安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」 (12月25日 軽井沢大賀ホール)

2016-12-29 20:41:14 | 演奏会・ライブ

2016年12月25日に軽井沢大賀ホールで、ヘンデルの「メサイア」の公演があったので聴きにいってきました。演奏は、鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンです。この曲は、一度だけアマチュア・オーケストラの公演を聴いたことがありますが、今回は極めつけのプロだけに楽しみに出かけました。

   

鈴木雅明(指揮)
ソプラノ:レイチェル・ニコルズ
アルト(カウンターテナー):クリント・ファン・デア・リンデ
テノール:ニコラス・パン
バス:加耒徹
バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)

G.F.ヘンデル:オラトリオ「メサイア」全曲 [ソリスト4人の稿(1753年版)に基づく]
(アンコール)
鈴木優人編曲:まきびとひつじを

「メサイア」は、最初のシンフォニーから躍動的で、次々と展開する音楽が、テンポが早かったり遅かったり、穏やかであったり、ドラマティックであったりと、変化に富んでいますが、今日の演奏は、それを描き出して素晴らしかったと思います。また、宗教曲やバロック時代の音楽は、コンサートでは全くといっていいほど聴いたことがないので、そういう点でも本当に新鮮でした。

ハイライトは、2部のハレルヤコーラスとそれに向かって進んでいくところでしたが、1部の終わりの部分も合奏と合唱が一体になっていて、印象深いものでした。独唱の4人はそれぞれよかったのですが、ことにソプラノのレイチェル・ニコルズの清浄な歌声に感銘を受けました。

2016年(平成28年)は、この記事が最終となります。今年一年間、拙ブログをご覧いただきありがとうございました。来年は1月1日から記事をアップする予定なので、ご覧いただければ幸いです。皆様、よいお年を by azumino。

【バッハ・コレギウム・ジャパン】

ホームページ:bach Collegium Japan

【軽井沢大賀ホール】

ホームページ:ohgahall

  

駅から歩いてすぐです。今日は小浅間山へ登ったこともあり、車で行きました。大賀ホール向かいの町営駐車場に車を停めました。

  

大賀ホールは、矢ケ崎公園の敷地内にあります。池の対岸からの大賀ホール。

  

ホールの内部です。休憩時間中です。

  

矢ケ崎公園から望む浅間山。

  

矢ケ崎公園からのプリンススキー場。


アーティー・ショウ I CAN'T GET STARTED 

2016-12-28 20:36:16 | その他木管楽器

先日の3連休の前半は、読書や年賀状作成などで落ち着いて過ごし、粟村政明著「ジャズ・レコード・ブック」( 東亜音楽社)も久しぶりに読んでみました。あちこちに線などが引っ張ってあって、学生時代から社会人になってもしばらくは熱心に読んだことを想い出しました。同著の中で、『アーティー・ショウがスローで吹く甘いクラリネットは、テンポの遅いものを苦手としていたベニー・グッドマンを遥かに凌いでいた』という記述が目にとまりました。今夜はアーティー・ショウを。

ARTIE SHAW (アーティー・ショウ)
I CAN'T GET STARTED (Verve 1953年録音)

    

アーティー・ショウ(1910~2004年、cl)は、スイング時代のクラリネット奏者、バンドリーダーとして有名ですが、1940年代が全盛期なので、現代のジャズファンの関心を惹くことはほとんどないかもしれません。彼には1950年代にも録音があり、このアルバムは、ショウの意外とモダンな演奏に加え、サイドメンに人を得て、面白く聴くことができます。

メンバーは、アーティ・ショウ(cl)、ハンク・ジョーンズ(p)、タル・ファーロウ(g)、トミー・ポッター(b)、アーヴィン・クルーガ―(ds)、ジョー・ローランド(vib)。ハンク・ジョーンズとタル・ファーロウが加わっているのが注目されますが、ジョー・ローランド(vib)のソロもスイングしていて、バラードは別にして、ジャムセッション的な演奏もあります。

曲は、アーティー・ショウのオリジナルとスタンダードです。ショウの自作が、「The Grabtown Grapple」、「Lugubrious」、「Lyric」、「Sunny Side Up」、「When The Quail Come Back to San Quentin」の5曲に、スタンダードが「I've Got A Crush on You」、「Tenderly」、「I Can't Get Started」、「Imagination」で、全8曲。僕としては、まずスタンダード曲に興味をそそられます。

