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井原忠政著「三河雑兵心得」(双葉文庫)第9巻「上田合戦仁義」。第10巻「馬廻役仁義」と第11巻「百人組頭仁義」も面白い。 - 安曇野ジャズファンの雑記帳
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松永弘高著「奥羽関ヶ原」(小学館文庫)を読了。緊迫した長谷堂合戦を描き、最上義光に焦点を当てた面白い小説。 - 安曇野ジャズファンの雑記帳
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来週の6月12日、13日、14日と、指揮者の山田和樹さんがベルリン・フィルを初めて指揮します。活躍を期待していますが、ちょうど、同フィルに関する新書が出されたので、読んでみました。
参考:山田和樹指揮ベルリン・フィルのコンサート案内ページ
表紙
(帯裏に掲載された本書の紹介)
(目次抜粋)
第1章 誕生期―市民のためのオーケストラとして
第2章 拡大期―財政危機から国際化へ
第3章 爛熟期―ナチとベルリン・フィル
第4章 再建期―戦後の「再出発」
第5章 成熟期―冷戦と商業主義の中で
第6章 変革期―「独裁制」から「民主制」へ
第7章 模索樹―新しい時代のオーケストラとは何か
終 章 ベルリン・フィルの歴史から見えてくること
(感想など)
著者の芝崎さんの専門は、「国際関係史、冷戦史、政治と芸術」で、そういう観点から、ことにナチ政権発足(1933年)からベルリンの壁崩壊(1989年)までの間の政治と結びついたベルリン・フィルの様子が明確に描かれています。
団員は、長くベルリン市の公務員という立場で、楽団が財団法人化されたのが2002年と遅くて驚きました。その後も政府からの助成はあるはずなので、現在の運営状況はどうなのでしょうか。
カラヤンの独裁ぶりに言及し、ザビーネ・マイヤー問題が描かれていて興味深い。カラヤン後の常任指揮者選出は、楽団員の投票によって行われていますが、それが可能になった楽団員間の組織とか関係性について言及がほしかった。
(著者略歴)
歴代の首席(常任)指揮者(本書のページから)
チェリビダッケは、1946年に暫定で主席指揮者になっています。
1956年にベルリン市とカラヤンは、常任指揮者契約を交わしています。
初の団員投票で選出されたアバド。在任は1989年10月~2002年2月。
2002年9月から2018年6月。
2019年8月に常任指揮者として初の演奏会。
佐々木譲著「愛蔵版 武揚伝」を読んだら(その記事)、榎本武揚はオランダに留学していて、幕末でも依然同国は先進国であったのだと驚きましたが、中野京子さんの文庫がタイムリーに出たので、オランダの様子を知りたくて読んでみました。
表紙
(本書の内容)
(感想など)
オランダがスペインから独立したのが、1648年(ウェストファリア条約締結)ですが、オランダの黄金時代は、本書によると1580年~1675年くらいです。プロテスタントの国で、商工業に力が注がれ、貧富の差は他国より小さく、市民が絵画を求めたので、画家が多数いたようです。
そんな社会状況から、フェルメール(1632~1675年)らの画家が出て、風景画が生まれたということが、わかりました。オランダの風景画は、空が画面の3分の2ほどを占めていて、ちょっと印象派の先駆けみたいな感じもあり、僕は好きです。
中野京子さんの『オランダ黄金時代』という切り口がわかりやすく、紹介されている絵に関しても、そういう時代背景があってのものだということが、わかるように記述されていました。良書です。
(著者の紹介)
中野京子さんのブログ:中野京子の「花つむひとの部屋」
(登場する絵画から。僕の好みが入っています。)
フェルメール(1632~1675)は、150年近く忘れられていて、19世紀後半、印象派が勃興する頃になってようやくフランスで再発見再評価されたそうです。
