安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バンキー・グリーン「MY BABE」。雪の降る中、松本市島内の「月詠珈琲」で寛ぎタイム。

2024-02-29 19:30:00 | アルト・サックス

三連休最終の25日(日)は、雪が降っていたので遠出はせず、午後のお茶に月詠珈琲を訪れました。スピーカーのJBLオリンパスから、ロック系の音楽が店内に流れていました。こんな装置で聴きたいレコード。

BUNKY GREEN (バンキー・グリーン)
MY BABE (VEE JAY 1960年録音)

   

バンキー・グリーン(as, 1935年生)ですが、一時ニューヨークに出たものの、1960年以降は、シカゴにほとんど止まったため、知名度は高くないようです。弟子には、スティーヴ・コールマンやグレッグ・オスビーがいて、教育にも注力しています。当時の第一級のサイドメンが本作に参加しています。

メンバーは、バンキー・グリーン(as)、ウィントン・ケリー(p)、ドナルド・バード(tp)、ジミー・ヒース(ts)、ラリー・リドレイ(b)、ジミー・コブ(ds)。このメンバー見ただけで、聴きたくなります。

曲目は次のとおり。

1  My Babe (Public Domain)
2  Polka Dots and Moonbeams (Johnny Burke,  James Van Heusen)
3  Counter Punch (Bunky Green)
4  Step High (Bunky Green)
5  Don't Blame Me (Dorothy Fields,  Jimmy McHugh)
6  Cecile (Donald Byrd)
バンキー・グリーンの自作が2曲、ドナルド・バード作が1曲、スタンダードなどが3曲です。結果的にバランスのとれた選曲になっている気がします。

本作は長くお蔵入りしていて、発表されたのは、1970年代半ばです。しかし、ジャケットのせいもあり、僕は食指が動かず、かなり後になって聴きました。タイトル曲の「My Babe」や「Step High」は、ゴスペルタッチで始まりますが、バンキー・グリーン(as)は、やや丸みのあるサウンドで流麗にスイングしています。「Polka Dots and Moonbeams」では、リズムセクションなしの3管の演奏による美しいハーモニーが聴け、「Counter Punch」では、グリーン、ケリー、バードの熱いソロが素晴らしく、聞き逃せないアルバム。

(参考)本作から「My Babe」が聴けます。

Bunky Green Sextet - My Babe (youtube.com)

(安曇野市宅で聴いているところ)

安曇野市宅で聴いているところです。飾ってあるレコードは、本作参加メンバーのもので、右から、ドナルド・バード「Parisian Thoroughfare」(Brunswick 再発盤)、本作「My Babe 」(Vee-Jay  日本盤)、ジミー・ヒース「Swamp Seed」(Riverside 日本盤)。

(月詠珈琲)

住所:長野県松本市島内7717
電話:0263-74-1487
ホームページ:長野県松本市、焙煎したてのコーヒーが味わえるカフェ|月詠珈琲 (matsumoto-tsukuyomicoffee.com)

駐車場に設けられた看板。

お店の外観。雪が降っていて、外は寒いのですが、電灯がともっている店内は温かそうです。

店内。入口やカウンターを撮影。

店内。オーディオ機器を置いてあります。

メニュー。ブラジル、パッセイオ農園パルプドナチュラル(中煎り)を注文。マイルドで、ほっとするコーヒーだそうです。

サーバーと珈琲が入ったカップが運ばれてきました。珈琲の量は、カップ2杯分弱くらいあります。

シンプルな器です。

スピーカーのJBLオリンパスの木目が美しい。

アンプ類

この真空管アンプの外観は美しい。小綺麗な店内で、ゆったりとした時間を過ごし、気分転換になりました。


佐々木譲著「警官の酒場」(角川春樹事務所)を読了。サスペンスに溢れた面白い小説です。

2024-02-28 19:30:00 | 読書

佐々木譲さんの最新作「警官の酒場」(2024年2月発行、角川春樹事務所)を読みました。

   

表紙。単行本です。

(帯裏にあるあらすじ)

(感想など)

北海道警察シリーズの最新作で、第11作目です。帯に『第1シーズン完』と記載してあり、本作で、物語はひとつの区切りを迎えました。登場人物の今後に向けて、第2シーズンが待ち遠しい。

苫小牧市の郊外にある競走馬を育成する岩倉牧場に、闇サイトで集められた四人の強盗が入り、大金は得たものの、そのうちの一人が経営者を殺害。四人は、千歳空港で、首謀者の代理に約束の金を渡して逃亡へ。舞台は札幌市内に移り、道警機動捜査隊の津久井や大通署の佐伯が次第に犯人を追い詰めていく。

