15日(金)は那覇地方裁判所で、2015年4月28日に海上保安庁の保安官が市民の抗議船ラブ子を転覆させた事件をめぐり、市民が起こした国賠訴訟の判決があったので傍聴しに行った。事件発生時の状況はラブ子に乗船していた市民が撮影した動画で確認できる。
強引に乗り込んできた海保によって動画を撮影していた市民は海に転落させられた。さらに定員をオーバーして海保がラブ子に乗り込み、海から乗り込もうとした海保が舷側を押したため、ラブ子はバランスを崩して転覆した。市民らは海に投げ出され、さらに海保による暴力で市民一人が病院に救急搬送された。
この頃の海保の暴力は目に余るものがあった。意図的に抗議船にゴムボートを衝突させて壊したり、カヌーや抗議船に乗った市民に暴力をふるい怪我人が続出した。ラブ子転覆事件はその中でも酷いものだったが、今日の判決では市民の訴えは認められなかった。
判決は主文が読み上げられただけですぐに終わったので、詳しい判決内容についてはこれから明らかになると思うが、安倍政権が辺野古新基地建設を強行し続ける中で、海保の警備に与える影響を考えての政治判断はなかったと言えるのか。
ユーチューブにはこの間の海保の暴力を映した映像がいくつもあるが、下の映像の海保の言動は異常としか思えない。
辺野古の海・大浦湾で海保がやっているのは、米軍基地を建設するための警備であり、沖縄に残された貴重な海の破壊を手助けするものでしかない。米軍基地の沖縄への集中と固定化を維持し、沖縄県民をこれからも苦しめ続ける。それが海保のやっていることだ。
沖縄県民が県知事選挙や国政選挙、県民投票などでくり返し辺野古新基地反対の民意を示しても、日本政府はそれを踏みにじって工事を強行し続けている。その政府の意思を辺野古の現場で体現しているのが海では海保、陸では機動隊だ。国家の暴力装置の発動を、さらに司法が後押しする。
だが、私たちは泣き寝入りするわけにはいかない。日本「本土」防衛のために沖縄を犠牲にする。この植民地的差別構造をさらに強化するのが辺野古新基地であり、それは県民に新たな犠牲を生み出し、米軍が出撃した地でも犠牲を生み出すのだ。それを止めなければいけない。