安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

CAFE884 (カフェ ハヤシ) (長野県松本市)

2015-08-31 22:15:01 | ジャズ喫茶

久しぶりに松本市のジャズ喫茶「Cafe884(カフェハヤシ)」に行ってきました。前に拙ブログの中で話題にしたのは2009年1月なので、時の経つのは早いものです。その時から今回まで寄らなかったわけではありませんが、あらためて「ジャズ喫茶」のカテゴリーに入れるべく記事にしてみました。カフェ884は、松本市の県の森公園の近くに2008年5月にオープンし、7年間以上営業を続けています。

   

cafe884の看板。

   

お店の建物全体。喫茶店にする前は歯科医院で、マスターの林さんは、歯科医師でした。

   

お店の入り口 「884」としっかり刻印されています。

   

玄関にあたるところです。

   

喫茶店全景。カウンターとテーブル。奥はリスニングエリア。外からみているとわからなかったのですが、かなり奥行きのある広い建物です。

   

奥の部屋。天井が高く、ピアノ、ベース、ドラムスが置かれていて、ライブも行われています。ライブは第2と第4土曜日開催のようです。

   

スピーカーに相対する椅子。ここに座りましたが、非常に快適な素晴らしい椅子でした。

   

オーディオ装置。タンノイのウェストミンスターが主スピーカーですが、上にアルテックを乗せて、音も出していました。アンプは、海外製やラックスのキットに加え、マスター自作のものもあるとのことです。

   

(参考)2009年1月の時の装置。アルテックがありませんし、真空管アンプも異なっています。ソニーのCDプレイヤーは現在と同じです。

   

ジャズ関係の雑誌類も置かれています。

   

コーヒー。ブレンドを飲みましたが、すっきりとして飲みやすいものです。

僕が入店した時には、お客様が帰ったあとで、お店は独占状態でした。座り心地のよい椅子に腰をかけて、「ジョニー・ハートマンとジョン・コルトレーン」を聴き、至福の時を過ごしました。上品な音で、押しつけがましくなく、聴き疲れしません。松本市で、昼間からジャズを本格的に聴けるお店はここだけです。長野県にお住まいの方は是非訪れてみてください。

【cafe 884(カフェハヤシ)】  
住所:松本市里山辺西小松4239 (松商学園高校のすぐ東)
電話:0263-35-0407
営業:10:30~19:30 (定休日 日曜・祝祭日)


クリフォード・ブラウン THE BEGINNING AND THE END

2015-08-30 07:34:12 | トランペット・トロンボーン

ニック・カタラーノ著「クリフォード・ブラウン」という本を読んだことは、一昨日付の記事に書きました。ブラウンの演奏に詳細に触れているので、読んでいると、いくつも聴きたいアルバムが出てきて、ここしばらくは彼のリーダー作をあらためて聴いていました。それぞれ素晴らしいものばかりですが、文章を読んでいる中でダントツに聴きたくなったのは「THE BEGINNING AND THE END」です。

CLIFFORD BROWN (クリフォード・ブラウン)
THE BEGINNING AND THE END (Columbia 1952年、1955年録音)

   

ブラウンがはじめて録音した2曲と、交通事故で亡くなる直前に行われたジャム・セッションの録音が収録されているとされたので、このようなタイトルがつけられました。現在では、ジャム・セッションの日付は彼が亡くなる1年ほど前だったことが明らかにされていて、「The End」は正しいとはいえません。しかし、このタイトルで、ジャズファンの脳裏には焼き付いているのではないでしょうか。

メンバーは、「The Beginning」の方が、クリス・パウエル(vo,perc)とThe Blues Bandで、ブラウンもその一員です。「The End」の方は、ブラウン(tp)、ビリー・ルート(ts)、ジギー・ヴァインス(ts)、サム・ドッケリー(p)、エイス・ティソン(b)、エリス・トリン(ds)。ビリー・ルートは、「Dizzy Atmosphere」(Specialty)でバリトンサックスを吹いていますし、ドッケリーはジャズ・メッセンジャーズの一員になるので、結構知られているミュージシャンが参加しています。

曲は、「The Beginning」の方が、クリス・パウエル作の「I Come From Jamaica」と「Ida Red」でどちらもヴォーカルものです。「The End」の方は、カーペンターズ作「Walkin'」、ガレスピー作「A Night in Tunisia」(チュニジアの夜)、パーカー作「Donna Lee」(ドナ・リー)で、ジャムセッションだけに有名曲が取り上げられています。

「The Beginning」では、歌の間にブラウンのソロが入りますが、既にモダンなスタイルで、後年録音する歌伴の素晴らしさにつながるものです。「The End」の方は、ブラウン(tp)が傑出していますが、ビリー・ルート(ts)やサム・ドッケリー(p)らのソロも悪くありません。「A Night in Tunisia」と「Donna Lee」におけるブラウンの長いソロは、高度な技術に裏打ちされた伸び伸びとしたもので、フレーズが次々と出てくる様には、唖然とするほかありません。