複数の犯罪事案が絡み、最終の方で、それらが関連し収斂していきます。手に汗握るサスペンス映画を観ている感もあり、佐々木譲さんの手法の見事さに今回も感嘆。狸小路のジャズバー「ブラックバード」も登場するなど、ジャズファンとしても、楽しめました。

(本書の最初に掲載されている『警官の酒場』の舞台(地図))

Aは、札幌の市街図です。「すすきの交差点」や「狸小路商店街」は、馴染みがあります。

(本書巻末掲載の著者略歴)

佐々木譲(ささき・じょう)

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞受賞。90年「エトロフ 発緊急電」で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2002年「武揚伝」で新田次郎文学賞を、10年「廃墟に乞う」で直木賞を受賞。16年日本ミステリー文学大賞を受賞する。著書に「道警」シリーズをはじめ、「ベルリン飛行指令」「警官の血」「沈黙法廷」「抵抗都市」「図書館の子」「降るがいい」「帝国の弔砲」「裂けた明日」「闇の聖域」『時を追う者』など多数。

(ハードカバー本の表紙)

   

本のカバーをとったところです。レコードのプレーヤーが写っています。そこで、向きを変えみました。次の写真に続きます。

右の方にカートリッジがあり、レコード盤は乗せてありませんが、レコードプレーヤーです。著者の意向かわかりませんが、なかなか凝っています。

(道警・大通警察署シリーズ)

本書の最後の方のPRページです。単行本が11冊出ていて、そのうちの9巻までが文庫になっています。

   

ハルキ文庫から、次の9冊が文庫本として出ています。

   


連休中にジャズ喫茶「M-Gate(松川村、休業中)」と「木馬(前橋市)」に出かけました。

2024-02-27 19:30:00 | ジャズ喫茶

2月23~25日の連休中、23日(金)には、休業中のジャズ喫茶「M-Gate」で開かれた試聴会へ出かけ、翌24日(土)には、群響の定期演奏会の前に、前橋市に行って、ジャズ喫茶「木馬」に寄ってきました。

レコードのコレクションが多く、マスターがジャズに詳しいジャズ喫茶の閉店が、全国的に進みつつあります。いつまでもあると思うな『ジャズ喫茶』で、ジャズ喫茶巡りに、少し力を入れたい。

(M-Gate)

住所:長野県北安曇郡松川村
営業は行っていません。

M-Gate外観。北側の壁に『M gate』とロゴが入っています。休業中ですが、本日は、元常連による集まり(試聴会)が開催されました。

JBLのエベレストは健在。現在は、月に1回ほどしか鳴らしませんが、それでも結構素晴らしい音です。

レコード棚。マスターの池原さんが、お亡くなりになる前に処分したレコードも多いようですが、オリジナル盤中心にまだたくさんあります。

僕が持参したレッド・ガーランド「When There Are Grey Skies」(Prestige 再発盤)を、トップでかけてもらいました。スイング感たっぷりとした再生ぶりです。

チック・コリア「Piano Improvisations vol.1」がかかりました。どなたか持参されました。

フィリー・ジョー・ジョーンズ「Big Band Sounds」。これは、別の常連さんが持ってきたもの。

世話役で、オーディオ機器を操作している元常連のIさんが持参したエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮の「チャイコフスキー交響曲第4番」がかかりました。クラシックのオリジナル盤です。

奥様が珈琲とシフォンケーキを出してくれました。珈琲は、営業時と同じ味わいです。

二杯目の珈琲と、元常連の一人がもってきてくれた桜餅をいただきました。2月は、たまたま祝日に試聴会が開催されたので、僕も参加できました。通常は、平日の開催です。楽しい一時でした。

 

【木馬】

住所:群馬県前橋市下小出町2-1-12
電話:027-231-6520
ホームページ:木馬 - 中央前橋/喫茶店 | 食べログ (tabelog.com)

外観。昨年末に訪れているので、2ヶ月ぶりでした。

ドア。上の方に「MOKUBA」のロゴが掲示されています。

店内。アルテックのスピーカーは健在。実は、音が前よりタイトでいい音に聴こえます。真空管を取り替えるなど、アンプ類のメンテナンスを最近行ったそうです。

入ってすぐ右手にある4人掛けのテーブル。

オーディオ機器など

アニタ・オデイの「An Evening With Anita O'day」(Verve)が展示してありました。向かって右側が、オリジナル盤、左側が日本盤で、いかに日本盤のジャケットが良くないかの見本です。もっとも、日本盤にはアニタ・オデイのサインをもらってあるので、手放せないそうです。

