海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

土砂陸揚げと辺野古側埋め立て工区への投入が続く

2020-08-01 23:59:12 | 米軍・自衛隊・基地問題

 8月1日(土)は午前8時38分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。逆光で見にくかったが、この日は大浦湾に出入りするガット船はなかった。K8護岸ではランプウェイ台船から土砂を陸揚げする作業が始められていて、②工区のK3護岸側から投入していた。

 土曜日なので工事用ゲートは閉まっていた。資材搬入がないので生コン車も入ってこず、K1~K4護岸の嵩上げ工事は行われてなかった。

 午後9時48分頃に再度、豊原の高台から様子を見たが、K8護岸では1隻目の台船が離岸していた。一時的に土砂の投入が止まっていたが、あとで瀬嵩側に回った時には、K8・K9護岸ともに陸揚げ作業が行われていた。

 午前10時13分頃、瀬嵩側に移動して海岸や森の上から大浦湾の様子を見た。K8・K9護岸ともにランプウェイ台船が接岸し、土砂を運ぶダンプカーが護岸上を往復していた。

 ガット船は7隻(marumasa3号、第八丸喜丸、第八高砂丸、松龍丸、第八藤進、聖嘉、marumasa1号)が停泊し、あとの4隻は土砂を台船に移し替えている最中だった。

 今日から8月に入り、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを踏まえ、玉城知事は沖縄県独自の緊急事態宣言を発している。昨日、辺野古有志の会とティダの会で沖縄防衛局に要請したが、不要不急の工事の最たるものである新基地建設をすぐに止めるべきだ。このままでは再び作業員から感染者が出て、今度はクラスターまで発生しかねない。

 沖縄県やメディアが取り上げる国内、県内の感染者の中には、在日・在沖米軍基地から発生した数が含まれていない。意図的に数字を小さく見せようとしているのだろうが、基地内は日本や沖縄ではない、とでもいうつもりか。

 米軍関係者は基地内に引きこもっているのではない。基地の外に居住している者もいれば、買い物や遊びに行く者もいる。陽性が判明しない限り、隔離状態に置かれていないのは沖縄の市民と変わりない。米軍関係者を入れれば、沖縄の感染状況の悪化はよりひどいものになる。この現実を直視しないといけない。

 上の2枚の写真は辺野古弾薬庫側から撮ったものだが、台船に横付けして土砂を移し替えているガット船が何か分かるだろうか。

 答えは聖嘉である。船名は台船に隠されているが、煙突の背面が黒一色で突起が4本出ているところから見分けられる。小池造船所建造の749総トン型ガット船で、積載量が2300トン、満船時速力が12.0ノットとなっている。

 小池造船所建造の749総トン型シリーズのガット船が、大浦湾には聖嘉、清明、進朋、玄周丸、美鍛丸、聖祐の6隻来ている。清明は船体が黒、進朋は青で見分けやすいが、聖嘉、玄周丸、美鍛丸、聖祐は緑系統で見分けにくい。ただ、煙突の背面の配色と突起が、聖嘉は黒一色で4本、玄周丸は黒と緑で2本、美鍛丸は黒・白・緑で1本、聖祐は黒・白・緑で3本となっている。

 船体の色も玄周丸と美鍛丸は濃いめの緑で、聖嘉と聖祐はウグイス色に近い。しばらく前から聖祐は船底の塗装の赤色が落ちて灰色になっている。そういう各船の特色を覚えていれば、見分けが付けられる。

 辺野古崎付近の作業ヤードに栗石の山が見える。その横に大きめの捨て石用砕石が積まれているように見える。二段積みの黒いフレコンバッグからわずかに見える程度だが、搬入が進めば山になるだろう。

 軟弱地盤の問題で大浦湾側の工事が着手できないなか、沖縄防衛局は辺野古側の工事をできる限りやろうとしている。工事の順序も何もあったものではない。

 これから辺野古崎の岩場付近に建設されようとしているK5~K7護岸に囲まれた埋め立て地は、将来、装弾場となる所だ。普天間基地にはない新たな機能であり、新基地と言われる所以の場所だ。困難な状況下だが、工事を止めるために頑張りましょう。

 なお、これまでもこれからも、緊急事態宣言下での辺野古新基地に関連する現場からの報告は、車を使っての単独行動であり、抗議行動や要請行動を除いて、人との接触はないことを付け加えておきたい。抗議行動や要請行動でも当然、感染予防に努めている。


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