p)、ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団(2022年録音)。ロベルト・シューマンの奥さんのクララとロベルトの協奏曲を収録したCDで、目下気に入っています。

   

ベートーヴェン「交響曲第7番」。カルロス・クライバー指揮フィーン・フィル(1975年録音)。有名な録音です。 


草津夏期国際音楽フェスティヴァル演奏会【西村朗:「神秘的合一」、モーツァルト:フルート協奏曲(K.H.シュッツ(fl)他】

2024-08-18 19:30:00 | クラシック演奏会

8月17日(土)に、初めて草津夏期国際音楽フェスティヴァルに出かけ、オープニングコンサートを聴きました。

   

チラシ表

(出 演)

オルガン:クラウディオ・プリツィ
ピアノ:高瀬アキ
フルート:カール・ハインツ・シュッツ
指揮:飯森範親
管弦楽:群馬交響楽団 (コンサートマスター:福田俊一郎)

クラウディオ・プリツィさんは、イタリア出身で、オルガン、チェンバロ、指揮者として演奏活動を行い。レパートリーは、後期ルネサンスから前衛音楽までと広い。フランチェスコ・モルラッキ音楽院教授。カール・ハインツ・シュッツさんは、シュツットガルトフィル、ウィーン交響楽団を経て、現在、ウィーンフィルの首席ソロ・フルート奏者。飯森さんは、現在、群響常任指揮者、パシフィックフィルハーモ二ア東京音楽監督、日本センチュリー響首席指揮者、山響桂冠指揮者などを務め、CDも多数。

(曲 目)

西村朗 / オルガンのための幻想曲(2017)
西村朗 / 「ヴィシュヌの化身」第6曲「カルキン」(2002)
西村朗 / ピアノとオーケストラのための「神秘的合一」(2023) 

〈休憩〉

モーツァルト / フルート協奏曲  第2番  ニ長調  K.314  (285d)
ドビュッシー / シランクス (カール=ハインツ・シュッツ(fl)さんのアンコール曲)(曲名が違うかもしれませんが。)

モーツァルト / 交響曲  第40番  ト短調  K.550

(感 想)

演奏会の前半は、昨年お亡くなりになったこの草津国際アカデミーの西村朗音楽監督の追悼演奏でした。『オルガンのための幻想曲』は、プリツィさんのリードオルガンが文字通り幻想的で、『ヴィシュヌの化身』第6番と「神秘的合一」は、高橋アキさんの超絶的な演奏がすごかった。

モーツァルトのフルート協奏曲第2番のソリストは、ウィーンフィルのカール=ハインツ・シュッツ。長身でスマートな身体からの豊かな音量と、金属的でない柔らかめな音色が素晴らしく、飯森さん指揮の群響の伴奏もよくて、ずっと耳を傾けっぱなしでした。

モーツァルトの交響曲第40番は、名曲中の名曲なので、それだけで良かったのですが、弦の響きがもう一つという感じでした。いつもは、高崎芸術劇場で聴いているので、ホールの響きのせいかもしれません。草津町は、意外と近いので、また出かけたいと思います。

(演奏写真 群響facebookからお借りしました。)

   

草津音楽の森国際コンサートホール外観。

高瀬アキ(p)、飯森範親(指揮)群馬交響楽団

   

高瀬アキさんと飯森範親さん。

カール=ハインツ・シュッツ(fl)と群響。

   

飯森範親さんとカール=ハインツ・シュッツ(fl)さん。

(カール=ハインツ・シュッツさんのプロフィール)

【草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル ホームページ】

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル (kusa2.jp)

【群馬交響楽団】

住所:群馬県高崎市栄町9-1 高崎芸術劇場3階
電話:027-322-4316
ホームページ:群馬交響楽団 (gunkyo.com)


群響室内楽演奏会「管楽器で味わうセレナード~ドイツから2人の名手を迎えて」(8月1日 高崎芸術劇場)

2024-08-02 19:30:00 | クラシック演奏会

群響首席ホルン奏者の濱地要さんがプロデュースする、群響室内楽演奏会『管楽器で味わうセレセード~ドイツから2人の名手を迎えて」があったので、高崎芸術劇場音楽ホールで聴いてきました。

   

(出 演)

ホルン:濱地宗
ホルン:ジェイヒョン・キム(マインツ国立フィル副首席)
ホルン:ゾルタン・マクサイ(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団首席)
ホルン:向井正明
フルート:中條秀記、白水裕憲
オーボエ:高崎智久、工藤亜紀子(客演)
クラリネット:西川智也、伊藤圭(客演)
ファゴット:奈波和美、石井野々香(客演)、栗林愛理(客演)
チェロ:長瀬夏嵐
コントラバス:市川哲郎

名前のあとに括弧書がある方以外は、群馬交響楽団員です。濱地さん、キムさん、マクサイさんについては、下記に掲載したプロフィールをご覧ください。

(曲 目)

ニコライ・チェレプニン:6つの小品 
            1 夜想曲 2 ドイツの民謡 3 狩 4 踊る合唱  5 ロシアの民謡 6 コラール
モーツァルト:セレナード第12番 ハ短調 K.388

〈休憩〉

ドヴォルザーク:セレナード ニ短調 作品44
リヒャルト・シュトラウス:13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 作品7 Trv.106

(感 想)

ホルン主体の演奏会は珍しく、興味を惹かれたので、平日ですが高崎へ出かけてきました。群響首席奏者の濱地さんのプロデュースですが、ドレスデン国立歌劇場管首席のゾルタン・マクサイさんと、マインツフィル副主席のキムさんを迎えて国際色も豊かでした。

最初のチェレプニン作曲「6つの小品」は、ホルン4本だけの楽器編成の曲で、リズムやハーモニーに変化があって、面白い曲でした。ホルンがかなり高い音を出していて、こういう音でハーモニーを作るのかと、フルオーケストラを聴いていただけではよくわからない、ホルンの役割、機能がわかって、感激しました。

あとの3曲は、群響や客員の演奏者が加わった管楽器のセレナードで、ドヴォルザークのものはよく知られています。リヒャルト・シュトラウスが17歳で作曲した「13管楽器のためのセレナード」は珍しいですが、フルートが入るなど色彩感が豊かで、時代の新しさを感じさせました。

(プロフィール)

濱地 宗

   

ジェイヒョン・キム

   

ゾルタン・マクサイ

   

(演奏写真 群響fecebookからお借りしました。)

ニコライ・チェレプニン:6つの小品の演奏光景

ドヴォルザーク:セレナードの演奏光景

リヒャルト・シュトラウス:13管楽器のためのセレナードの演奏光景

【群馬交響楽団】

群馬交響楽団ホームページ:群馬交響楽団 (gunkyo.com)