安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ウォーン・マーシュ JAZZ OF TWO CITIES

2013-07-31 18:32:06 | テナー・サックス

前回の続きになりますが、下條村内にある「鎮西大滝公園」も訪れてみました。沢川上流にある「大滝」周辺を地元住民の方が整備し小さな公園としたものです。滝の周辺には、タマアジサイ(玉紫陽花)が自生し、開花しようとしているところでした。秋の紅葉など四季折々の美しい自然が楽しめますし、その下流方向には親水公園やオートキャンプ場があるので、家族連れで来てもよいです。トリスターノ一派の作品。

WARNE MARSH (ウォーン・マーシュ)
JAZZ OF TWO CITIES (Imperial 1956年録音)

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レニー・トリスターノ一派には、リー・コニッツ、ウォーン・マーシュ、テッド・ブラウンなど優れたなミュージシャンが含まれています。彼らの音楽は、日本ではあまり親しまれたことがなかったように思いますが、残されたアルバムには、よいものがあるので、少しずつ集めてきました。この作品は、LP時代には入手困難で、なかなか聴けなかった一枚です。

メンバーは、ウォーン・マーシュ(ts)、テッド・ブラウン(ts)、ロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、ジェフ・モートン(ds)。ウォーン・マーシュの初リーダーアルバムにあたりますが、ベン・タッカーを除く4人はレニー・トリスターノの弟子で、演奏に一体感があります。ロニー・ボール(p)のプレイを聴けるのも嬉しいところです。

曲は、メンバーの作品とスタンダードからなります。テッド・ブラウン作の「Smog Eyes」と「Jazz of Two Cities」、ロニー・ボール作の「Ear Conditioning」と「Quintessence」、ウォーン・マーシュ作「Dixie's Dilemma」、スタンダードの「Lover Man」、「I Never Knew」、そしてチャイコフスキーの「Tchaikovski's Opus #42, Mt.3」(なつかしい土地の思い出)で、全8曲です。

クールできわめてテンションの高い演奏が収録されています。マーシュとブラウンによる2テナーのスピード感溢れるテーマや、対位法的なからみなど、彼らのプレイはいま聴いても新鮮です。冒頭から飛ばす「Smog Eyes」やレスター・ヤングのフレーズ(keynote盤収録)を使っている「I Never Knew」、寛いだ「Quintessence」などと快演が聴けます。ベースとドラムスは、ほぼリズムをキープしているだけですが、ロニー・ボール(p)は、「Jazz of Two Cities」における迫力あるソロなど活躍しています。

【鎮西大滝公園】

所在地:長野県下伊那郡下條村陽皐南(下條村ひさわみなみ)地区の沢川上流です。

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        落差は12mだそうです。

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        水辺に相応しく玉紫陽花が自生しています。

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ドナルド・バード SLOW DRAG

2013-07-28 11:58:18 | トランペット・トロンボーン

先日、下條村(長野県下伊那郡)に出かけた際、極楽峠パノラマパークという標高994メートルの景色のいい場所があると聞いたので、足を伸ばしてみました。極楽峠は、下條村から阿智村浪合に通じている林道にある峠ですが、少し離れたところにパノラマパークが整備されていて、南アルプス、中央アルプスなどを一望することができます。当日は、曇りで霞みがかかっていてはっきりとは見えませんでしたが、想像を超える180度の絶景に感激しました。悦楽的な曲も収録されたアルバム。

DONALD BYRD (ドナルド・バード)
SLOW DRAG (BLUE NOTE 1967年録音)

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このCDを買った時は、タイトルを一目見て、「Slow Drug」だと勘違いして、遅いききめの薬とは麻薬のことだろうと思い込んでいました。しかし、今回よく見ると、「Drug」ではなくて「Drag」でした。Dragが何かは、英文ライナーには書いてありませんが、調べてみると、どうやらラグタイムの踊りのことのようです。Slowがついているので、テンポの遅いダンスというような意味でしょうか。

ドナルド・バード(tp)には、ブルーノートに快作がいくつもあり、「Fuego」など有名な作品もあります。後年は、いわゆるフュージョンの方向にいきまますが、この67年のものは、過渡的ながらハードバップの香りがあります。メンバーは、バード(tp)、ソニー・レッド(as)、シダー・ウォルトン(p)、ウォルター・ブッカー(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。

オリジナル曲が多いですが、それぞれ曲想がよいです。ドナルド・バード作「Slow Drag」、シダー・ウォルトンとウォルター・ブッカー共作の「Book's Bossa」、ソニー・レッド作「Jelly Roll」、シダー・ウォルトンとロニー・マシューズ共作の「The Loner」、そしてスタンダードの「Secret Love」と「My Ideal」で、全6曲。「Slow Drag」は、ファンクに近い感じですが、なんとビリー・ヒギンズ(ds)が曲中でちょっと歌っています。