オスカー・ピーターソンを彫刻してあるカナダのコイン。カナダ出身のオスカー・ピーターソンは、地元で尊敬されている名士のようです。

以下、聴いたアルバムです。

オスカー・ピーターソン「Freedom Song」。1982年の日本公演を録音したもの。木馬の根岸マスターは、この公演を実際に聴いているそうです。また、オスカー・ピーターソンの前橋公演を5~6回開催しています。

オスカー・ピーターソン「If You Could See Me Now」(Pablo)。曲目が良いので、このアルバムは入手したい。

アル・ヒブラー(vo)「Early One Morning」(LMI)。1964年の録音で、バックはローランド・ハナ(p)トリオ。これは素晴らしいヴォーカルアルバム。僕は初めて聴きました。

コーヒーを注文。

二杯目はレモンティーにしました。お茶うけを出していただきました。

札幌へ行った人がいて、そのお土産のクッキー「札幌農学校」が良かった。来月あたりまた寄りたい。

今回、木馬では、オスカー・ピーターソン(p)が話題になりましたが、彼のドキュメンタリー映画が近く上映されます。長野県でも上田映劇で3月8日から上映予定なので、観に行くつもりです。

   


大井剛史指揮 群響定期。バルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲、ドヴォルザーク:交響曲第3番。

2024-02-26 19:30:00 | クラシック演奏会

大井剛史指揮による群馬交響楽団の第595回定期演奏会が、高崎芸術劇場で開催されたので、聴きました。

   

(出 演)

指揮:大井剛史
ピアノ:金子三勇士
ピアノ:小林海都
打楽器:三橋敦
打楽器:山本貢大
管弦楽:群馬交響楽団 (コンサートマスター:伊藤文乃)

大井さんは、1974年生まれ、2008年アントニオ・ペドロッティ指揮者コンクール2位。2009年~13年山形交響楽団指揮者、2013~17年同正指揮者。現在、東京佼成ウインドオーケストラ正指揮者。全国の主要オーケストラを指揮している。金子さんは、1989年高崎市生まれ、2008年バルトーク国際コンクール優勝、国内外で演奏活動、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」司会者。小林さんは、2021年リーズ国際コンクール第2位、国内外のオーケストラと共演。三橋さんと山本さんは、群響奏者。詳しくは、下記をご覧ください

(曲 目)

J. S. バッハ / 管弦楽曲第3番 ニ長調 BWV1068 第2曲「Air」(G線上のアリア)

モーツァルト / セレナード 第13番 ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
バルトーク / 2台のピアノと打楽器のための協奏曲  BB121

〈休憩〉

ドヴォルザーク / 交響曲 第3番 変ホ長調  作品10  B.34
        第1楽章 アレグロ・モデラート、第2楽章 アダージョ・モルト、 
        テンポ・ディ・マルチャ、第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

(感想など)

最初に、6日に死去した指揮者の小澤征爾さんをしのび、追悼の演目としてバッハの「G線上のアリア」が演奏されました。小澤さんは昭和30年代、音楽教室をはじめ多くの演奏会で群響を指揮したそうです。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」までの弦楽合奏2曲は、華やかさを抑えた質実な感じでした。

バルトークの「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」は、終了と同時にブラボーが飛び交って拍手喝さいでした。でも、ピアノの打楽器的扱いや変拍子、無調気味なところなど、予めCDでも聴いたものの、僕には難し過ぎ、何がいいのか不明でした。

ドヴォルザークの交響曲第3番は、指揮者の大井さんの要望で取り上げられたそうです。とてもいい曲で、第1楽章第1主題の16分音符の6連から上行していくフレーズや、第2楽章のハープが入る抒情的な部分が美しく、大井さんの指揮のもと、弦楽合奏や客演の(多分)瀧本美里さんのフルートが素晴らしく感激。

(演奏写真 群響の公式facebookからお借りしました。)

NHK群馬で、小澤征爾さんの追悼演奏の様子が放映されたようです。

指揮者の大井剛史さん。

バルトーク「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」の演奏光景。

ドヴォルザークの交響曲第3番の演奏光景。

(出演者のプロフィール)

 

(あらかじめ聴いたCD)

   

バルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲、ピエール・ブーレーズ指揮ロンドン交響楽団など。(2008年録音)。ヴィオラ協奏曲などの方が聴きやすくて面白かった。

   

