長野市内の古本屋で「シェークスピア劇のヒーローたち」(小田島雄志著 日本放送出版協会 1989年刊行)という本を購入しました。シャイロック、フォールスタッフ、ハムレットなど劇の登場人物に焦点を当て、その人物と作品の解説がコンパクトに書かれていました。シェークスピアの戯曲は、7~8年くらい前に偶然読み始めたところ面白くて、買っては読むの繰り返しで、白水社Uブック版の全集37冊をすべて揃えました。シェークスピアの国、英国の女性歌手です。
EVE BOSWELL (イヴ・ボスウェル)
THE WAR YEARS (Capitol 1957年録音)
シェークスピアというと、ジャズやヴォーカル作品で関連があるのは、その名もずばりのクレオ・レーン(vo)の作品「シェイクスピア・ジャズ」、オスカー・ピーターソン(p)のシェイクスピア・フェスティヴァルにおけるライブ、そして、デューク・エリントンの「Star Crossed Lovers」などが浮かびます。それらもよいのですが、深夜なのでバラード系アルバムにしてみました。
イヴ・ボスウェルの、この作品は米国キャピトルから発売(僕のものは日本盤)されていますが、元は英国Parlophoneレーベルの「Sentimental Eve」です。「The War Years」は後からつけたタイトルですが、収録曲、歌ともにそれにふさわしい内容で、うまくつけたものです。ボスウェルは、英国でヒット曲を出したポピュラー系統の歌手ですが、ハンガリー出身で、戦火を避けて一家で南アフリカに渡り、英国に来ています。
曲目は、「It's Been A Long, Long Time」、「I'll Be Seeing You」、「Sentimental Journey」、「You'll Never Know」、「There, I've Said It Again」、「I'll Buy That Dream」、「As Time Goes By」といった、情感に富んだ曲に加え、ラテン味を加えた「Besame Mucho」、「Amor, Amor」など12曲で、佳曲とスタンダード。本作品の特長は、イヴの歌に相応しい曲を集めたところにあるようです。
編曲は、レグ・オーエンで、弦も使った実に穏やかな伴奏です。イヴは、ふくよかな声で、力みのない軽さで歌っていきます。優しく吹くトロンボーンのレガートのような趣でフレーズの最後を消え入るようにもしています。特に「I'll Be Seeing You」、「You'll Never Know」、「There, I've Said It Again」。ですが、「Besame Mucho」も忘れ難い。
(ブログで触れた著作)
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