ニック・カタラーノ著 クリフォード・ブラウン

2015-08-28 20:46:42 | 読書

松本市上土の古書店兼喫茶「想雲堂」で先日購入した、ニック・カタラーノ著「クリフォード・ブラウン 天才トランペッターの生涯」(音楽之友社 川嶋文丸訳)を読みました。

   

著者のニック・カタラーノは、ベイス大学のパフォーミング・アーツ担当教授で、ジャズについて講義を行うと同時に、自ら演奏、プロデュースに当たり、執筆活動も行っているという方です。

内容は、クリフォード・ブラウン(1930年10月30日~1956年6月26日)の伝記ですが、その生涯ばかりでなく、ライブを含むレコーディングについて、前後の状況や演奏内容が詳細に書かれています。ブラウンの音楽活動が概観できるので、彼の音楽に親しむための参考にもなります。以下、印象に残ったところにふれます。

〇第3章 フィラデルフィアでの研鑽

『ナヴァロを範としたブラウンは、大衆受けを狙ったビバップ・スタイルのひとつである高音プレイを避けた。彼は好んで中音域を吹き、その音域を生かして独自の長いソロ・ラインを開拓していった。』と著者は記し、ナヴァロからの影響について触れられています。このことはよく知られていることですが、具体的に共演をしたことを含めて詳述されています。

〇第4章 死の淵からの生還

学生バンドの移動途中で、交通事故が発生し、同乗者が死亡し、ブラウン自身が重傷を負う事故が起きていました。彼は、両脚と胴体の右側を何か所も骨折していて、そこからの復帰に辛い治療が必要となると同時に、後遺症に悩まされました。ブラウンの復帰にかける強い意志に打たれました。

〇第7章 ヨーロッパでの浮かれ騒ぎ パリ・セッション

ブラウンは、1953年にライオネル・ハンプトン楽団の一員として、ヨーロッパ・ツァーに行っています。ハンプトンの目を盗んで、楽団員が現地レーベルのために録音をしたことはつとに有名ですが、その一部始終がドラマのように描かれています。10月15日にヴォーグレーベルに録音した「I Can Dream Can't I」や「It Might as Well be Spring」をはじめとしたカルテットによる演奏は一度聴くと忘れられません。この章は、ことによく書いてあります。

〇第8章 バードランドの夜

アート・ブレイキー・クインテットによる「A Night at Birdland」(1954年2月21日録音)の発売により、『全米のジャズ・ファンがクリフォード・ブラウンの素晴らしさを認識し、人気が出始めるとともに、評論家筋からの評価も高まり、名声が築かれることになる。』という点は、知っていたものの、そのグループの活動が続かなかったのが前々から不思議でした。そのことについて、ブレイキーのマネジメントがうまくいかず、ジャズ・クラブからの出演依頼がなく、ビジネスとして成り立たなかったという指摘がここでされているので、納得がいきました。

   

〇第10章 ブラウン=ローチ・クインテット始動

西海岸で旗揚げをしたグループは、1954年8月からエマーシーへの録音を開始します。その1曲ごとに解説が加えられています。

〇第11章 イースト・コーストへの帰還 「スタディ・イン・ブラウン」

この章では、多くの重要なレコーディングとクラブへの出演について記されています。例えば、「ヘレン・メリルwithクリフォード・ブラウン」については、『このアルバムは三人の才能が結合して、稀にみる傑出した作品になった。メリルは上質なバラードを歌うための完璧な資質を備えている。ブラウニーのサブトーンを生かした奏法は、あたらしい可能性を切り開いた。そしてクインシーは~』とあります。

   

〇第12章 最後の飛翔

フィラデルフィアの「ミュージック・シティ」で1955年5月31日に開かれたジャムセッションにブラウンは参加。そのうちの『「ドナ・リー」における彼のソロが、多くの識者により学究的な分析の対象となった』。かつてはブラウンが交通事故で亡くなる前日の1956年6月25日とされていた録音年月日が、ビリー・ルートの証言などを基に筆者は、1955年5月31日に訂正をしています。

ハロルド・ランドが西海岸の自宅に戻った後に、加入したのがソニー・ロリンズだったが、そのメンバーで録音された「At Basin Street」の中の「パウエルズ・ブランセル」は傑作中の傑作だとし、モード手法が取り入れられていると指摘し、ブラウンとロリンズはスケールに基づいてインプロヴィゼーションを展開していると書いています。モードは、マイルス・デイヴィスからだと思っていましたが、それに先んじた動きがあったという指摘にはびっくりしました。

