海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

K4護岸の残りの開口部で閉めきり作業が始まる。

2018-07-29 11:02:53 | 米軍・自衛隊・基地問題

 28日(土)は朝、雨が降っていて、止むまでテント2で待機した。午前中は雲が空を覆い、天候が不安定ということだったので、抗議船で様子を見に行った。K4護岸の松田ぬ浜側では、排水パイプが撤去されていて、護岸の一部開いた場所の前を汚濁防止膜で囲う作業が行われていた。

 前日27日までに、護岸内部にあった稀少サンゴ(オキナワハマサンゴ)1群体を「移植」しており、外から潮の流れを入れる必要が無くなったというわけだ。沖縄県が採捕を許可したことにより、沖縄防衛局は翁長知事の埋め立て承認撤回の翌日に、開口部を閉じる作業を始めてきた。

 

 カヌーチームは午前17艇、午後13艇が抗議船2隻とともに、K4護岸の松田ぬ浜側を閉めきろうとする作業に抗議した。

 写真を見ればわかるように辺野古の海に設置されているオイルフェンスは、川や海でふつうに見かける物よりかなり大型だ。沖縄防衛局はカヌー対策のため、フロートに鉄棒やロープ、網などを付けたりした挙句、今はこんな大型フロートを張りめぐらしている。

 不安定なオイルフェンスにまたがってカヌーを入れるだけでも大変だが、今や米軍に奉仕することを任務とする情けない海保たちが、ゴムボートをカヌーやオイルフェンスにぶつけて弾圧してくる。辺野古新基地建設は、海では海保に、陸では機動隊に支えられて強行されている。

 オイルフェンスを開口部周辺に張ったあと、K4護岸の松田ぬ浜側の先端部を保護していた根固め用袋材の撤去作業が始まった。反対側の先端部は動きがなかったので、K1~3護岸から続くこの箇所からだけ捨て石の投下を始めるようだ。

 カヌーチームは何度もオイルフェンスを越えて抗議をくり返した。海保の弾圧が厳しいうえに、K4護岸まではかなりの距離がある。

 しかし、工事が進められている海の現場に近づいて抗議できるのはカヌーチームだけだ。国がどれだけ強権的に工事を進めても、それに屈することなく、少しでも現場に近づいて抗議の意思を示さないといけない。

 週明けの30日以降、K4護岸を完全に閉めきる捨て石の投下が始まる。そして、護岸を閉めきったうえで排水口を設置し、土砂投入の準備が進められる。

 新たに閉めきられる工区は、先に閉めきられた辺野古岬の工区より5倍以上の面積があり、内側には豊かな海草・藻場が広がっている。上の写真2枚はK4護岸のすぐ外側の海底だが、同じ光景が護岸の内側でも見られる。

 1年前まで、カヌーチームはその海域を自由に漕いでいた。今は護岸が壁となって近づくことができない。このままではカヌーを漕ぐどころか、護岸の内側の生き物はすべて日米両政府の手で殺されてしまう。

 県民投票や基地引き取り運動など多様な運動が行われている。しかし、仮に来年、県民投票が行われるとして、その時までに辺野古の海はどうなっているか。引き取り運動が具体化するまでに新基地建設はどこまで進んでいるか。まずは工事が進んでいる現実に対応しなければ、海の破壊はどんどん進んでいく。

 海でもゲート前でも、市民が現場で行動しなければ、日々大量の工事資材が搬入され、陸でも海でも工事が行われる。翁長知事が撤回に向けての作業着手を表明しただけでは、その現実は変わらない。多くの人が辺野古へきて、自分の行動で新基地反対の意思を示してほしい。

 

 


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