バード(tp)は相変わらず美しい音色で、軽快に吹いています。また、シダー・ウォルトン(p)のプレイはフレッシュで、クールで落ち着いた感じを与えています。「Book's Bossa」は、早いテンポのボサノヴァで、ジャズボッサ曲としてもっと知られていいのではないでしょうか。シダー作「The Loner」は、モーダルな響きと哀愁味のあるテーマを持った曲で、バード(tp)やシダー(p)のソロもブルージーでかっこよく、最も印象に残ります。2曲のスタンダードにおけるバードも悪くありません。

【極楽峠パノラマパークからの眺望】

雲がかかっていて、霞んではいますが、遠くには南アルプス、中央アルプスが見えています。季節を選び、午前中の早い時間ならばもっとくっきりと見えると思います。写真が全くうまく撮れていませんが、絶景でした。下條村のご紹介 下條村ホームページ

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ジェシー・べルヴィン MR. EASY

2013-07-24 22:07:58 | ヴォーカル(S~Z他)

名古屋に出かけた帰りに少しだけ時間があったので、栄のバナナレコード・ジャズ・シンジケートに寄りました。ヴォーカルものを買うつもりだったのですが、LP、CDともめぼしいものがなく期待外れでした。気を取り直して、近くのHMVに行ってCDを物色して少ない品揃えの中からインスト2枚を購入しました。同店では、マイケル・ブーブレ(vo)のアルバムを陳列してプッシュしていたのが目にとまりました。帰宅後、男性歌手を聴きましたが、その中の一枚です。

JESSE BELVIN (ジェシー・べルヴィン)
MR. EASY (RCA 1959年録音)

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ジェシー・べルヴィン(vo)は、1933年生まれですが、このLPを録音した後、1960年2月に自動車事故で若くして亡くなってしまいました。声の質や、こぶしを効かせているところなど、サム・クックに似ているところがあります。どちらかというと、ソウル、R&B寄りですが、このアルバムは、マーティー・ぺイチの編曲を得て、よくスイングし端正なところもあります。

インストの好きなジャズファンにも知られている作品で、その理由は、伴奏にアート・ペッパー(as,cl)が参加し、ソロもいくつかとっているからでしょう。伴奏は、西海岸のスターによる編成のビッグバンドやそこに弦楽器などが加わったもので、3回に分けて録音されています。

曲はスタンダードが主です。「It's All Right With Me」(私はご満足)、「Something Happens To Me」、「What's New」、「In The Still of The Night」(夜の静けさに)、「Blues In The Night」(夜のブルース)、「Let There Be Love」、「Imagination」、「The Best is Yet To Come」、「Makin' Whoopee」、「Angel Eyes」、「I'll Buy You A Star」、「The Very Thought of You」(君を想いて)の12曲。比較的珍しいのは、「Something Happens To Me」と「I'll Buy You A Star」でしょうか。

べルヴィンは、少しハスキーながら滑らかな声と丁寧なフレージングでスタンダードを歌っています。早いテンポではペッパーのソロも入る「It's All Right With Me」、ミディアムテンポで、ぺイチ編曲によるサウンドも心地よい「Something Happens To Me」、遅いものでは、ペッパーのクラリネットソロが入る「Blues In The NIght」、ナット・キング・コールに並ぶような歌いぶりの「The Very Thought Of You」がよく、たまに聴くアルバムです。

【名古屋市栄のレコード店など】

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バナナレコード・ジャズ・シンジケート

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                    名古屋栄HMV入り口

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             ついでに、栄地下クリスタル広場

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リロイ・ヴィネガー LEROY WALKS!

2013-07-21 20:57:24 | ベース・ドラムス

職場の同僚が、自宅で咲いたのでと言って、紫陽花をもってきてくれました。さっそく、花瓶に生けてもらって飾りました。すがすがしくて美しい色合いで、部屋が賑やかになりました。紫陽花といえば、泰阜村(長野県下伊那郡)では、「あじさいウォーキング大会」を7月21日(土)に開催しています。6kmの距離を、稲伏戸あじさい園に寄るなどあじさいを鑑賞しながら歩くものです。僕は参加したかったのですが、日程の都合がつかず参加できませんでした。Walk関連の曲ばかり演奏しています。

LEROY VINNEGAR (リロイ・ヴィネガー)
LEROY WALKS! (CONTEMPORARY 1957年録音)