玉手箱的な楽しいアルバム。とりわけ、「The Grabtown Grapple」では、次々と出てくるソロが快調なことに加えて、ジョー・ローランド(vib)のソロのバックでは、「チュニジアの夜」がリフで流れる仕掛けが施され、さらにショウ(cl)は、「べサメ・ムーチョ」や「ジェラシー」を引用していて、思わず微笑んでしまいました。バラードの「Tenderly」は、ジョージ・シアリング・サウンドを聴いているようですが、ショウのクラリネットが甘美。「I Can't Get Started」や「Imagination」でもショウ、ファーロウ(g)、ジョーンズ(p)らの見事なバラードプレイが聴けます。

【粟村政明著「ジャズ・レコード・ブック」(東亜音楽社)】

   

初版は1968年の発行ですが、僕の持っているのは、1974年に発行された第5刷です。1973年に改訂されミュージシャンも追加されていて、全190人を取り上げています。

  

目次を見てみると、登場するミュージシャンの守備範囲が広くて驚きます。ヘンリー・レッド・アレン、シドニー・べシェ、チュー・ベリー、バーニー・ビガードといったスイング時代以前の人にもきちんとページを割いています。

  

目次の続きの一部ですが、ジミー・ブラントン、ローレンス・ブラウン、ハリー・カーネイとエリントン楽団所縁の人が取り上げられています。


トレマーニ (イタリアン 長野県松本市)

2016-12-27 20:47:53 | グルメ

先日、松本駅前のイタリアンレストランのトレマーニで食事をしました。前に一度入ったことがあり、その時、なかなかいいと思ったのですが、今回の料理も期待にそうものでした。地下1階にあるお店はそう広くありませんが、10人程度が一緒に会食できる席が作ってあって、そこも満席になり、繁盛しているようでした。

コース料理のスパゲッティは種類を選べるので、スカンピ(手長エビ)のトマトソーススパゲッティにしましたが、エビの味が濃厚に出ていて、かなり美味しかったです。店内の雰囲気や接客も悪くなく、ランチだとリーズナブルですし、また機会があれば寄ってみたいお店です。

   

 入口。

  

地下へは階段です。

  

4人掛けのテーブル席。

  

10人ほどの団体用にセットされていました。あとから埋まりました。

  

壁にかけてあった絵。内装や照明など、落ち着いた雰囲気です。

  

かぼちゃのスープ。

  

前菜の盛り合わせ。

  

パン。

  

スカンピのとトマトソーススパゲッティ。

  

それほど量が多くなくてちょうどよかったです。

  

生ビールを飲んでいましたが、僕は弱いので、グレープフルーツジュースをもらいました。

  

魚料理。アマダイだと説明があったようです。

  

牛フィレ肉のステーキ。小さく切ってあって、これもいけました。

  

デザートのティラミスと珈琲。それぞれの料理は、手際よく出てきました。御馳走さまでした。

  

テーブルには装飾で、このランプが置かれていました。

  

これも飾りでしょうか、いろいろなお酒も飾ってありました。

【Ristorante Tremani (トレマーニ)】

住所:長野県松本市深志1-2-5 上條医院ビル B1
電話: 0263-33-6021
ホームページ:Tremani


佐藤達哉カルテットライブ (12月21日 東京新宿J)

2016-12-26 20:50:56 | 演奏会・ライブ

東京のジャズクラブのライブの開始は遅いところが多く、午後10時8分発の北陸新幹線最終に乗車するには、1セットくらいしか聴けないので、日帰りの場合は聴きにいくのを見送ってきました。今回調べたら、新宿の「J」が午後7時15分(来年1月からは午後7時)からなので、試しに寄ってみることにしました。出演は佐藤達哉カルテットでした。 

(お店のホームページから)

     

佐藤達哉(sax)カルテット
川上さとみ(piano)落合康介(bass)吉良創太(drums)
[開始時間:19:15〜 20:45〜 22:15〜]
[テーブルチャージ:¥500 ミュージックチャージ¥2,000]
「J」店主、バードマン幸田の後輩でもある早稲田大学モダンジャズ研究会出身の佐藤達哉(ts,ss,comp)カルテットの登場です。メンバーは川上さとみ(piano)落合康介(bass)吉良創太(drums)。
 
(演奏曲目)
 
第1セット
Like Someone in Love (ジミー・ヴァン・ヒューゼン)
Fried Bananas (デクスター・ゴードン)
The Christmas Song (メル・トーメ)
Cubano Chant (レイ・ブライアント) 
Tenor Madness (ソニー・ロリンズ)
 
第2セット
Triste (アントニオ・C・ジョビン)
Up Jumped Spring~On Green Dolphin Street  (フレディ・ハバード、ブロニアス・ケイパー)
Happy Burthday To You (誕生日のお客様用に演奏したもの) 
 
