最近、アナログレコードがちょっとしたブームになっているらしくて、中古レコード店で話しを聞くと、ロックやジャズのLP、クラシックの輸入盤LPの売れ行きがまずまずで、それにもまして、歌謡曲が動いているそうです。そういった状況下、ある中古レコード店で、ミシェル・サルダビー(p)の「Night Blossom」(DIW)のレコードを入手しました。1990年の新規録音だとCDが主体で、LPはあまりプレスされていなかっただけに、このレコードの入手はうれしい出来事でした。
MICHEL SARDABY (ミシェル・サルダビー)
NIGHT BLOSSOM (DIW 1990年録音)
ミシェル・サルダビーは、フランスのDebsレーベルのアルバム「Night Cap」や「In New York」で知って以来の好きなピアニストですが、これは来日時をとらえたDIWレーベルによる日本録音です。吉祥寺「Meg」の店主の寺島靖国さんの紹介もあって、サルダビーが日本で聴かれるようになった頃でした。以前から聴いているのはCDですが、数年前、ジャケットを代えたCDも発売されました。
メンバーは、ミシェル・サルダビー(p)、ジョイ・レオンハート(b)、アルバート・ヒース(ds)。多分、その時の来日メンバーだろうと思いますが、はっきりしませんでした。サルダビーは、アメリカのミュージシャンとの録音もいくつかありますが、ベテランドラマーのアルバート・ヒースが参加しているのでびっくりしました。どういう経緯なのか不明でしたが、メンバーの人選がよいです。
曲は、サルダビーのオリジナルとスタンダードです。サルダビー作「Madrugada」、「Maelstrom」、「Way Farer」、「Night Blossom」、「Farewell Tokyo」、スタンダードの「For All We Know」と「Falling In Love With Love」(恋に恋して)、デューク・エリントン作「Single Petal of A Rose」の全8曲。サルダビーのオリジナルは、ほの暗く、甘いメロディをもっていて、琴線に触れてくる作品も多く、ここでも聴かれます。
オリジナル曲では、メロディーを重視し、繰り返しも用いながらの演奏は、それだけで癒されます。「Madrugada」や「Night Blossom」におけるサルダビーの演奏が、そんな感じで、しみじとした味わいもあります。意外によかったのが、2曲のスタンダードで、「For All We Know」は、ぎりぎりの遅いテンポでメロディを綴っていて、緊張感も持続しています。明るくて早めの「Falling In Love With Love」は、メンバーの3人が伸び伸びとプレイをしていて、ベースのランニングビートが効いたバウンドする明快な演奏。
【Night Blossomのレコード(帯付き)】