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リロイ・ヴィネガー(1928~99年)は、ウエスト・コースト・ジャズを代表するべーシストで、いわゆるウォーキングベースの名手として知られています。彼がリズムにクレジットされている場合は、基本的にスイングするフォービートジャズが演奏されていると思ってまず間違いありません。西海岸に行く前は、シカゴでプレイをしており、いろいろな人とセッションを重ねています。

メンバーは、リロイ・ヴィネガー(b)、ジェラルド・ウィルソン(tp)、テディ・エドワーズ(ts)、ヴィクター・フェルドマン(vib)、カール・パーキンス(p)、トニー・バズレイ(ds)。編成はいろいろで、管楽器抜きの演奏もあります。ジェラルド・ウィルソンは、ビッグバンドのリーダーとしての活動が有名で、トランペッターとして参加しているのは珍しいです。ヴィネガーの初リーダー作に当たります。

曲は、ウォーク、歩くことに関連したものばかりです。ヴィネガーの自作「Walk On」、ハリー・ウォーレン作「Would You Like To Take A Walk」、スタンダード「On The Sunny Side of The Street」(明るい表通りで)、スタンダード化した「Walkin'」、フレッド・E・アラート作のスタンダード「Walkin' My Baby Back Home」、ジュール・スタイン作「I'll Walk Alone」、女性歌手のウナ・メイ・カーライル作「Walkin' By The River」の全7曲。よくこれだけ歩くことに関連した曲を見つけてきたものだと感心しました。

定評のある作品ですが、よく伸びるベースが下支えになったスインギーな演奏が楽しめます。ヴィネガーのソロは、多くはないものの、ウォーキング・ベースの延長で随所で聴くことができます。テディ・エドワーズのブルージーなテナーやカール・パーキンス(p)のはじけるプレイも注目されます。ヴィネガー自作の「Walk On」、楽しくてグルーヴィーな「On The Sunny Side Of The Street」 や「Walkin' My Baby Back Home」がハイライトでしょうか。「Walk On」のスタートで、ヴィネガーの黒っぽいベース音が鳴リ出すと、それだけでジャジーさを感じます。

【紫陽花】

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ピム・ヤコブス JUST FRIENDS

2013-07-17 20:57:26 | ピアノ

ディスク・ユニオンから発行されている雑誌「Jazz Perspective vol.6」を買いました。特集は、オランダのジャズでしたが、オランダは、スピードスケート競技やチューリップなど花卉栽培が盛んなので、長野県に住む僕には親近感があります。ジャズの方では、タイムレスやクリス・クロスといったカタログが豊富なレコード会社があり、ミュージシャンも多そうでジャズが盛んな国というイメージを持っています。パラパラと読みながら、オランダのピアニストを聴きました。

PIM JACOBS (ピム・ヤコブス)
JUST FRIENDS (Dureco 1990年録音)

  Justfriendspimjacobs

「Jazz Perspective」の内容は、「オランダ黄金期のジャズ」、「オランダ、ジャズ巡り」、「石塚貴夫が語るアン・バートン」、「オランダを知るための20枚」(その1と2で40枚を紹介)といった内容でした。抜群に興味深かったのが、「石塚貴夫が語るアン・バートン」でした。ピム・ヤコブスのこのアルバムは、「オランダを知るための20枚」にも掲載されていました。

メンバーは、ルード・ブリンク(ts)、ピム・ヤコブス(p)、ルード・ヤコブス(b)、ウィム・オーバーハウ(g)。ピム・ヤコブスの作品でよく知られているのは、ドラムス入りのピアノ・トリオの「Come Fly With Me」ですが、ドラムレスのギター入りのトリオでも50年代半ば~60年代は活動していたようです。したがって、1990年録音のこのアルバムは、彼らの再会セッションになります。

曲は、全てスタンダードです。「Just Friends」、「My Romance」、「Polka Dots and Moonbeams」、「Our Love is Here to Stay」、「The Touch of Your Lips」、「Easy Living」、「Taking A Chance of Love」、「East of The Sun」、「The Man I Love」、「Alone Together」、「Too Marvellous」、「Moonlight in Vermont」の12曲。ルード・ブリンク(ts)がテーマをきちんと吹いていてくれるので、有名メロディを楽しんだり記憶することもできます。

ピム・ヤコブス(p)のプレイは、モダンスイングといったイメージです。ルード・ブリンク(ts)は、レスターヤング系のテナーで、スタン・ゲッツやビル・パーキンスを想いおこさせます。4人によるゆったりとした寛いだセッションで、リラックスしたい時に相応しい作品です。「Just Friends」、「My Romance」、「Moonlight in Vermont」あたりが印象に残りますが、好きな曲から聴き始めるのもよさそうです。

【JAZZ PERSPECTIVE vol.6】

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