第2セットの途中、午後9時30分にお店を出て東京メトロ新宿御苑駅に向かいました。
  
 
最初の「Like Someon In Love」では、テナーサックスの音がかすれて、フレーズもブツ切れ気味で、どうしたのかと思ったのですが、2曲目の「Fried Bananas」の途中で、リードを取り替えてからは、次第に佐藤達哉の調子も出始め、「Cubano Chant」や「Tenor Madness」では実力を発揮しているように感じました。彼は、マイケル・ブレッカー路線なので、高度な技を盛り込んでいるようでした。
 
「Tenor Madness」では、ケン・サイモン(ts)が加わり、バトルを繰り広げていました。第2セットは、ボッサの「Triste」で始まりましたが、いずれの曲も熱演型のサックスに、煽り立てるドラムスで、僕には若干きついライブでした。川上さとみのピアノは、「The Chiristomas Song」のイントロの抒情がよく、音色の美しさもあって、彼女がリーダーとなったライブを聴いてみたいと思いました。
   
 
年齢のせいもあり、すぐ近くで聴くハードなジャズは、演奏がよくても仕事帰りだと疲れます。休日はともかく、平日のジャズクラブでは、ヴォーカルやピアノトリオを聴く方がいいかもしれないと考えながら、帰りの新幹線に乗り込みました。Jでは、来年1月からライブの開始が午後7時になるので、出演者によってはまた寄ってみるつもりです。
  

【JazzSpot J】
 
住所:東京都新宿区新宿5-1-1 ロイヤルマンションB1
電話:03-3354-0335
ホームページ:jazzspot-j

ジミー・レイニー LIVE IN TOKYO

2016-12-25 10:21:40 | ギター

来年用のカレンダーをいくつかいただきました。その中で、長野県のローカル放送局である信越放送のカレンダーは、3か月分が一目でみることのできる工夫されたものです。また、演奏会の写真を使ったセイジ・オザワ・マツモト・フェスティバル(旧サイトウ・キネン・フェステバル)のものは、かなり豪華です。来年も、演奏会・ライブへ出かけられればいいなと思いながら、「Live in Tokyo」を聴いてみました。

JIMMY RANEY (ジミー・レイニー)
LIVE IN TOKYO (XANADU 1976年録音)

   

1976年4月に、ザナドゥ・レーベルのアーティストが来日してツァーを行いましたが、その中の、ジミー・レイニー・トリオの公演を録音したものです。ジミー・レイニー(g)には、多くのアルバムがあり聴き切れませんが、概して楽しめるものが多く、息子のダグ・レイニーともどもお気に入りのギタリストです。「Momentum」と「Two Jims and Zoot」は過去に記事にしました。

メンバーは、ジミー・レイニー(g)、サム・ジョーンズ(b)、リロイ・ウィリアムス(ds)。当時は来日ジャズミュージシャンが大勢いて、東京ばかりでなく地方公演も組まれたので、僕のような地方のファンにもありがたい時代でした。この公演は行けていませんが、ジミー・レイニーとサム・ジョーンズがトリオのフォーマットで聴けるとは、夢のようです。

曲は、スタンダードです。「How About You」、「Darn That Dream」、「Anthropology」、「Watch What Happens」、「Autumn Leaves」(枯葉)、「Stella by Starlight 」(星影のステラ)、「Here's That Raney Day」、「Cherokee」の8曲。「Anthropology」と「Cherokee」の2曲はジャズオリジナル。なお、「Stella by Starlight」だけは、ギターソロによる演奏です。

スイングしてグルーヴィーでありながら、上品なギター・トリオの演奏が楽しめます。「Anthropology」では、ジミー・レイニー(g)とリロイ・ウィリアムス(ds)とのやりとりなど三者一体となったダイナミックなプレイが素晴らしい。ボサノヴァのリズムに乗ったジミー・レイニー(g)のプレイがかっこいい「Watch What Happens」は、おしゃれといいたくなるような演奏で、「Here's That Raney Day」におけるジョーンズ(b)のソロ、「Cherokee」における切れの良いレイニーのプレイと、繰り返して聴きたくなるトラックばかりです。

【SBC信越放送2017年カレンダー】

     

3か月分をすぐ見ることができ、アイデア賞ものです。

【SEIJI OZAWA MATUMOTO FESTIVAL 2017年カレンダー】

  

表紙。

  

上に写真がくるように開いて使います。カレンダーとしても使えますが、写真が優れているので、それだけでも面白いです。写真は、2015年の公演のものを使っています。

  

ベルリオーズのオペラ『ベアトリスとベネディクト』の一場面。

  

小澤征爾(指揮)

  

ファビオ・ルイージ(指揮)