〇全体を通して

クリフォード・ブラウンの生涯や演奏ばかりでなく、当時のジャズシーンが生き生きと活写されていてたいへん興味深く読みました。特に、パリにおける一連のレコーディングやマックス・ローチとグループを結成してからのジャズ・クラブへの巡業の模様など、よく取材が行われていて、貴重な記録になっています。巻末のディスコグラフィーも便利です。ブラウンは、広く聴かれていると思いますが、この本を読むと、彼と彼の演奏に一層関心が高まります。

   

(ジャケット写真は、手持ちのものから適宜挿入しました。) 


ジェニー・エヴァンス SHINY STOCKINGS

2015-08-26 21:24:45 | ヴォーカル(E~K)

先週、東海地方に近い飯田市でかつて一緒に仕事をしていた仲間と飲会を行いました。それぞれ忙しいので、久しぶりだったのですが楽しい一時を過ごしました。出張等で名古屋市に行った際、昼食に食べた「ひつまぶし」や「喫茶店コンパルのコーヒー」が美味しかったなどと、主に食べ物の話で大いに盛り上がりました。「Good Old Days」という曲が入っているアルバム。

JENNY EVANS (ジェニー・エヴァンス)
SHINY STOCKINGS (enja 1996年録音)

   

ロンドン生まれのジェニー・エヴァンスは、1976年にドイツに来て以来、ミュージカル女優や歌手として活動を続けています。彼女のエンヤレーベルへの作品ですが、同レーベルと縁が深いダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)が全面的にバックアップをしています。「Good Old Days」は、ゴイコヴィッチが作曲したもので、本人のインスト演奏は「Good Old Days」(King 1996年録音)に収録されています。

メンバーは、ジェニー・エヴァンス(vo)、ダスコ・ゴイコヴィッチ(vo)、ジャン二・バッソ(ts)、デヴィッド・カザロフ(p)、ブランコ・ぺヤコヴィック(b)、ルディ・マルティニ(ds)。伴奏は、当時のダスコ・ゴイコヴィッチのグループで、彼とともにイタリアのジャンニ・バッソがソロを随所でとっていて、ジャズ度が高いヴォーカルアルバムになっています。

曲は、フランク・フォスター作「Shiny stockings」、ゴイコヴィッチ作曲、ジェニー・エヴァンス作詞「Good Old Days」と「The Song of Autumn」、ゴイコヴィッチとバッソの作曲、エヴァンス作詞の「That's What Zoot Said」、あとはスタンダードで、「Softly As In A Morning Sunrise」(朝日のようにさわやかに)、「You Go To My Head」、「In A Mellow Tone」、「Caravan」、「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)、「Alright , Ok, You Win」、「Honeysuckle Rose」、「April In Paris」、「All of Me」の全13曲。ジェニー自身が3曲に詞をつけています。

歌も伴奏も落ち着きのあるもので、じっくり耳を傾けたいアルバム。ゴイコヴィッチ作の「Good Old Days」と「The Song of Autumn」は、甘く切なく哀愁が漂う曲想で、彼ならではのものです。エヴァンスの歌は、くせのない声の質と明瞭な発音で耳になじみやすいです。ゴイコヴィッチ(tp)やバッソ(ts)のソロが入る「Shiny Stockings」や「Alright , OK, You Win」は、よくスイングしていて楽しく、「The Song of Autumn」におけるクールなエヴァンスの歌もよい。

【しら河のひつまぶし】

お店のホームページからの写真です。栄ガスビル店を利用していましたが、昼時など混雑していました。
しら河ホームページ: hitumabushi.jp

   

【喫茶店 コンパル】

名古屋へ出かけた際には、栄の地下街にあるお店に必ず入っていました。写真は、栄西店です。
コンパルホームページ:konparu.co.jp 

   


小遠見山(長野県北安曇郡白馬村)トレッキング(2)

2015-08-24 21:44:00 | 登山・ハイキング


小遠見山トレッキングの続きです。

(復 路)

   

山頂から下りはじめたところ。

   

途中で右に回り込んで、地蔵の沼を見てきました。このへんから花などの写真をとりながら、ゆっくり下りて行きました。

   

スキー場のコース近くを下り、高山植物園内もウロウロしました。

   

山頂駅に併設されているレストラン。観光客の方がぞくぞくと上がってきていました。

   

下りのテレキャビン。

(出会った花)

道の脇に咲いていた花です。たくさん撮ったのですが、5つだけ。蝶も舞っていたのですが、動きが激しくて撮影できませんでした。

   

   

   

   

   

地上がとにかく暑いので、雲も早い時間からできやすいのでしょうか。天気がいま一つで視界不良でした。でも、花も見ることができたし、楽しい山歩きでした。白馬村は、外国の方(オーストラリアの方が多いそうです)にも人気があり、途中で、登ってくる3組の方にあいました。