安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョン・ライト NICE 'N' TASTY

2013-08-28 18:39:08 | ピアノ

この8月は、長野県の南北を頻繁に往来していましたが、18日(日)に、長野市から飯田市に向かう際に、高速道の事故渋滞があったので迂回し、東筑摩郡麻績村の聖峠を越えました。聖湖の湖畔で休憩をとりましたが、へら鮒釣りでしょうか、釣り人がのんびりと糸を垂れているところに遭遇しました。僕は、魚釣りはやりませんが、湖畔で過ごす一日はいいだろうなと羨ましくなりながら、聖湖を後にしました。余裕のあるプレイぶりのピアノ・トリオ。

JOHN WRIGHT (ジョン・ライト)
NICE 'N' TASTY (PRESTIGE 1960年録音)

  Nicentastyjohnwight

ジョン・ライトは右手のシングルトーンと、ブロックコードが心地よいブルースフィーリングに溢れたピアニストです。レッド・ガーランドを連想させるプレイですが、シカゴ出身で同地で活躍しただけあって、ブルースやゴスペルの色彩が強く感じられます。プレスティッジ・レーベルに5枚のリーダー作を残していますが、これは、その中の1枚です。

メンバーは、ジョン・ライト(p)、ウェンデル・マーシャル(b)、J.C.ハード(ds)。ライト以外の二人も地味な名前ですが、スイング系統からモダンまで多くの録音に参加しています。ピアノが主役で、あとの二人はほぼ伴奏に徹していて、ベースやドラムスの出番も多い最近のピアノトリオ作品と異なり、ピアニストに焦点が絞られています。 

曲は、スタンダードと本人の自作中心で、キャンノンボール・アダレイ作「Things Are Getting Better」、スタンダードの「The Very Thought of You」、「Witchcraft」、「Darn That Dream」、あとはライトの自作で、「Pie Face」、「You Do It」、「The Wright Way」、「Yes I Know」の全8曲。

小さなジャズクラブで、深夜にお酒とともに聴いてみたいような、親密で、リラックスできる演奏です。「Things Are Getting Better」は、ミディアムテンポで、ゆったりとスイングしていますし、「The Very Thought of You」は、思いきったスローテンポで、高音も使いながら音数の少ないソロをとります。ジョン・ライト(p)の自作では、ゴスペルからの影響をうかがわせる、「Pie Face」や「The Wright Way」が面白く、ためを効かせたブルージーなプレイを堪能しました。

【2013年夏の聖湖】

聖湖所在地:長野県東筑摩郡麻績村聖

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フィリー・ジョー・ジョーンズ TOGETHER!

2013-08-25 19:13:53 | ベース・ドラムス

かつて、あるスーパーに出向し、店舗で働いていたことがありますが、薬のコーナーにあると思っていた養命酒がお酒のコーナーで売られていたのが意外でした。先日、駒ヶ根市でこの養命酒を作っている工場を見学してきました。敷地内の森では、吹きわたる風が涼しく、小川には鮮烈な水が流れていて素晴らしい環境が残されていることに感心しました。意外に素晴らしかったアルバム。

PHILLY JOE JONES (フィリー・ジョー・ジョーンズ)
TOGETHER! (ATLANTIC 1961年録音)

  Togetherphillyjoejonescd_2

フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)のリーダー作としましたが、正確には、フィリーとエルヴィン・ジョーンズ(ds)の二人の名義です。ドラマー二人が主役のものとしては、マックス・ローチとバディ・リッチのエマーシー録音を持っていました。しかし、二人のジョーンズでは、うるさいと思いLPは持っていたものの敬遠していました。最近メンバーを見て改めて聴いてみたのですが、特にサイドメンのプレイによってお気に入りの一枚となりました。

メンバーは、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、ハンク・モブレイ(ts)、ブルー・ミッチェル(tp)、カーティス・フラー(tb)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)。当時、それぞれ有名バンドに属していましたが、いずれもハード・バップ・ファンならよく知っている名前で、本作のリーダー抜きでも聴いてみたい顔ぶれです。

デイヴ・ベイカーという人の書いた「Le Roi」、フィリー・ジョー・ジョーンズの自作「Beau-ty」、ピアニストのウォルター・デイヴィス作「Brown Sugar」の3曲が収録されています。それぞれの曲では、ドラム・バトルもありますが、驚くほどの音量ではないので、家庭でも充分楽しめると思います。右側にフィリー・ジョー・ジョーンズが、左側にエルヴィン・ジョーンズが位置しているので、両者のソロは聴き分けられます。

