海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

5連休後の海上工事再開とK8護岸での抗議行動

2021-05-06 23:59:16 | 米軍・自衛隊・基地問題

連休明けの6日(木)は朝、カヌー6艇で松田ぬ浜を出発し、平和丸とともにK8護岸付近で海上行動を行った。

 沖縄防衛局は4月30日に、辺野古側工区全域で土砂を海面から3・1メートルまで投入し、陸地化したと発表している。5月1日から5連休をとったあと、今日6日からはN5護岸の南側の工区でも、4メートルの高さまで嵩上げしていくという。

 この日は午前8時32分頃からガット船4隻(第八丸喜丸、進朋、第八高砂丸、清明)が大浦湾に入った。このあと空のランプウェイ台船に横づけし、土砂の移し替えが行われた。

 移し替え作業には2時間ほどかかるので、平島で待機した。

 平島の浜に天然のスヌイ(モズク)が流れてきたので、すくって食べてみた。食感はいいのだが、さすがに塩辛く、全部食べるのは無理だった。

 もう埋め立てられてしまったが、キャンプ・シュワブのシアター前の海にはスヌイが多かったのを思い出す。

 土砂の移し替えと並行して、K8護岸では砂利や鉄板の整備、接岸部の台船へのスパッド差し込みなど、土砂陸揚げに向けた準備作業が行われた。

 午前11時半頃、準備作業が終わり、土砂を積んだランプウェイ台船・明神3号がK8護岸に近づいてきた。それに合わせてカヌー6艇で明神3号に向かって漕ぎ、土砂陸揚げの再開に抗議した。

 ほぼ同時刻に、デッキバージから土砂を移し替えたランプウェイ台船が、K9護岸に接岸していた。

 海保に拘束されたカヌーメンバーは、午後12時半頃、松田ぬ浜近くで解放された。

 沖縄は前日5日に梅雨入りしている。6日は時折雨の予報だったが、空の様子を見ながら海に出た。午前中は少し小雨が降った程度で、無事に海上行動を終えることができた。

 午後1時31分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。K8・K9護岸から陸揚げされた土砂が②工区の2か所に投入され、嵩上げ作業が進められていた。

 上の写真で、手前の消波ブロックはK2護岸の前に置かれたもの。その奥にある黒いフレコンバッグの列は、排水パイプの設置場所に置かれ、陸からK4護岸に向かい、②工区を2分している。

 その奥に根固め用袋材が1段で並んでいるあたりがN5護岸。護岸の手前にはX字型消波ブロックの頭がわずかに見えている。埋め立てが進んだことが分かる。N5護岸の奥には、ダンプカーから降ろされた土砂の山が並んでいる。以前②-1と呼んでいたこの工区では、連休前から4メートルの嵩上げ工事が進められている。

 午後1時半頃、大浦湾を出たガット船2隻(第八丸喜丸、進朋)が沖に進んでいた。午前中で土砂を下ろし、塩川沖に戻るところ。

 午後1時54分頃、瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。

 K9護岸にはランプウェイ断線が2隻接岸し、土砂の陸揚げを行っていた。

 K8護岸上にはダンプカーが列をなし、同じく土砂の陸揚げが行われていた。

 朝に入ったガット船は清明と第八高砂丸が残り、清明がランプウェイ台船に土砂の移し替えを行っていた。

 ゴールデンウィーク中は実家に帰り、雨の日以外は毎日12時間ほど外で作業を行っていた。庭にはユリやブーゲンビリアが咲いていて、若夏の日差しを浴び、ミツバチが飛び交うのを眺めていると気持ちがいい。と言い切りたいのだが、やらなければいけない作業に追われながら、ラジオのニュースに耳を傾ければ、いやな現実にも向き合わざるを得ない。

 5月1日に名護市では、市民会館周辺を使いオリンピックの聖火リレーが行われた。西海岸では巨額の放映権料を当て込んだオリンピック利権。東海岸では増額される工事費・警備費を当て込んだ辺野古利権。さらに選挙がらみの権力亡者たちが、新型コロナウイルスで市民に不要不急の外出自粛を呼びかけながら、自分たちは世論を無視したイベントや工事を強行している。

 大阪や兵庫にはウチナーンチューもたくさん住んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で医療が崩壊し、入院できずに自宅で亡くなる市民が相次いでいるなか、どうして笑顔で聖火リレーができるのか。沖縄のメディアはオリンピック翼賛報道を垂れ流しているが、そのために犠牲になる市民のことを考えているのか。

 今の感染状況で医師や看護師を医療現場から引き抜けるはずがないし、休職者に呼び掛けても対応は困難だ。にもかかわらずオリンピックを強行すれば大きな混乱が発生し、新型コロナウイルスの感染者・死亡者が増大するのは目に見えている。それを分かっていてやるなら、国家による殺人行為に等しい。

 福島では原発の汚染水のコントロールもできていない。復興五輪、コロナに打ち勝つ、という空々しい言葉にみなうんざりしている。オリンピックも辺野古新基地工事も中止し、人と予算を新型コロナウイルス対策に傾注すべきだ。

 


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