首都アムステルダムの風景。人口20万で、ロンドン、パリに次ぐ、当時ヨーロッパで三番目の大都市だったそうです。
風車や帆船の絵は、当時のオランダ人がこぞって自宅に飾りたがったようです。帆船画は、海洋貿易の国だからこそでしょう。
オランダは実学の国で、造船、治水、地図製作などと並び、医学、とりわけ外科分野において先進国だったそうです。
肥沃な土地が少ないオランダは、小麦やライ麦など主食を輸入していたが、食生活は豊だったようです。また、他のヨーロッパ諸国に比べ貧富の極端な開きもなかったようです。本作には、当時の一般家庭の質素な台所が描写されています。
1608年頃の制作で、おおぜいの人が氷上で嬉々として遊ぶ姿が描かれています。1609年(慶長14年)に、オランダが平戸に商館を設立し、1614年(慶長19年)大阪冬の陣、1615年(慶長20年)大阪夏の陣と、徳川幕府が基礎を固めていた頃です。
エンタメ系の時代小説を読もうと、浅田次郎著「大名倒産」(文春文庫)を読みました。2023年には映画化されているので、その映画もdvdで観てみました。
上巻のカバー表紙
(上巻あらすじ)
下巻のカバー表紙
(下巻あらすじ)
(感想など)
長い小説ですが、ストーリー展開が早く、どんどん筋を追っていけるので、あっという間に読了しました。経済小説の趣もあって、江戸時代後期の送金や金融の仕組み、さらに殖産振興、参勤交代の経費などのことも描かれていて、感心しました。
モデルとした場所は、新潟県村上市で、特産の鮭の加工や売りさばきなどについて、城下にある両替商(金融)の支店まで巻き込んで、借金返済への奮闘が続きます。両替商や資産家(大農家)など市井(民間)の有力者が、藩の殿様に協力したのには、心打たれました。
最後は金鉱の発見まで出てきて、やや安易ですが、借財の大きさがうなづけました。地方の衰退を食い止める努力は、江戸時代にも行われていたことが描かれ、貧乏神や七福神も活躍するエンタメ小説ですが、それだけではない作品。
(著者の紹介)
【映画 大名倒産】
【ストーリー】
越後・丹生山(にぶやま)藩の鮭売り・小四郎はある日突然、父から衝撃の事実を告げられる。なんと自分は、〈松平〉小四郎― 徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎだと!庶民から一国の殿様へと、華麗なる転身…と思ったのもつかの間、実は借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だった!?先代藩主・一狐斎は藩を救う策として「大名倒産」つまり藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実は全ての責任を押し付け、小四郎を切腹させようとしていた…!残された道は、100億返済か切腹のみ!
(キャスト)神木隆之介、杉咲花、松山ケンイチ、小日向文世、小手伸也、桜田通、宮﨑あおい、浅野忠信、佐藤浩市
(スタッフ)原作:浅田次郎『大名倒産』(文春文庫刊)
監督:前田哲、脚本:丑尾健太郎、稲葉一広 音楽:大友良英
(映画の場面から)
幼いころの松平小四郎
先代の藩主(佐藤浩市)。大名倒産を目論んでいる。
藩の立て直しに奮闘する松平小四郎(神木隆之介)。
小説とは異なり、悪役の二人が登場。両替商(金融業)と幕府老中。右に、隠居した先代藩主。
帳簿をあらためているところ。
悪役が逮捕。このへんは、ドタバタ劇です。
25万両(約100億円)の返済目途がたったことを、幕府老中に報告。実は、先代も悪事を暴く方に回っていたのでした。
お姫様役の藤間爽子。着物姿が似合っていました。
越後から江戸へ、船で産物(鮭)を運んでいるところ。鮭を持っているのは、藩主(松平小四郎)の育ての親。脚本は、原作をかなり捨象したものになっていて、深みはありませんが、エンタメ映画として、よく出来ていたと思いました。
(参 考)「大名倒産」公式サイト。予告編も含まれています。