海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

辺野古の海で翁長知事の埋め立て承認撤回表明を聞く。

2018-07-27 23:53:32 | 米軍・自衛隊・基地問題

 27日(金)は朝、カヌー9艇で松田ぬ浜を出発し、抗議船2隻と合流してN3護岸からK3護岸にかけてのオイルフェンス沿いに監視・抗議行動を行った。夏空の下、辺野古の海はよく澄んで美しかった。

 カヌーチームはN3護岸の所まで自走し、作業和船が潜水作業をしたり、護岸の上や内側の海岸付近で進められている工事の状況を監視した。

 N3護岸とK4護岸の接合部分は、25日(水)の段階で外側の被覆ブロック設置が終わっている。市の流れが遮断されて1週間以上が経ち、内部の海は海水温が上昇し、海岸部の工事の土砂で汚染が進んでいるだろう。8月17日の土砂投入以前に、海の生き物はじわじわと殺されているのだ。

 K4護岸の真ん中から辺野古岬側にかけて、天端(上面)に根固め用袋材やコンクリートブロックを設置する作業が行われていた。台風の高波で砕石が流され、護岸が崩れないように天端を固めているようだが、週末に連続して襲来した台風のせいで工事の進行が遅れている。

 閉め切られたK4護岸とN3・N5護岸の向こうに見えるキャンプ・シュワブの陸上部には、連日ゲートから搬入される砕石が大量に積み上げられている。また、海岸の土手をショベルカーが掘り起こし、赤土を搬出する作業も行なわれている。

 護岸がつながったために視界が悪くなったが、護岸の内側では埋め立てに向けた作業が進められている。護岸の内側の工事については、海上からは監視しかできないが、あとはゲート前で資材搬入をどれだけ阻止できるかに、埋め立て工事の帰趨はかかっている。

 

 午前10時半から、翁長知事が埋め立て承認撤回に向けての記者会見をするというので、カヌーチームは長島で、抗議船のメンバーは船上で、記者会見のインターネット中継を聞いた。

 聴聞期間中も工事は進むし、実際に撤回がなされて工事が止まっても、国は即座に対抗策を打ち出してくる。問題はその後だ。翁長知事を突き上げていればいい状況は終わる。機動隊や海保を前面に立て、新基地建設を強行する日本政府に対し、どう対抗していくのか。それが私たち一人ひとりに問われている。

 人がやっていることにあれこれ言うのは簡単だ。しかし、ゲートから資材が搬入され、現場で工事は進んでいくのを止めるために、自分はどれだけのことをしてきたのか。すでに護岸の一部は閉め切られてしまった。それを止めることができなかったことが悔しくてならない。

 午後、K4護岸の松田ぬ浜側では、排水パイプを再設置する作業が行われていた。稀少サンゴを保護するために、こんなちゃちなパイプで護岸内の潮を循環させるというのだから笑わせる。こんな手法にお墨付きを与える環境等監視委員会の御用学者たちの恥知らずぶりには反吐をもよおす。

 カヌーチームは午後はK3護岸側で抗議し、午後3時にこの日の海上行動を終えた。

※補注 上の写真は排水パイプを再設置しているのではなく、撤去しているところだった。3日間、海に出ていなかったので判断を誤った。稀少サンゴの移植がなされたことにより、空いている護岸部分を閉めきるための動きの一つだった。翌8日(土)に護岸工事が再開された。

 


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