1月4日は仕事始めで、海上行動も2018年の初日となった。カヌー9艇で松田ぬ浜を出発し、オイルフェンス沿いにK1護岸からN5護岸に向けて漕ぎ、抗議船3隻と合流して作業の状況を観察した。
K1護岸ではクレーン車やショベルカーが護岸の沿岸部に片づけられたままで、作業員の姿は見られなかった。この日は曇り空で北から北東の風が強かった。オイルフェンスが大きく張り出されたため漕ぐ距離が増え、向かい風もきつかったが、休み明けにいい練習になった。
N5護岸も作業の動きはなかった。年末、先端部に汚濁防止膜を載せたままの状態で変化はない。
昨年12月から辺野古岬付近で仮設道路の建設が始まっている。その様子も見に行ったが、クレーン車が海岸近くに移動してきた。しばらく様子を見たが作業の動きはなく、風が強くなってきたのでN5護岸の方に戻った。
この日は午前中、作業和船が出てオイルフェンスやフロートの点検、補修を行っていた。写真は作業和船が開口部を開け、水質調査を行った作業船を出しているところ。午前10時半まで現場で様子を見たが、工事の動きは見られなかったので松田ぬ浜に戻った。それ以降の現場の動きは確認していない。
名護市長挙の投開票日・2月4日まで、1か月と迫った。昨年末の12月29日には菅官房長官が名護市に入り、今日は自民党の二階幹事長が名護市に入っている。安倍政権が名護市長選挙にどれだけ力を入れているかが分かる。
年頭から沖縄のメディアでは「今年は選挙イヤー」ということが強調されている。1月の南城市長選挙、2月の名護市長選挙、3月の石垣市長選挙、4月の沖縄市長選挙と続き、11月には那覇市長選挙と沖縄県知事選挙が同日選挙で行われる可能性が高い。
ほかにも豊見城市や金武町、南風原町などで首長選挙が行われ、さらに30市町村議会で選挙が行われる。こういう政治状況下で、県政与党議員のなかで県知事選挙にあわせて県民投票をやろう、という意見が出ていることに唖然とする。
県知事選挙とあわせて県民投票をやろうと考えている政治家や弁護士、大学教員らは、県民投票を実現するためにどれだけの労力が必要かまじめに考えているのか。自分が先頭になって全精力を傾け、県民投票実現のために活動する気なのか。県民投票の運動をしながら県知事選挙をはじめとした各種選挙がたたかえると思っているのか。
はっきり言って今の「オール沖縄」勢力に、各種選挙と県民投票を同時に取り組むだけの力はない。1996年9月の県民投票から21年余が経ち、日本と沖縄の政治状況や革新政党、労組の力は大きく変わった。下手に県民投票に取り組めば、県知事選挙や那覇市長選挙に集中すべき労力が割かれ、両選挙が敗北する危険性が高い。
日本政府が県知事選挙にどれだけの姿勢で来るかは、名護市長選挙を見れば明らかだ。これから辺野古の新基地建設工事が進めば進むほど、翁長知事には不利な状況となってくる。今さら、県民投票を、と言っている人たちは、机上の議論をしているだけで、誰が、どう運動を担い、実行するのか、という実体論がない。
現在の政治状況と彼我の力量を客観的に評価できず、「県民投票」を口にする者たちの無責任な言動に振り回されてはいけない。そういうことをやっている時間があるなら、現場での抗議行動と各種選挙に力を集中した方がいい。それでも状況はかなり厳しいのだ。