安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

映画「マチネの終わりに」を観ました。(新潟県上越市 J MAX THEATER)

2019-12-14 20:00:39 | 映画・DVD・テレビ

平野啓一郎作の「マチネの終わりに」が、映画化されたので観てきました。平野啓一郎さんは、音楽にも造詣が深く、ジャズ分野でも著書があり、それで親しみを感じていた作家です。

   

(あらすじ)

世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史は、公演の後、パリの通信社に勤務するジャーナリスト・小峰洋子に出会う。ともに四十代という、独特で繊細な年齢をむかえていた。出会った瞬間から、強く惹かれ合い、心を通わせた二人。洋子には婚約者がいることを知りながらも、高まる想いを抑えきれない蒔野は、洋子への愛を告げる。しかし、それぞれをとりまく目まぐるしい現実に向き合う中で、蒔野と洋子の間に思わぬ障害が生じ、二人の想いは決定的にすれ違ってしまう。互いへの感情を心の底にしまったまま、 別々の道を歩む二人が辿り着いた、愛の結末とは― (公式サイトより)

   

(キャスト・スタッフ)

監督:西谷弘 脚本:井上由美子 音楽:菅野祐悟 クラシックギター監修:福田進一 撮影:重森豊太郎 美術:清水剛
キャスト:福山雅治 石田ゆり子 伊勢谷友介 桜井ユキ 木南晴夏 風吹ジュン 板谷由夏 古谷一行

(感 想)

ストーリー、映像、音楽、俳優さんの演技と、自然でリアリティがあり、繊細な心情世界が表現されている佳い映画でした。福山雅治、石田ゆり子の二人は役になりきった感があり、さらに、複雑なキャラクターを表現していた桜井ユキも好演していたように思います。

映像の美しさが素晴らしくて惹きつけられました。パリの街並みやニューヨークの公園の景色、コンサート会場や主人公の部屋など室内、さらには出演者も実在感たっぷりできめ細やかな絵になっていました。後でパンフレットを読んだら、デジタルではなく35mmフィルムを使って撮影されたと知りましたが、撮影陣のテクニックに加え、それも効いたのでしょう。

主人公のギタリストを演じた福山雅治さんは、自身ミュージシャンでもありますが、クラシックギターにも挑戦して見事な演奏も披露していました。この映画のために作曲された曲もありますが、様々な場面でクラシックギターの演奏が流れ、それが映画に深みを加えていました。

音楽家とジャーナリストの二人の恋愛はすれ違いもありままならずにラストを迎え、映画の終わりも結末をみせないで余韻をもたせています。ここまで純粋に、しかも長期に人を想えるのは、芸術家とかクリエーターだからこそなのかもしれないと、設定のうまさにも改めて感心しました。

   

   

   

【映画「マチネの終わりに」公式サイト】

matinee-movie.jp