スマホには、持って歩く人の行動を、秒刻みで記録しておけるアプリがあります。
そんなことを記録しておいて、何の役に立つのだろうかとも思いますが、考えて作った人には、これに頼ってくれる人がどこかにいるはずという喜びがあるのでしょう。
スマホは頼るもの、パソコンは使うものと、役割の重心をそれぞれに違えて持てば、おのおの存在はまず安泰と言えるでしょう。
パソコンのアプリケーション・プログラムには、呼び込んではみても実際には使わないもの、頼みもしないのにはいりこんできて場所をふさぐものなど、邪魔ものが案外多いのです。
進取の気性に富んだお方のパソコンは、その傾向が強いものと思います。
さて、近ごろパソコンの足が遅くなったので、少し荷物を減らしてやろうかと考えるときがあります。
しかし、ここで心配なのは、それをそぎ落としてしまったとき、足を楽にしてやると思ったのに動かなくなったら困るということです。
背負わしてあったバックパックの中味を減らして軽くしてやったら、捨てては嫌だ元に戻せと、駄々をこねられるようなものです。
そうでした、いきなり捨てずに、とりあえず取り出したものを預かって持っていればよいのです。
ファイルを削除せずに、とりあえず持っている方法があります。
ファイル名を変えず、削除もせずに、これは異物かもしれないと印しをつけておけばよいのです。
たとえば「$」マークをあたまにつけておけば、パソコンは正確かつ正直ですから、もとのファイルは「ない」と見てしまいます。
「ない」ものはどんな命令がきても動きません。
印しづけをしてそのまま使っていれば、その次に起動したときに何か怪しい変化があったときには、「$」付けが原因であることが濃厚と言えますから、「$」をはずして再起動してみればわかります。
パソコンも人間が考えたものですから、人間と同じように、できることをできなくしてしまうと怒りだして動かなくなります。
元に戻れるように、しばらくの間様子を見ていれば、パソコンの機嫌もわかりますから、三カ月も経てば執行猶予を解いてもよくなるでしょう。