安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

周 靖庭著「台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶」(CDジャーナル社)を読みました。

2022-03-25 19:30:00 | ジャズ喫茶

台湾の周 靖庭(しゅう せいてい)さんが書いた日本のジャズ喫茶文化を紹介する趣旨で書いた「爵士喫茶案内所」という本が翻訳され、日本で発売されたので、購入し、読みました。

     

表紙

(著者の紹介)

周 靖庭さんは、1986年生、台湾大学音楽学研究所卒。オーディオ誌へコラムを書いたり、音楽サイトの編集協力、音楽鑑賞講座の講師を行っている方です。

(本書の概要)

台湾のオーディオ専門誌のジャーナリストが見た全国20店のジャズ喫茶の姿を、その魅力とともに紹介した“音楽文化論"ともいえる内容で、2020年7月に台湾で発売された『爵士喫茶案内所』を翻訳したもの。日本語版には、台湾の音楽喫茶2軒の紹介と、著者の日本語版あとがきが収録されています。

(目 次)

目次は、本書掲載のジャズ喫茶になっています。

上記の12店は全て訪れたことがあります。

20店のうち行ったことないお店は、宮城県名取市の「パブロ」です。是非訪れてみたい。

(感 想)

台湾の方が日本のジャズ喫茶を実際に歩いてまとめていて、労作であり、その努力に敬意を表しました。また、日本のジャズ喫茶をお手本に、台湾でもお店がオープンしているそうで、台湾のお店の紹介が日本版で追加されていて、興味深い。

撮影した写真や店主のお話を通じて、お店の内容がよくわかり、面白く読めます。また、著者はオーディオの専門家ですが、必要以上に深入りせず、一般読者でも音の傾向などがわかるように書いているのにも好感がもてます。

ジャズ喫茶関連の書籍の中でも特色のある面白い本です。コンサートの主催を行うなど、ジャズの普及に果たした地方のジャズ喫茶についても、触れていただければさらに良かった。

(本書に登場する20店のうち、僕が特に訪れたい3店)

   

渋谷の「スイング」。ヴォーカルの再生が素晴らしく、かかっていたナット・キング・コールの歌声が忘れられません。カレーも美味しい。

(参考)「渋谷 Swing」再訪 (ジャズ喫茶 東京都渋谷区神山町)

   

中野新橋の「ジニアス」。空間が広々とし落ち着きがあり、中庸をいく再生音も良い。さらに、僕が訪れた時に命日だといってマーシャル・ロイヤルの特集をやっていて、その選曲ぶりにも魅せられました。

(参考)GENIUS (ジャズ喫茶 東京都中野区中野新橋)

   

横浜中華街の「マシュマロ」。マシュマロレーベル主宰の上不三雄さんのお店です。とにかく博識で、ミュージシャンの話もしてくれて、楽しい一時が過ごせます。

(参考)ジャズ喫茶「マシュマロ」と横浜の街歩き

(台湾の音楽喫茶)

   

台北市の「Taste Cafe」。ジャズ40%、クラシック40%、その他20%で再生しているそうです。

   

台北市の「古殿樂蔵」。クラシック音楽が専門で、予約制のお店です。

(まだ行ったことがないパブロには是非出かけてみたい。)

   

宮城県名取市にあるので、東北新幹線が復旧して6月くらいに出かけられればと考えています。