海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

パブヌクジケー

2013-08-24 23:49:40 | しまくとぅば

http://www.youtube.com/watch?v=zH64WNhrPno&feature=youtu.be

 高江でヘリパッド建設に反対する監視・阻止行動をやっていると、色々な生き物を目にする。トカゲ類ではキノボリトカゲ、バーバートカゲと並んでアオカナヘビをよく見かける。写真は7月31日に北部訓練場メインゲート近くに設置しているテントの傍で撮ったもの。最近脱皮したのか、頭の部分に古い皮が残るアオカナヘビが、木の葉におりた朝露をなめていた。

 今帰仁村の仲宗根ではアオカナヘビのことをパブヌクジケーと呼ぶ。ハブの小使いという意味だが、確かにハブの家来として使われていそうだ。小学校4年生まで暮らした生家の前には芋畑があり、パブヌクジケーがたくさんいた。ガイケー(キノボリトカゲ)よりも捕まえやすいので、昔から沖縄の子どもたちの遊び相手として、弄ばれた上で最後は残酷な仕打ちを受けてきたのだろう。

 以前は実家の庭でも普通に見かけたのだが、この10年ばかり目にしていない。子どもの頃は周りに当たり前にいたのに、いつの間にか姿を消した生き物を高江で目にすると、40数年前の記憶がよみがえってくる。ペットではなく、野生の生き物と頻繁に触れあって子ども時代を過ごしたこと。それは小説を書くうえでも格段の影響を与えている。

 以下は今帰仁言葉(なちじんくとぅば)訳。

 高江じヘリパッド建設に反対すーぬ監視・阻止行動しちゅいねー、いるいるな生ちむし目(みー)にすん。トカゲ類じやキノボリトカゲ、バーバートカゲとぅならでぃアオカナヘビんゆー見ん。写真や7月31日に北部訓練場メインゲート近くにたてぃてーぬテントぬすばじ撮(とぅ)ってーぬむん。しでぃてぃしきなげーら、頭(ちんぶ)ぬめーかい古皮(ぷるはー)ぬ残(ぬく)とぅぬアオカナヘビぬ、木の葉(きーぬぱー)ぬ朝露(あさちゆ)なんてぃういたん。

 今帰仁村ぬ仲宗根うてぃやアオカナヘビぬくとぅパブヌクジケーり呼(ゆ)びん。パブぬ小使いりいうぬ意味えっしが、じゅんにパブぬ小使い(くじけー)とぅしち使(ちか)らってぃういぎさーえっさ。小学校4年生までぃ暮らちゃぬ生家(まーりやー)ぬ前(めー)にや芋畑(うむばたき・はんじゃばたき)ぬあてぃ、パブヌクジケーぬちゃっさんういたん。ガイケーゆか捕(とぅ)いやっせーとぅ、昔からウチナーぬ童(わらばー)たーぬ遊(あし)び相手とぅしち、むたばってぃ最後ややなくるしさってぃちぇーぬはじえっさ。

 めーやどぅーぬ家(やー)ぬ庭(なー)じんゆー見(みー)たしが、くぬ10年びかー見っちまん。ふーせーぬばーや家(やー)ぬまんまる当(あて)ー前(めー)ぬぐとぅしちういたーむん、いちぬ間(まー)にげーらうらんくなたぬ生ちむし高江じ目(みー)にしーねー、40数年前(めー)ぬ記憶ぬゆみげーてぃ-すん。ペットやあらん、山ぬもーぬ生ちむしちゃー触り触り(さわやーさわやー)しち童(わらび)ぬ時分過ぐちぇーぬくとぅ。うりや小説はちゅぬばーぬんじこー影響与えとぅん。

 

 

 


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