ドヴォルザーク:交響曲第3番、ラファエル・クーベリック指揮ベルリンフィル。(1972年録音)。ドヴォルザークの交響曲全集からの一枚。この全集は、お買い得でした。


デクスター・ゴードン「PARISIAN CONCERT」、松本市の信州大学近くの「THE 定食屋」で夕食。

2024-02-25 19:30:00 | テナー・サックス

2月22日(土)に、キッセイ文化ホールでN響松本公演を聴いたのですが、その前に、信大近くの「THE 定食屋」で夕飯をいただきました。おかずが充実し、値段が安く、学生にはありがたいお店です。パリの学校におけるライブ。

DEXTER GORDON (デクスター・ゴードン)
PARISIAN CONCERT (FUTURA 1973年録音)

   

テナー・サックス奏者のデクスター・ゴードン(ts, 1923~1990年)は、1962年、アメリカからヨーロッパに拠点を移し、1976年に帰国するまで、スティープルスチェイスレーベルに多数のアルバムを残すなど、活発な活動を続けました。本作は、1973年、パリにおけるライブ録音です。

メンバーは、デクスター・ゴードン(ts)、ソニー・グレイ(tp, Sonny Crey)、ジョルジュ・アルヴァニタス(p, Georges Arvanitas)、ジャッキー・サムソン(b, Jacki Samson)、シャルル・ソードレイス(ds, Charles Saudrais)。ソニー・グレイは、ジャマイカ出身でパリで活動したトランペッター。パリのEcole Normale Superieure(高等師範学校)で行われたライブを収録したもの。

曲目は次のとおり。

1  Caloon Blues (Sonny Crey)
2  Fried Bananas (Dexter Gordon)
3  No Matter How (George Arvanitas)
4  Dexter Leaps out (Dexter Gordon)
デクスター・ゴードン作が2曲、ソニー・グレイとジョルジョ・アルヴァニタス作曲が1曲づつの4曲。レコードでは参加メンバーの4曲だけですが、3曲が追加されたCDが出ています。
 
デクスター・ゴードン(ts)は、演奏スタイルを変えていないので、どの時代のアルバムも僕には好ましく、ヨーロッパ録音のものも結構持っています。後乗りのおおらかなフレーズ、倍音成分をたっぷり含んでいると思ってしまうようなテナーサックスのサウンドが魅力です。このジャムセッションを記録したレコードも楽しく、特に、「On A Slow Boat to China」の一節を引用している「Fried Bananas」や、なんとも調子の良いテーマの「Dexter Laeps Out」が楽しい。特筆すべきは、ジョルジュ・アルヴァニタス(p)の快演。 
 
   

ジャケットの裏面には、参加メンバーの顔写真が掲載されています。
 
   

レコードのラベル。

(参考)本作から「No Matter How」が聴けます。

 
 
(安曇野市宅で聴いているところ)
 

飾ってあるレコードは、デクスター・ゴードンのリーダー作で、右から「Our Man In Paris」(Blue Note リバティ盤)、本作「Parisina Concert」、「CLUBHOUSE」(Blue Note キング盤)。
 
 
【THE 定食屋】

住所:長野県松本市桐3-1-19 プラザ信大南 2F
電話:0263-87-3890
ホームページ:THE定食屋 - 北松本/食堂/ネット予約可 | 食べログ (tabelog.com)

入口。「いも煮」という幟がありますが、店主は福島県出身の方のようです。お店は、二階になります。

店内。まだ早い時間なので、広々としています。

定食のメニュー。いろいろあります。

当店名物の「夜定」を注文。ジャンボチキンカツか、豚の生姜焼きが選択できます。生姜焼きにしました。

豚の生姜焼き。お肉の量が半端ではありませんでした。

モツ煮。柔らかく煮込んであります。お酒のおつまみにも良さそうです。

ごはんは軽めにしてもらいました。

味噌汁ですが、芋が入っていて芋煮です。

漬物、小鉢。

お店の入口は廊下を進んだところです。出てきたところですが、反対を振り返って撮影。

宴会プランがすごかった。学生さんは3000円、一般でも3500円。飲み放題2hのようです。信じられない。

様々なPRチラシが貼ってありました。これは信大「レトロ音楽倶楽部」の勧誘です。20世紀の曲を演奏するサークルだそうですが、20世紀も既にレトロに位置づけられていて、個人的には衝撃的でした(笑)。

キッセイ文化ホールから歩いてこれます。北に向かって撮っていますが、美須々の信号の脇にある建物の二階です。写真では、左の上になります。