信濃毎日新聞社(長野県下で48万部発行)に用事があって、3年前に新築された本社事務室内に初めて入りました。ある記者との四方山話で、地方の景気がいま一つで、県内でも特に長野市から北の方はいま一つとのことです。景気が良くなる願いを込めて「On The Sunny Side of The Street」を聴いてみます。
HELEN FORREST (ヘレン・フォレスト)
ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET (AUDIOPHILE 1949,50年録音)
「明るい表通りで」と訳されるこの曲は、1930年の不況時代に作られたもので、コーラスのはじめから明るい調子で、不景気を吹き飛ばそうというのでしょう。「心配事はドアの内側に置き去りにして表通りに出ていきなよ」といった内容です。聴くたびに歌詞「this rover crossed over」の巧みさに感心しています。
作曲ジミー・マクヒュー、作詞ドロシー・フィールズのコンビが放ったヒット曲です。このコンビの作品は、「I Can't Give You Anything but Love」(捧ぐるは愛のみ)、「I'm in the Mood for Love」(恋の気分で)が特に有名で、ロマンチックな曲想のものが多いように思います。
歌、演奏とも数あるうちヘレン・フォレストにしてみました。ヘレンは、アーティー・ショー楽団(1938年~39年11月)、ベニー・グッドマン楽団(39年11月~41年8月)、ハリー・ジェイムス楽団(41年8月~43年)に在籍したビッグ・バンド時代の代表的女性歌手です。40年代以降は、中断もありあますが、ソロ活動を続けました。
表現の幅が広く、声量、リズム感ともに優れています。もともとはトランスクリプションだったこの作品では、Carmen DragonあるいはRay Bloch楽団の伴奏により1930年代に作られた歌を中心として20曲がきけます。今となってはスタンダードとなっているものがほとんどです。
このアルバム中、私が最も気に入っているのは、「I Keep Telling My Heart」です。1950年に作られてるので録音したときの最新曲です。無名な歌で、どこかにありそうなメロディですが、いいバラードです。表題曲の他に「Dancing on The Ceiling」、「My Reverie」、「That's My Desire」などを歌っています。