6月26日(土)に開催された群馬交響楽団第569回定期演奏会を聴いてきました。指揮者は渡邊一正さんの予定でしたが、藤岡幸夫さんに変更になりました。演奏された曲は、渡邊さんの選曲によるものです。
(出 演)
指揮:藤岡幸夫
ヴァイオリン:川久保賜紀
管弦楽:群馬交響楽団
藤岡さんは、現在、関西フィルハーモニー首席指揮者、東京シティ・フィル首席客演指揮者。BSテレビ東京「エンター・ザ・ミュージック」に指揮・司会として関西フィルと出演中。昨年12月に「音楽はお好きですか?」(敬文舎)を出版。川久保さんは、2001年サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝、2002年チャイコフスキーコンクール・ヴァイオリン部門最高位受賞以来、国内外でソリストとして活躍しており、N響、日フィル、都響などと共演。小菅優(p)との室内楽などにも取り組む。桐朋学園大学院大学(富山校)教授。
(曲 目)
ワーグナー / 歌劇「タンホイザー」序曲
ショスタコーヴィチ / ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77
〈休憩〉
ショスタコーヴィチ / 交響曲第5番 ニ短調 作品47
(感 想)
意欲的で豪華なプログラムがまず目を惹きました。いずれも大型の編成を要する曲で、指揮者は渾身の力を求められそうです。僕は、藤岡幸夫さんの出演するBSテレビ東京「エンター・ザ・ミュージック」のファンですが、藤岡さんの実演に接するのは今回が初めてです。
ショスタコーヴィチは、暗くて重い曲想の曲が多く、苦手な作曲家です。それでも、今回の2曲はポピュラーな方なので、いくらか親近感が湧きました。ヴァイオリン協奏曲は、川久保さんの端正で美しい演奏により、重苦しさが薄められたようで、意外と聴きやすかった。
交響曲第5番では、コンマス伊藤さんのソロをはじめ弦楽器陣がよく、第3楽章のラルゴもぐっと沈潜していました。第4楽章は、金管とティンパニが活躍するなど豪快ですが、藤岡さんの指揮も威勢がよくて、迫力満点でした。全体に、楽器間のバランスにこだわった熱演だと感じました。
(チラシにある出演者の詳細な紹介)
【あらかじめ聴いたアルバム】
ヒラリー・ハーンのCOMPLETE SONY RECORDINGSより、ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」を聴きました。ヒラリー・ハーン(vn)、マレク・ヤノフスキ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲全集より第5番