モブレイ、ケリー、フラー、ミッチェルの乗り乗りのソロが聴けます。そこだけとれば、ブルーノートやリバーサイド・レーベルのアルバムと勘違いしそうです。「Le Roi」では、モブレイ(ts)、ケリー(p)と素晴らしいソロが続き、管楽器のリフをバックにしたケリーのソロにはぞくぞくしました。「Beau-ty」は、フィリーの曲だけあって、ラテン・リズムで、彼のドラムスが活躍します。「Brown Sugar」では、フラー(tb)やミッチェル(tp)も快調。フィリーとエルヴィンは、長いソロもとりますが、両者の個性がはっきり出ていて、退屈しません。

【養命酒製造株式会社駒ヶ根工場】

所在地:長野県駒ケ根市赤穂16410

工場見学に訪れる人は多く、売店や喫茶店も賑わっていました。敷地内をカメラを担いで撮影されている方もいました。

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                 工場見学受付

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                  敷地内歩道  

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              敷地内を流れる小川

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マリリン・ムーア MOODY

2013-08-21 21:46:46 | ヴォーカル(L~R)

栽培が難しいといわれる、ジャパニーズ・プラム(スモモ)の貴陽をいただきました。貴陽は、世界で最も大きいスモモとして人気があるそうです。糖度は16~18度あり、甘味が多く、少し酸味もあってジューシーで、まだまだ暑いこの時期に相応しい頗る美味しい果物でした。甘さだけではないヴォーカル。

MARILYN MOORE (マリリン・ムーア)
MOODY (BETHLEHEM 1957年録音)

  Moody 

マリリン・ムーア(vo)の唯一のリーダー作で、ビリー・ホリデイが歌ったものを中心としてとりあげたアルバム。ムーアは、ビリー・ホリデイに傾倒していたので、歌唱もビリーを想い起こさせるものです。僕はビリーは、あまり得意ではないので、このアルバムも買おうかどうか迷ったことがあります。しかし、伴奏陣が一流で、明るい曲調の歌もあり、結果的に手元に置いてあります。

メンバーは、マリリン・ムーア(vo)、ジョー・ワイルダー(tp)、アル・コーン(ts)、バリー・ガルブレイス(g)、ドン・エブニー(p)、ミルト・ヒントン(b)、オシー・ジョンソン(ds)。ジャケットに写っていますが、当時の旦那さんのアル・コーンが全面的に協力していたものと思われます。また、あまり録音の多くない、ジョー・ワイルダーのトランペットを聴けるのも嬉しいところです。

曲は、スタンダード中心です。「I'm Just A Lucky So and So」、「Ill Wind」、「If Love is A Trouble」、「Is You Is Or Is You Ain't My Baby」、「Born to Blow The Blues」、「Lover Come Back to Me」(恋人よ我に帰れ)、「You're Driving Me Crazy」、「Trave'lin' All Alone」、「I Cried For You」(君に泣く)、「Leavin' Town」、「Trouble is A Man」、「I Got Rhythm」の12曲。ジョージ・ラッセル作「Born to Blow The Blues」や、ジョージ・ハンディ作の「If Love is Trouble」と「Leaving' Town」は珍しい。

全体のムードは、ブルーなトーチソングというところでしょうか。若干暗めの歌が多いですが、「If Love is Trouble」や「Leavin' Town」が、ゆったりと静かに歌われていてよく、「Is You Is or Is You Ain't My Baby」や「I Cried For You」はスインギーに歌われ、ワイルダー(tp)やアル・コーン(ts)のソロも聴かれます。声の質や歌い方は、ノスタルジアを感じさせ、ビリー・ホリデイを髣髴とさせますが、ビリーより明るめです。

【貴陽】

長野県下伊那郡松川町産です。果肉は黄色で、ジューシーでちょっと驚きました。

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マル・ウォルドロン LEFT ALONE

2013-08-18 11:00:21 | ピアノ

お盆の8月14日、飯田市のライブハウスCANVASで、鎌倉淳(アルト・サックス)グループの演奏を聴きました。彼は、長野県飯田市の出身で、関東各地のライブハウスなどに出演しています。バップに基づいたオリジナルの他、「It Don't Me A Thing」や「On A Clear Day」などスタンダードも演奏していましたが、マル・ウォルドロン作の「Left Alone」をやってくれたのには驚き、かつ嬉しくなりました。かつてのジャズ喫茶の人気盤「Left Alone」を聴いてみます。

MAL WALDRON (マル・ウォルドロン)
LEFT ALONE (BETHLEHEM 1959年録音)

  Leftalonemalwaldron

マル・ウォルドロン(p)は、プレスティッジレーベルに多数の録音があり、また、「Left Alone」や「All Alone」といった作品により、かつては日本のジャズファンにおなじみでした。仙台には「MAL」という名前のジャズ喫茶があったくらいです。マル・ウォルドロンについては最近はほとんど話題に上らないような気がしますが、このアルバムは、聴き続けられていくに違いない一枚だと思います。

