海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

K9護岸での取り組み/厳しい条件下でも最善を尽くすこと。

2018-12-18 23:57:40 | 米軍・自衛隊・基地問題

 18日(火)は朝、瀬嵩の浜からカヌー8艇で出発し、抗議船2隻とともに岩ずりが陸揚げされるK9護岸で抗議行動を行った。前日、ガット船・第八そうほう丸から赤土混じりの岩ずりを移し替えたランプウェイ台船が接岸しようとした。

 同船に積まれている土砂は、琉球セメントの桟橋から違法に積み込まれたものだ。タグボートが係船ロープを取り、接岸に向けて準備するのを見てカヌーチームはフロートを越え、台船に近づいて土砂の陸揚げに抗議した。

 カヌーが進路周辺にいるので、海保のゴムボートがカヌーメンバーを拘束して進路を確保するまで、台船は停止せざるを得なかった。カヌーメンバーは拘束されてカヌチャリゾート沖で解放された。

 K9護岸では午後2時過ぎまで土砂の陸揚げが行われた。この日は天気が良かったため、台船の甲板や護岸上では、乾燥した土砂から粉塵が舞い上がっていた。それへの対策はいっさい行われていなかった。

 前日に安和の琉球セメント桟橋で岩ずりを積み込んだ日和丸が、午前8時半頃、大浦湾に入ってきた。同船は空になったランプウェイ台船に岩ずりを積みかえると、午後3時10分頃に大浦湾から出て行った。

 ガット船が増えることで岩ずりの搬入は増える。しかし、一方で陸揚げする場所はK9護岸1カ所しかない。どんなに運搬船を増やしても、おのずから限界が出るのだ。K9護岸周辺で阻止・抗議行動を行い、作業が遅れれば、船は増えても土砂投入の速度を上げることはできない。カヌーや抗議船の行動には大きな意義がある。

 

 午後2時20分頃、岩ずりの陸揚げを終えて空になったランプウェイ台船が、K9護岸から離れようとした。沖には岩ずりを積んだ別のランプウェイ台船が待っていて、それと交代しようとしていた。カヌーチームは再度フロートを越えて台船の後ろに入り抗議した。そのため、台船は離岸して後進できなくなった。

 海保のゴムボートに拘束されたあとも午後3時半頃まで粘り、次のランプウェイ台船がK9護岸近くまで接近したのは午後4時前になった。この時間からブルーシートを外してダンプカーに岩ずりを積み、埋め立て予定地まで運んで投入するには遅すぎる。そのため2隻目の陸揚げはなかった。

 午前、午後の2回にわたるカヌーチームの抗議行動がなければ、午後2時前には1隻目の陸揚げを終え、引き続き2隻目の陸揚げが行われていただろう。フロートで遮られ、海保の弾圧もある厳しい条件下でも、作業の手順や船の移動経路、アンカーの位置、潮の流れなどを観察して行動すれば、少ないカヌーでも効果を上げることができる。

 厳しい条件下でも決してあきらめることなく、最善を尽くすように努力すること。そういう当たり前のことを積み重ねることが大切なのだ。


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