メンバーは、マル・ウォルドロン(p)、ジュリアン・ユール(b)、アル・ドリアーズ(ds)、ジャッキー・マクリーン(as)。マクリーンは、「Left Alone」に参加しているだけですが、彼のプレイによって、このアルバムの価値が高まり、多くのジャズファンが耳を傾けるようになったといってよいでしょう。アルバム全体は、マルが伴奏者を務めていたビリー・ホリデイ(vo)に捧げられています。

曲は、マルが作曲をした3曲、「Left Alone」、「Cat Walk」、「Minor Pulsation」と、ロリンズ作「Airegin」、スタンダードの「You Don't Know What Love Is」の全5曲。そこに、マル・ウォルドロンのインタヴューで「ビリー・ホリデイを偲んで」という1トラックが加わります。マルは、琴線に触れるような孤独、寂しさといった情感を漂わす曲作りをしていて、この「Left Alone」はもちろん、「Cat Walk」も印象的なメロディを持っています。

バラードの「Left Alone」は、マクリーン(as)のほの暗い音色がぴったりとあって、はじめから思いが溢れ出てくるような演奏です。マクリーンは、じっくりとストレートに吹くことに専念していて、曲の魅力をよく引き出しています。マクリーンとマルが、淡々とフレーズを綴っていくところは似ています。他の曲は、ピアノ・トリオで演じられますが、「Cat Walk」は、やはりマルの曲作りのうまさが光り、彼のソロも力のこもったものです。

【鎌倉淳カルテット】

当夜の演奏メンバーは、鎌倉淳(as)、外山安樹子(p)、関口宗之(b)、秋葉正樹(ds)、ゲストとして横前恭子(vo)。ゲストの横前さんを含めて、いいメンバーでした。鎌倉さんの出身地でのライブということもあって、大いに盛り上がりました。今後の活躍に期待します。

鎌倉淳ブログ:サックス鎌倉淳ブログ     

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ビル・エヴァンス AFFINITY

2013-08-14 22:35:09 | ピアノ

駒ヶ根市に用事があったので、光前寺に立ち寄りました。たくさんの参拝客がいましたが、静かなたたずまいは変わりません。参道を歩いていくと、石垣の石の隙間から光ごけを見ることができました。せっかくなので、庭園をはじめて訪れてみました。庭園に入園(500円かかります。)すると、入ることのできる本坊客殿の外縁の床下には光ごけの大きなかたまりがあって、外の光に反射して輝いていました。静かなイメージの作品。

BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
AFFINITY (WARNER BROS. 1978年録音)

  Affinitybillevans

このアルバムの発表当時、LPを買って持っていました。エヴァンスのピアノとシールマンスのハーモニカの組み合わせに興味を惹かれたのですが、ハーモニカの音が刺激的できつくて耐えられず、買ったもののほとんどターンテーブルに乗せたことがありませんでした。これは、ワーナーから発売された1000円盤CDですが、昔の記憶と異なりそれほどきついこともなく、選曲も面白いので、繰り返して聴きました。

メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、トゥーツ・シールマンス(hca)、ラリー・シュナイダー(ts,ss,a-fl)、マーク・ジョンソン(b)、エリオット・ジグムンド(ds)。エヴァンスとシールマンスのサウンドは力強いので、抒情的な曲が多いのですが、そこに緊張感も漂っています。

曲は、バラエティに富んでいます。ポール・サイモン作の「I Do It For Your Love」(君の愛のために)、フィル・マコーウィッツ作「Sno' Peas」、スタンダードの「This is All I Ask」、「The Days of Wine And Roses」(酒とバラの日々)、「Body & Soul」(身も心も)、Gianni Bedonという人の書いた「Jesus' Last Ballad」、ラリー・シュナイダー作「Tomato Kiss」、ミシェル・ルグランの「The Other Side of Midnight」(真夜中の向こう側メインテーマ)で、全8曲。

シールマンスが主役といった感もある、ハーモニカ曲集です。そういう面からいうと、メロディが郷愁を誘ったり、寂寥を感じさせる曲がよく、「I Do It For Your Love」や「The Days of Wine and Roses」が代表的でしょうか。エヴァンス、ジョンソン、ジグムンドというトリオの出番が多い「Blue And Green」(「Blue in Green」と同じ)や「Body and Soul」を聴いていると、このトリオだけによる演奏をもっと聴きたくなります。

【光前寺 「光ごけ」など】
光ごけは外の光に反射して光ります。下記の写真は、フラッシュをたいているので、実際よりも反射して光が強いと思います。肉眼でももちろん光は見えます。

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 本坊客殿の縁の下に光ごけ

     Kouzenjisandou201308
                     
参 道 

          Kouzennjihikarigokeishigaki_2
             
     参道の石垣の光ごけ

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